GW西穂高〜奥穂高

GWの5/2~5/4で穂高に縦走に行って来たので投稿させて頂きます。
メンバー 吉村、T(会外)

5/2
2:30深山荘発、穂高平の牧場から適当に取り付くらしいがとくに踏み跡らしいものも見当たらず暗いのとガスで上の方も見えず少々タイムロス…
結局、ここしかないだろうという一番傾斜の緩い藪に突っ込んだら正解でした。2時間ほど濡れた藪と戯れ冷たさに憂鬱になりながらもやっと尾根上に。
ここからは快適かと思ったら今度は踏み抜き多くてかなり疲れました。
11:00前には第一岩峰手前着。やる事済ませまったりし17:00頃就寝。

5/3
5:00幕営地発。風が強い為少し出発を遅らせたが予定通り出た方が良かったかも。
流石に森林限界越えて早朝だけあり快適に歩け、7:30西穂高岳山頂着。
吉村は槍穂高のピークはこれが初めてだがこの後の行程を思うと緊張でテンションは上がらない。
一服していざ今山行の核心へ。
雪壁のクライムダウンがどこも結構傾斜あり怖い。
9:30逆層スラブ、雪は付いていなかったが登りなのもありここはとくに悪くなかった。
天狗のあたりの雪壁をクライムダウンしてたら後続のお兄さんが追い付いてきて前向きでサクサク歩いて行ってしまった。
「あ、ここ前向きでサクサク行けるんだ…」と思いつつ自分たちは慎重にクライムダウン。このお兄さんとは穂高岳山荘まで付かず離れず行くことになるがジャンダルムもロバの耳もクライムダウンしていました。かなり悪かったらしいです。

ジャンダルムの登りで前日だか今日だかに事故があったそうで、途中に残置されていたザックとロープを横目に改めて気を引き締める。
ここの登りはガレてて悪かった。
12:35ジャンダルム、思ってたより狭いピーク。時間も押しているので写真1枚だけ撮りつつ先の様子を確認しさっさと懸垂下降。

ジャンダルムにて

10:30頃から岳沢側の雪の緩みが少々気になり始めていましたがジャンダルムから先の雪壁は飛騨側が多く特に問題ありませんでした。
ロバの耳の下りで飛騨側に懸垂下降2P。
鈍らなナイフリッジになった馬の背を越えてようやく14:30奥穂高岳着。
3人で握手を交わし写真撮影。

奥穂高岳山頂からジャンダルム
右から吉村、Tさん、お兄さん

山頂を満喫後、八ヶ岳並みの高速道路を下って穂高岳山荘へ。
ビールの誘惑には勝てませんでした。買ってしまいました。

5/4
早朝起きると左足の小指がだいぶ痛い…
計画ではこの日は槍まで行き5/5に下山予定。どうするか様子を見ながら予定通り準備をするも結構な痛みなのであきらめて下山することに。
どうやら昨日靴の中で指が当たってしまっていたようです。そんな感じしなかったんだけどなぁ…
3:00一番降りやすそうな涸沢~上高地に下降開始。
6:20横尾
明神館手前ですれ違った方に声を掛けられ誰かと思えば冬に裏同心ルンゼで一緒に登らせて頂いたC山岳会のABさんでした。
覚えてていただけたとは有り難い限りです。
9:00上高地
バスで新穂高へ。

今回の山行は計画の半分くらいしかできず悔しかったしパートナーには申し訳なかったですがいいトレーニングになったので次につなげていきたいです。

北関東、岩塔巡り(平成の終わりに昭和へタイムスリップ)

西上州の岩場は脆いと聞いていたので、自分から行こうと思ったことは無かったが、今回、友人に誘われて、4月27日~29日、西上州から足尾へ岩塔を巡るクライミングツアーへ行った。
26日の夜、雨予報の中を群馬県甘楽郡南牧村(かんらぐん なんもくむら、と読む)へ向けて還暦前後の3人で出発。
南牧村は高齢化日本一、消滅可能性も日本一の村だ!
まさに我々にピッタリの山域である。
道の駅で夜を明かすが、朝まで雨が降り続いている。
予報では6時頃には止むはずだったが、止む気配は無い。
仕方ないので(今日は脆い岩を登らずに済みそうなので、内心ほっとして)周辺の偵察と決める。
じじばば岩と高立一本岩を見に行こうという事になり、下仁田へ戻ってから254号線を西走し、じじばば岩はアプローチが遠そうな上、登れなそうなので、遠くから眺めるだけにして、高立一本岩を目指す。
これは凄い!
なぜ、これを観光に使わないのか不思議なほどインパクトが有る。

高立一本岩

あいにく(ラッキーなことに)雨で濡れているので、今日のところは取付き偵察で許してやった。あー残念・・・
近くの岩塔をもっと見ようという事で、妙義山へ転身
筆頭岩(ひっとういわ)へ向かう。
おー、これも凄い! しかも乾いて来ている。
これは登らなければならないだろー!
取付きは駐車場からわずか5分!
ルートは写真右のリッジ

筆頭岩

28日
今日は朝から晴天だが、よく冷え込んだ。
本日はメインディッシュの毛無岩の登攀
道場という部落のどん詰まりの神社の横から歩き、約2時間で取付き。
西上州らしい、脆い脆い岩登りを7~8ピッチで毛無岩の頂上へ抜けた。

毛無岩全景
最終ピッチのクラック
毛無岩の頂上

最終日の29日は足尾へ移動。
松木沢ジャンダルムへ向かう。
松木沢は初めて訪れたが、ここも凄い風景だ。
昔よりは緑が増えたらしいが、今でも死の谷の様相を残している。
冷たい渡渉をしてジャンダルムの取付きへ向かう。
渡渉してから取付きまで、わずか15分。
直上ルートと思われるチムニーに取付く。
中央バンドまで3ピッチ、上部岩壁が2ピッチの登攀だった。
ここは昨日までの岩と違って、浮石が物凄いことを除けば、岩は硬くて快適だった。
帰りの渡渉が憂鬱だったが、懸垂下降で取付きへ。
我々は50mロープだったので、懸垂の支点まで数メートル届かないピッチが2回あり、クライムダウンで怖い想いをしたので、60mロープを推奨します。

ジャンダルム全景
終了点から松木沢を見下ろす
渡渉

クライミング、西上州や足尾の町、すべてが驚きと感動と懐かしさに満ちた三日間だった。
いやー、日本は広い!
いつか高立一本岩を登りに戻って来たいと思いながら帰京しました。

記 熊谷

波勝崎赤壁 サンセットウォールルート

2月23日、24日で遠山、大沼で波勝崎の赤壁を登ってきました。
1年位前に海金剛に行こうと思って調べていた所、赤壁という壁がある事を知った。インターネットで調べても記録が殆ど出てこなかったので、これは面白そうだなと思っていた。

最近は残置を使わない残置無視というクライミングもあるが、残置があるだけでルートファイデングも簡単だし、いざという時の敗退も簡単。自分の様な未熟者がクライマーとしての総合的な能力を上げるには、情報の少ない山に行き、試行錯誤して持っていくギアを考え、現地で登れる場所を判断して登っていくのが1番だと思う。エイドクライミングは忘れられてフリー全盛の時代だが、エイドが出来ないのはヤバイと思うよと大沼君には前に説明していた。 事実、今回の山行でカムやナッツで、フリーで登るのにはボロ過ぎてかなり厳しく、アブミやハーケン、ボルト、フック類など、フリーで登る事が厳しい場所では、エイドクライミングが出来ないと話しにならず、今回の様な壁にはフリーだけでは通用しないと分かってくれたようだ。

アプローチから踏み跡など殆どなく、トゲに身体中やられて初登者のクライミングジャーナルの記録そのものだったが、最高に楽しく久しぶりに充実感のあるクライミングだった。因みに3P目にあったハーケン1本以外には残置支点もなかった。

【使用ギア】 スカイフック2本、バードフック2本、ラープ2本、ハーケン数種類6枚、カム00〜3番小さいサイズは2セット、ナッツ。 その他、3ミリスリング数本などと普通のクライミング装備。ジャンピングとリングボルトは未使用。2P目のスラブの5級部分はノーピンで登った。

アプローチで迷う可能性がある事、ビバークは確実な事を想定して出発は明るくなるのを待って出発をした。

2/23(土)
  6:00 波勝崎苑駐車場出発
  8:00 赤壁取り付き到着
  8:20 赤壁登攀開始 1・2P目(遠山リード)
  9:10 2P目終了点フォロー到着
  9:20 3P目(大沼リード)
  9:50 3P目(大沼リード交替)
10:00 3P目(遠山リード)
13:30 3P目終了点リード到着
16:30 3P目終了点フォロー到着
16:40 4P目(遠山リード)
19:30 4P目フォロー到着
20:00 4P目終了点ビバーク
21:00 就寝

2/24(日)
  5:30 起床
  6:20 5P目(遠山リード)
  7:20 5P目フォロー到着
  7:30 6P目(大沼リード)
  9:30 6P目フォロー到着
  9:40 7P目(遠山リード)
10:30 7P目フォロー到着
10:40 8P目(遠山リード)
11:30 8P目フォロー到着 登攀終了
11:40 下山開始
13:30 赤壁取り付き到着 デポ回収
13:40 下山開始
15:40 波勝崎苑到着

初めてのエイドクライミングの本チャンでマニアックなルートに付き合ってくれた大沼君にはいつもながら感謝したいと思います。

八ヶ岳継続・御在所岳

トレーニング山行だけはちょっとずつしてます。そろそろ腹にズシッとくる山行しないと。

●1月14日  八ヶ岳(大同心大滝~小同心クラック~赤岳主稜)
宇都宮、瀧川
6時に美濃戸を歩きだし、予想に反して大同心大滝は1パーティしかいなかった。シーズン始めだし、昨シーズン終盤にドカ落ちしてしまったので氷はどうも怖い。アイス数回目の瀧川君はノーテンション。大したものだ。トボトボ歩いて小同心クラックへ。この日は風もなくて快適でした。稜線をテクテク歩いて地蔵の分岐で14:00。うーん、これでお終いの予定だけど天気穏やかだし、まだ遊べるなぁ。瀧川君に聞いてみると即答で「行きましょう!」。ということで延長戦で赤岳主稜。行者小屋から取り付きまでの登り返しは辛かった・・・。15:30に主稜取り付き、赤岳頂上に17:00。夕陽が綺麗だった。

●1月25~26日 御在所岳(1ルンゼ~3ルンゼ、前尾根)
山野井、宇都宮                               この週末は強烈な冬型でどこも大荒れ予報。ここなら大丈夫かなってことで御在所に行ってみた。1ルンゼは氷が薄くてカッコよかったが2P目はちょっと薄すぎて巻いてしまった。最終ピッチの2段氷柱は登り応えがあったが抜け口がグサグサなのには焦った。何年か振りに泊まった藤内小屋はやっぱりよかった。お風呂、夜景、暖房、スタッフのおじさんたちとの宴。山小屋に泊まることはほとんどないけどここにはまた泊まりたい。翌日は前尾根に挑むがアイゼンで5.9は難しかった。         (記 宇都宮)

↑Mt,Akadake seen from Mt,Yokodake

三倉岳とか

センチュリー フォー カラーズ


今年も終わるけど、花崗岩シーズン終盤に成果が出たので備忘録がてら。
● 10月30日  「センチュリーフォーカラーズ」(5.12b)
だれが見ても美しいこのフィンガークラック、6月に3日位トライし、トップロープでムーブを固めても登れないまま梅雨に突入してしまい、クラックから巨大ムカデが出現するに至って封印していた。4か月ぶりに行ってみると周りの木々の葉も落ち、見違えるほど明るく乾いた岩場になっていた。挨拶がてらプリプロテクションでトライするとあんなに悪く感じたフィンガーが驚くほどよく決まり、あっさりピンクポイント。じっくり休んでからトライし、パンプしながらもRP。いいルートは岩も体もいい状態のときに登るべきだと感じた。ちなみに昔の山岳部時代の強い後輩を連れていったらあっさり2撃された。うーむ、うらやましい。
●11月20日 瑞牆山「Cavitation 」(5.12a)
場所といい初登者といい、このルートも前から登りたいと思っていた。出だしが怖いし(実際危ない?)、途中で落ちると振られ落ちするので怖かったが、怖さもクラックの魅力の一つってことでトップロープは封印した。下から見てるより長い上に微妙な動きもあってカムは結構使った。登れた日は寒く、気温2℃。最後の核心は何を踏んでるのか分からず、苦し紛れに繰り出したデッド気味のハンドでかろうじて止まった。よかった・・・。延べ3日5トライ。
●12月14~16日 三倉岳「スーパーチムニー」、「ヒップクラック」、「モス・・・」他
今シーズンは職場のクライミング仲間に恵まれ、クラック好きが集まってて楽しい。
忘年クライミングツアーってことで車1台4人で三倉岳へ。噂に違わずワイド好きにとっては垂涎もののワイド天国でした。いろいろ登って飲んで食べて楽しかったけど、結局Tスタックとアームロックは身に付かなかった・・・残念。
●12月19日 「アメジストライト」
私には敷居が高いルートだったが、知人のクライマーに誘われるまま、来年の目標になればと行ってみた。下から攻めてみると下部は割とあっさりと解決したが核心はさすがに難しい。おまけに核心から先はランナウトするがこれは耐えるしかないだろう。2回目は気合が空回りして途中でテンション。だが、ムーブは固まった。友人のトライを見て少し修正して3回目のトライ。アドリブでカムの位置を修正する余裕もあり、首尾よくRP成功。
吉田和正氏が拓き、山野井さんが初登したこのルートを今年最後に登ることが出来、これ以上ない登り納めになった。
(記 宇都宮)

アメジスト ライト

落葉と摩天楼

宇都宮です。最近、瑞牆に行っててちょっと成果が出たので報告です。

「落葉」(5.12b R)
しじま谷へはこれまでに何度も行っていて、「落葉」はそのラインのカッコよさからそのうち登りたいと思っていた。
台風と長雨から解放され、待ちに待ったベストシーズン。岩の状態もかなりいい感じ・・・だが、Rの一文字にビビり、初回はトップロープで。多少ランナウトするけど、各プロテクションは良く効きそう。ムーブもまぁなんとか。2回目はプリプロテクションでトライ。核心で2m程落ちたが、ヤフオクで¥2,000で買ったメトリウスの#00番で止まった。「おー、ちゃんと止まるじゃん」。次もプリプロでやってみるが、やはり核心で落ちてこの日はピンクポイントすらならず。
一週間後の10月17日に再訪。ウォーミングアップで隣りのワイドを登り、上から掃除とプロテクションの位置だけ確認してリードトライ。手の位置とプロテクションの位置が重なりちょっと戸惑ったけど、アドリブでクリアしRP成功。プロテクションセットにコツがいるが緊張感のある素晴らしいルートだった。



「摩天楼」(5.11a)

10月24日、前日にクラブの吉村君と屏風岩で遊んだのに引き続き、この日は友人と摩天岩へ。
摩天岩と言えば「摩天楼」。ワイドクラックに特に苦手意識はないのだが、ワイドのテクニックと言えばアームバーしか知らない私にはイレブンのワイドはちょっと敷居が高すぎる。おまけにトポの写真がヤバい。この変態ムーブは私の辞書に載ってない。「んー、今日は寒いし、北斗七星(5.9)とか虚無僧クラック(5.9)とか登ってお茶濁そうかなぁ」なんて思っていたのだが、友人の摩天楼OSトライをビレイしてたら、なんかちょっとやってみたくなった。トップロープで触らせてもらうと、アヘアヘ言いながらもどうにかアームバーのみでクリア。「ん?これ、なんか出来るかも・・・」。で、リードトライ。かなりヤバかったが、どうにか持ちこたえてRP成功。ジーパンと膝サポーターに助けられた感は否めないが、まぁよしとしよう。
ようやく訪れたこの収穫期、もうしばらく花崗岩と戯れていたいものです。

                                 

Longs Peak (4,340m) The Diamond壁

職場のクライミング仲間とコロラド州にあるロッキー山脈最高峰のロングスピーク(4340m)東壁(通称ダイヤモンド)を登ってきました。
高所に極端に弱い自分にとってこの標高でのフリークライミングはかなりの挑戦でしたが、どうにか登ることができました。今回チャレンジした「D7」は5.11a、11cを含む全7ピッチ(約250m)、壁の中央左を一直線に上がるほぼ垂直のルートです。さすがに核心の5.11c(しかも39m!)はOSなど出来ようはずもなく、残念ながらテンションまみれ。ただ、こなせないムーブはなく、平地にあれば3回くらいでRP出来そうな手応えはありました。この標高でこういうのをサクッとOS出来たらクライミングの幅が広がるんでしょう。
登る時期としては、シーズンラストだったようで、取り付くまでの夜明け前が3℃位。登攀中が9℃位でした。午前中11時頃までは陽が当たるので暖かいのですが、日が陰ってからはビレイ中は防風ジャケットがないと寒く感じました。われわれの登った日で好天の周期が終わるのが分かっていたので、登っている最中も終始時間に追われている感覚があり、そういう意味ではアルパインチックなクライミングでした。実際、登った翌日は下の町で結構な雨だったので山の上はおそらく雪だったでしょう。
気の合う仲間とのクライミングトリップはやはり楽しいものです。また次の目標を見つけて挑戦を続けていきたいものです。

●行動概要
9/15 デンバー着・山麓の街エステスパーク入り
9/16 ノーマルルートから荷上げ(水4.5ℓ他)兼順応登山

9/17 PM空港でパートナーを迎えて入山。ボルダーフィールド(3850m)にてビバーク(22:00着)。
9/18 4:00スタート、下降点6:00 登攀(8:00~17:50),cable route下降、ビバーク地へ(19:30着)
9/19 下山 
9/20 ボルダー渓谷にてクライミング
9/21 ボルダー渓谷にてクライミング・23:00デンバー発

~参考データ

・気温:山麓では25℃、入山口で22℃、壁で10℃弱。昼夜、日向日陰で寒暖の差が激しい。
・ビバーク許可証(wilderness permit):山中でのビバークには許可が必要でエステスパークの公園管理事務所で取得(泊数問わず1パーティ$26)。
・ギア:「D7」に関してはエイリアン青~キャメロット#3までを2セット(#4は使っても1~2回)、ヌンチャク7本程度(残置ハーケン多数)、スリング少々。

・ロープ:メイン60m+懸垂下降&荷上げ用の細ロープ60m
・テーブルレッジから頂上:本チャンの3級位でロープ不要
・ビレイ点:各ビレイポイントはハーケン&ナッツでしっかり構築されており同ルート下降も可。
・下降路(cable route):かすかな踏み痕はあるが、暗かったらおそらく下降不能。シングル2pの懸垂あり。
・ウェア:長袖毛下着+Tシャツ+防寒着(パタゴニアR1フーディ+ウィンドジャケット)、雨具(上)、軍手、防寒薄手ダウン(二人で一着持参したが使用せず)
・水:二人で1ℓ(山中に水場なし。下から担ぎ上げる要あり)

・EPIガスカートリッジ:エステスパークのアウトドアショップにて購入可($9)

(記 宇都宮)

ChasmLakeから見上げるThe Diamond

ダイヤモンド取り付きから

3p目

ペルーアンデス Pisco(5,752m)

ペルーアンデスへ6/19~7/17まで古畑・遠山・植田の3名で行ってきました。
遠征そのものは当初計画していたほとんどが実行することが出来ず、とても悔しく残念な結果で終わってしまいましたが、そんな中でPisco(5,752m)だけでも3名で登頂する事ができたことがせめてもの救いです。

6/19ペルーリマ入り 6/20ワラス入り 6/21順化行動 6/22買出し 6/23レスト
6/24ワラス~ピスコBC
6/25順化行動4,900mへ
6/26天気悪く停滞
6/27ピスコBC~ピスコ5,752m往復
6/28ワラス戻り~7/4
7/5ワラス~パロン湖~4,400m付近
7/6 4,800m~Caraz偵察(古畑・遠山)
7/7植田高所順応できず3名で下山~ワラス7/9まで
7/10ワラス~HatunMachay(スポーツクライミング)
7/11HatunMachay~ワラス(スポーツクライミング)
7/12ワラス~Huacrajirca&Jamancajirca(ボルダリングエリア)~ワラス
7/13ワラス~リマ
7/14リマ滞在 7/15リマ帰国(7/17帰国)

ペルーアンデスへは日本登攀クラブ会員、故・野田君から生前その魅力を聞いた時から憧れを持ち、自分にも海外遠征へ行けるかもしれないと思わせてくれたきっかけとなった場所で、その後ネパール、インドと遠征に行き今回、自分自身で計画を立て仲間募りネパールで共に初遠征へ行った遠山、海外旅行経験一番多く遠征登山は初めての植田が集まり遠征計画が具体化しました。若い頃から遠征を経験しておらず海外旅行の経験も無かったサラリーマンには海外遠征とはなかなか大変なものですが過去2度の大先輩(山野井さん)との経験から今回は落ち着いて計画・対応・日常をこなすことができました。

遠征そのものは計画通りには行きませんでした。
その大きな要因は高地順応で、改めて順化の難しさを感じるものでした。
古畑、遠山は最初のPiscoBCの時点で順化も順調でしたが、高所が初めての植田はBC到着時点から高山病の症状があり(ペースを上げすぎていたなど要因もありますが)翌日の順化行動で行った4,900mではかなり辛い状態、幸いその翌日は悪天で停滞となりBCで順化に充てるもあまり改善されなかったのかPisco登頂時はかなり酷い高山病状態。なんとか登頂することが出来ました。食糧計画・燃料計画に不備や、BCでも体調が良くならないこともあり下山し体調回復後、食糧も現場調理をやめジェットボイルだけの料理とし食担当の負担を減らして挑んだCarazでも4,800mで高山病の症状が辛く無理とのことから下山する事となりました。2度目のCarazでは苦しくとも一度は5,752mまで上がっていることや、アプローチもかなりゆっくり進んでいた事から大丈夫かな?と思っていましたが、順化は人それぞれのようで簡単ではありません・・・
帰国して思うことは登れなかったことはメンバー皆が悔しいのですが、一番悔しいのは、日本での準備不足・登攀対象の山やルートへの勉強不足の問題もあったとはいえ、順化できなかった植田だろうと。

宿に戻り、古畑・遠山だけでの登山も検討しましたが3人で来ている遠征であることから最後は3人で楽しめるフリークライミング・ボルダリングエリアに行こうとHatunMachay(標高4,300m 200ルート超 5.6~5.13b 長さ30m、マルチピッチあり)・ボルダーエリアのHuacrajirca&Jamancajirca(標高3,140m 143ルート V1~V13)へ行ってきました。ルートエリアではやはり標高4,300mもあり辛そうな植田でしたがクライミング自体は楽しめたのではないかと思います。またボルダーエリアでは古畑・遠山がV6のルートを登ることができたのが少し嬉しい思いでとなりました。

(その他)
○ワラスへは米ドルを持っていけば両替可能(1㌦=3.2ソル)
○ワラスでは1泊45ソル(3人一部屋)
○食事は1食10ソル~5ソル程度(鶏肉が美味しい)
○タクシーは高いためコレクティーボ利用(現地バス 1ソル~)
○リマへはエアロメヒコ航空(メキシコ経由 鍵壊されました)
○小さな芋は芽を取りましょう。野良犬多いので気を付けましょう。
○EPIガスは1缶25ソルが一般的
○1人当り総費用(飛行機代・宿代・食費・保険すべて)約18.9万円

記 古畑

イタリア オルコ渓谷

イタリアのオルコ渓谷に妻と二人で20日間フリークライミングに行ってきました。

グランパラディーソ国立公園のオルコ渓谷は、多くの花崗岩が点在し小さなヨセミテのような環境です。素晴らしいマルチピッチルートがあるSergent,とCaporalを中心にヨーロッパでは珍しくトラッドルートが多くを占めています。これまたヨセミテのようにスラブルート(ボルトプロテクション)はグレードよりも厳しく感じることもありました。

今回、最大の目標はGreenspit 8bでしたが残念ながら6日間のトライをしましたが1ムーブ出来ませんでした。しかし Legoland 7b+(OS)やマルチのNautilus6aなどで充実感を少し得られました。

宿泊・当初ホテルやコテージを考えましたが、予算の都合上、キャンプ場 を利用しました Campeggio la Peschiera 1泊20€ (人数2名 テント1張り 車1台)

食糧品はキャンプ場手前30分のCuorgueに大型スーパーがあり安いです。もちろん国立公園内に入っても割高になり品揃えも少なくなりますが、買う事は出来ます。

調理用ガスはLocanaの集落の雑貨屋でEPI等のヘッドが使えるガスを買う事が出来ました。

車の燃料は何故か山の奥に入るにしたがい安くなっていました。

山野井

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鹿島槍ヶ岳東尾根

3月31日に単独日帰りで鹿島槍東尾根に行ってきました。

好天に恵まれ、残雪期の山を楽しめました。

前日30日の夕方、高瀬川沿いの道を北上すると正面に鹿島槍が見えてくる。

久しぶりに山に対峙してドキドキするのを感じた。

早朝(深夜?)1時前に大谷原を出発(大冷沢の橋まで車で入れた)

最初から雪の上の歩行。

15分ほど歩くとS字カーブの先の道路左側の注意書きの道標と、右側の急斜面の木にピンクテープが巻いてある東尾根の取付きに着く。

登り始めは雪が無く、踏み跡もあいまいで木を掴むなどして、しばらく登ると雪が出てきて幾分歩きやすくなった。

十四夜の月明かりに照らされて、ひたすら急登を行くと、ぱっと周りが開けて一の沢の頭に出る。

ここでアイゼンを履き、右側の雪庇に気をつけながらアップダウンを繰り返して、6時前に第一岩峰の基部に到着。ここでハーネス、ヘルメットを装着。

幕営した跡が三張り分あった。

ちょうど第一岩峰に取付いたばかりの3人の先行パーティがいるが、横から抜かせていただいた。夕べは第一岩峰の基部に泊まったそうだ。

第一岩峰の雪壁は締まっていて、とても快適。

ここを抜けたところから第二岩峰までの左上する雪壁が露出度が高く傾斜もあり、一番緊張した。

第二岩峰基部には7時着。

第二岩峰はチョックストーンのあるチムニー部が核心だが左側にアイゼンの爪が掛かる所があり難しくは無い。Ⅳ-くらいか。

ここを抜けると後は頂上まで雪壁とナイフリッジになり、難しい箇所はない。

8時過ぎに鹿島槍北峰に到着。他には誰もおらず、3人パーティーもまだ見えない貸切りの頂上をしばし満喫。剣岳がカッコイイ。

まだ時間も早く、雪面がクラストしているので、吊り尾根最低鞍部から北股本谷を下降する。

下り始めはかなりの急斜面。1時間ほど下るとデブリ帯を抜けて一安心。

しかし鎌尾根の末端あたりから膝くらいまでもぐるようになり、時間が掛かった。

これから鎌尾根へ行くと言う学生風の3人組と会ったが、こんな時間から雪崩の可能性がある沢筋に入って行くと言うのが、ちと引っかかった・・・

10時半ころ、赤岩尾根末端部を通過、12時前に大谷原へ戻った。

午前10時頃を過ぎると雪が腐って歩きにくいと言う話を聞いていたので、早い時間に歩き始め、雪が締まっている内に高度を稼いだのが良かったと思う。

締まった雪壁と花崗岩のミックスがとても楽しめました。

熊谷

第一岩峰

第二岩峰

第二岩峰上からの爺ヶ岳と槍穂高(右奥)

 

南峰(左)と北峰

北峰頂上からの南峰と剣岳

北股本谷と鎌尾根方向を振り返る

下山後