八ヶ岳 真教寺尾根~赤岳~県界尾根

日時:2/27-28 (前夜発)
天候:晴れ -13℃くらい
メンバー:山崎
2/26
金曜日、週末の予定がインフルエンザの流行のため中止になり、来シーズンになるかもしれないと思っていた計画を、急きょ実行することにしました。
昨年冬、八ヶ岳西面、赤岳~硫黄岳縦走が叶ってから、次はと思っていたルート。
金曜夜、急いでパッキング。持ち物リストは作っていたものの、家の始末などもあり出発が遅くなる。美し森、たかね荘の駐車場に着いたのは日付の変わった1時半。
寝不足の状態でルートにも自信のないハードな行程を行くのは怖いと思い、明日はゆっくり起きて核心部手前で幕営、たっぷり休んで明後日、真教寺尾根核心部を越えて赤岳頂上、県界尾根を下りることにしようと決めると、緊張が少しほぐれ、車中眠りにつく。
2/27
7:00起床、雪の状態からワカンは不要と判断して、車に置いていくことにする。
8:00出発、9:30牛首山。扇山を越えて、なるべく前進したい。テント適地を頭にいれつつ、翌朝の不安を減らすために適地の少し先までトレースを付ける。
13:00天気予報通り、風が強くなってきた。2400m付近の平坦地まで戻り、風を避けるため斜面を下り、少し均して幕営。一人で雪から水を作ったのは初めて、アルファ米の夜ご飯も誇らしげ。
17:00就寝 夜中、20mを超える風が唸るように吹き荒れ、音と寒さに何度も起こされた。弱気になって、風敗退の暗い想像がちらつく。
2/28
4:00起床、6:45風が収まってきた、明るくのんびり出発
予定では8時には核心部まで行けると思っていたのに、モナカ雪の膝上のラッセルでペースが落ちる。ワカンを置いてきたことを後悔。それでもクラブの先輩のテクニックを思いだし、四つん這いでそっと体重分散させながら登る。2本のピックと、両膝、アイゼンで、雪を壊さないように這いあがる、息はあがるけれどワカンより断然早い。ペースが上がった。
上部の核心部を見渡せるところでは、どのラインを取ればいいのかじっくり見つめて、ポイントになる目標物を頭にいれる。これもクラブの先輩に質問して教えて頂いたことだ。
9:00やっと核心部の露岩帯。ソロのシステムはよくわかっていないので、ロープは持ってきていない。計画をしたとき、ロープなしでは怖いと思ったらここで敗退しようと決めていた地帯だ。
背後が切れ落ちた形状にドキドキする。単独の登山者が下山中、シュルンドに滑落したというのもここなのかな・・・。
ルートが合っているのかも自分には定かでないけれど、尾根の形状からして、ここ以外考えられない。少し怖いけど、行き詰って落ちるような難しさではない。クライムダウンも可能だ。上にあがればはっきりわかるかもしれない。よし、行こう。
ときどき雪の下からのぞく鎖はルートが間違っていない証拠として安心できた。
2度のトラバースも鎖は完全に埋もれていて、ここをフリーでトラバースするのかと心臓がバクバクする。以前、雪壁で、アックスの刺しが甘いとクラブの先輩から注意していただいたことを思い出す。雪面に確実にステップを作り、ダブルアックスを深くつき刺す。一歩一歩確実にすれば、怖くない。
10:00キレットからの縦走路分岐まで出たときは、達成感で感動したものの、今日の仕事の半分が終わったという気分。下降はどうするか、同ルートは避けたいけれど、目標の県界尾根は厳しいのだろうか・・見てから決めよう。
10:15赤岳頂上、賑わっている。一応、嬉しいけれど、今日は通過点という感じで心ここにあらず。
10:35風を避け頂上小屋裏で一休みしたあと、自分に本当に県界尾根が降りられるのか、尾根全体を見つめながら自問自答。資料、地図を再度確認して、降りることに決める。
下山道入口には「残雪期、滑落遭難多数発生、単独者、装備不足者、県界尾根下山禁止!(ドクロマークの絵)」の看板、気持ちがぐらっと揺らぐ。でも真教寺尾根をしっかり登ってきたのだから大丈夫、行こう。
下り口は急ながらもトレースがあり、ほっとしてしばらく追う。途中からトレースが左に行きすぎている気がしてきた。県界尾根の森林限界下へ行くにはそろそろ右にトラバースしたほうがいい気がする・・。
立ち止まり、地形を見つめて迷った末、判断。トレースを無視して右へ右へ。斜面を見上げる、雪崩れるような雪質ではない・・・。人の歩いた跡のない雪の急斜面を横切り、続いて膝上までのラッセル、下りだから良いものの、もしルートを間違えていたら・・・。登り返しは大変だ。
深みにはまっていくようで段々怖くなる。進退きわまって日が暮れてゆく最悪な想像をする。いや、この規模の山だ、間違えても今日中に修正できるだろう・・・。それでもドキドキして立ち止まり、樹林帯へと続く尾根の形状を見つめる。やはり、この方向しか考えられない。自分を鼓舞するように、深雪にもがきつつ急な小尾根を越えて進む。
先が切れ落ちて見えない斜面が前方に現われ、不安がピークに達したころ、正しいルートであることを示す小さなプレートが見えた、その下には核心部を示すハシゴの頭がのぞいている。
合ってた!合ってた!と声に出して喜びながら、ハシゴの埋もれてしまった雪壁をダブルアックスで慎重に降りていく。この2日間で一番嬉しかった時。
傾斜の落ちた樹林帯にたどり着いてほっとするも、また膝上までのラッセル。今度は横移動のためペースが落ち、ワカンがないことを再び呪う。
しばし雪と格闘してほどなく昨日のものと思われるトレースが現れ、その後はだいぶ助けられました。
12:35大天狗を越え、14:00小天狗分岐、15:30スキー場入口、16:00たかね荘駐車場
八ヶ岳の一般ルートですが、小心者の私にとってはバリエーションに匹敵する難しさと楽しさでした。小さな計画ながらも、自分の力の全てが発揮されるような感覚に、心躍りました。
でも、もし視界が悪かったら・・・。もっと寒く、風も強かったら・・・。
なにより天候、条件に恵まれていたことを痛感します。
クラブの先輩方と共に行った多くのバリエーションルート、その中で教わったことや与えられた経験が、ひとりの自分を守ってくれた山行でした。
(山崎 記)
KC4D0041

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大源太山

メンバー 古畑、山野井

以前から、頂に立ってみたいと思っていた上越の大源太山に行ってきました。

2月23日 キャニオンキャンプ場付近を朝6時に出発、ワカンを付け歩き出すものの地形が把握できずに躊躇しながら登った。3時間後には予定どうりのブドー尾根であることに安心する。雪尻が出始める頃、美しい山容が目の前に現れた。頂への急登はロープを使用せずに、尾根の左右の氷雪面を利用して上を目指した。頂には午後2時。

下山は途中までヤスケ尾根を辿ったが、地図を見ると近道になりそうな尾根があったので、そちらに向かったが、急なやぶ尾根になり、結局正規のラインのほうに向かいつつ下山した。林道に出たところで一泊。翌24日、1時間強ほど歩き車に戻った。(記 山野井)

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上越の雪山

荒沢山~足拍子岳

2/6 晴れ→雪

所要タイム 土樽駅7:20=11:05荒沢山11:25=14:05足拍子岳=16:30土樽駅

今シーズンは氷が不作(凶作?)のようで、あまりモチベーションも湧かないので、最近は谷川岳辺りを歩いている。一回目は馬蹄形をやろうとしたのだが、往路で車がパンクしてしまい日数不足で敗退。2回目の今回は天気が悪そうだったので、距離が短く敗退もしやすい荒沢山~足拍子岳を選んだ。一人だしラッセルもあるだろうから、と1泊2日を見込んだが、さほどのラッセルもなく1日で登れた。ルートは正しく土樽駅の裏山といった感じで高速道路の音が常に聞こえてしまうのが少々興ざめだが、それでもたかだか標高1300mでこれだけの雪と戯れられるのだから文句は言えない。荒沢山から足拍子岳間のリッジはところどころ雪庇が出ており、リッジどおしに行くか側面を巻くかでルートファインディングの面白さがあった。足拍子岳の頂上では完全にホワイトアウトしてしまい、降り口が分からず、真剣に地形図とコンパスとにらめっこをした。地形図なんて久しく真面目に見てなかったが、たまにはこういうのも必要だ。下りの南尾根では小ギャップが出てきて、唯一ロープを出したが、地図読みが当たって土樽駅前の橋にはドンピシャで降り立つことができた。

フリークライミングでは、城ヶ崎の赤沢港のジェニュインリスク(5.12a)が3撃できたのが成果。

(記 宇都宮)
荒沢山

 

荒沢山~足拍子岳

荒沢山~足拍子岳

ジェニュインリスク(5.12a)

ジェニュインリスク(5.12a)

 

冬季 北海道ツアー

【期間】1/20~1/26
【メンバー】山野井・山崎・古畑・植田・遠山

1/20 新千歳~層雲峡の宿(層雲峡偵察)
1/21 層雲峡 錦糸の滝 山野井・山崎(左側ライン)古畑・植田・遠山(右側ライン)
1/22 層雲峡 山野井・山崎ペア(パラグフォール・尾滝)古畑・植田・遠山ペア(銀河の滝)
1/23 旭岳登山~十勝の宿へ移動
1/24 上ホロカメトック山偵察
1/25 上ホロカメトック山 正面壁 三段ルンゼ
1/26 化物岩 山野井・山崎   古畑・植田・遠山~新千歳

1/20成田より新千歳、天候が悪く飛行機は飛ぶのか?と不安になり、千歳空港では北海道で大寒波だというニュースがTVから流れる・・・ちょうど我々が向かう方向の天気が悪いようで低気圧を追いかけるように層雲峡へ向かう。銀河の滝を下見すると中段にたっぷりと雪が乗っていて気持ち悪い。
1/21銀河は中間部が気もち悪くこの日は皆で錦糸の滝へ。
スノーシューを履いてのアプローチ。持ってきて正解。
山野井さん山崎さんは左側より。古畑、植田、遠山は右側より登ることに。
1/22やはり有名な銀河は登っておきたいと古畑、植田、遠山は銀河へ、山野井さん山崎さんはパラグフォールと尾滝。山野井さんパラグをリード、山崎さんは尾滝を渾身のリードだったと聞く。我々は銀河を三等分して3人それぞれリード。下降はアバラコフで。難しい滝ではなかったが満足。
1/23この日は朝発って皆で北海道最高峰の旭岳へ。
一般登山道ではあるもののガスで視界がなく危うく迷うかと・・・その後十勝の白銀荘へ移動
1/24宿でのんびりしながら上ホロカメトック山の偵察へ。
この晩に今回出発前より色々と周辺の情報を提供してくれていた旭川山岳会のWさんが白銀荘へロールケーキとお酒の差し入れを持ってきてくれてWさんを交えて夕食。今度関東に来る際にはぜひご一緒に。
1/25上ホロカメトック山正面壁三段ルンゼ
気温、車の温度計が-18℃を示すなか出発アプローチ途中では-25℃を示す。
雪が多くできる限り北西稜を上がり取付こうと北西稜へ向かう。風もあり体感温度はますます厳しく凍傷の危険を感じ途中で敗退。残念。明日は最終日、この日話しをし翌日ぎりぎりまで登ろう!と化物岩を目指すことに。
1/26昨晩より雪。視界が悪くルート取り付きがはっきりしない。
下山後分かるが間違ったルートに取付く。山野井さん山崎さんペアが左寄りルートを古畑、植田、遠山は右寄りルートを。左も右も1ピッチ上がれば同じところへ合流。山野井さん古畑がそれぞれスタート。
2ピッチ目山野井さんパーティーが先行。ルンゼ横断直後雪面が切れて雪崩れる。
その後も雪崩れそうな中、山野井さんリード。
制限時間ギリギリまでノトライも時間切れ。
山野井さんの後ろ姿から今日は登りたいという思いがガンガン伝わってきた。悔しい。
昨日あきらめなければ・・・そんな思いも沸いてきた・・・
敗退。

北海道、雪と寒さに翻弄された。
でも旅としては、人との出合い、山崎さんが一人頑張ってくれたおいしい食事、慣れない運転を全日こなした植田、遠山ペア、山野井さんから多くのことを学び、そして楽しめました。

記 古畑 隆明

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南ア 黄連谷右俣~甲斐駒ケ岳~仙丈ケ岳~戸台アイス

期間 12/30~1/2  メンバー 山野井・山崎・古畑

12/30 竹宇駒ヶ岳神社~黒戸尾根~五合目~黄連谷右俣二俣上
12/31 黄連谷右俣二俣上~甲斐駒ケ岳山頂~北沢峠
1/1   北沢峠~仙丈ケ岳往復~丹渓山荘
1/2   鶴姫ルンゼ(アイスクライミング)~戸台

年末年始の山行に車2台で29日晩、戸台、竹宇駒ヶ岳神社に車を停めて30日黒戸尾根より
五合目を目指すがほぼ雪はなし。そこから黄連谷へ降り右俣、その少し上でテントを設営
31日黄連谷右俣をつめ甲斐駒ケ岳山頂を目指す。心配していた氷結状態もまずます。山頂より北沢峠まで下降してテント設営。1/1当初予定していたルートを変更し一般ルートから仙丈ケ岳往復この日は風が強いが天気は良好。下山後は丹渓山荘まで下がり設営。1/2鶴姫ルンゼへアイスクライミング。今年の戸台、暖冬の影響で雪もなく、登れるルートもかなり限定されている。下山後戸台駐車場から竹宇駒ヶ岳駐車場へ移動し「尾白の湯」で温まる。

3日目に予定していたルートがいけなくなったことが心残りですが、それでも天気にも恵まれ、十分充実した山行となりました。

記 古畑

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