烏帽子沢奥壁大氷柱

烏帽子大氷柱を登ってきました。以下、詳細です。
●期間:2月27日(曇|晴れ)
●メンバー:宇都宮、氷熊(法大山岳部OB)
時間:駐車場発2:40→3:50一ノ倉沢出合4:30→7:15大氷柱取付き7:35→12:15終了点
→(同ルート下降)13:40取付き→15:00一ノ倉沢出合15:20→16:30駐車場

再登ラッシュに沸く(?)今年の大氷柱。状態はいいらしい。せっかくだから登っておきたいが、自分の平日休みに合わせてこんなルートに付き合ってくれるパートナーを見つけるのは至難の業・・・と思ったら、ダメもとで声をかけた山岳部時代の優秀な後輩が二つ返事で乗ってきた。持つべきものは山バカな後輩である。

数年振りの冬の谷川。指導センター前の雪壁を見る限り、今年は雪が多いようだ。前日のトレースがしっかり残っていて1時間ほどで出合に着く。テルモスやストックをデポし、谷へ。テールリッジは時間がかかりそうなので本谷をつめ、途中から南稜テラスにつながるリッジに這い上がる。こちらのほうが早いだろう。烏帽子スラブの対岸に見える大氷柱は綺麗に繋がっている。腰まで潜るラッセルに辟易してきた頃、取付きに到着。準備して7時半に登攀開始。

1P(氷熊)インゼルの左から入り、薄いベルグラと不安定な雪壁をつなげて氷壁の下へ。
2P(宇都宮)緩傾斜の軟らかい氷をだましながら変形チムニー下へ。
3p(氷)変チ横。核心ピッチ。見るからに貧弱な氷をそおっと登る。
4P(宇)ブっ立った氷柱から氷壁。思い切って登れて楽しい。スクリューでハンギングビレイ
5P(氷)75°位の氷壁を登る。65m延ばしたので最後は同時登攀となった。
昼過ぎに終了。4時間40分のスリリングなクライミングだった。
下降は60mロープダブルで懸垂下降4回(①灌木②残置ハーケン&ナッツ➂アバラコフ④ボルト)。下りは素直にテールリッジを使い、夕方に駐車場着。充実した1日を終えた。

(記 宇都宮)

↑大氷柱遠景

2P目

核心3P目4P目(Ⅴ+)

中央アルプス

メンバー 山野井 宇都宮 古畑 植田

1月9、10日、久しぶりに会の先輩方と中央アルプスへ行ってきました。朝一のロープウェイに乗り千畳敷駅へ、千畳敷カールを宝剣岳方面に歩くも昨日降った雪の影響と天気の急変を考慮して当初予定していたルートを変更して宝剣岳の右の岩峰を登りました。メンバーは山野井さん、古畑さんペア。宇都宮さん、植田ペアに分かれました。山野井さんの案により2ペアは別々のルートを登ることにしました。山野井さんペアと別れ、奇数ピッチを植田、偶数ピッチを宇都宮さんで合計4ピッチ登りました。今回登ったルートは日本登山体系にも載っていませんでしたが、所々先人が残したであろうハーケンがあり難しくて面白いルートでした。久しぶりに宇都宮さんのクライミングを間近で見られて勉強になりました。そして4ピッチ終了し、稜線に上がると物凄い風です。即座に予定を変更し、目を開けていられない程の強風の中、下山しました。

植田 記

ヒマラヤAbi北壁

期      間) 2016/10/18~11/11
メンバー) 山野井・古畑・遠山
場      所) ヒマラヤ ゴーキョ北側 Mt.Abi北壁

10/18 成田~マレーシア経由~ネパール(カトマンズ)
10/19 カトマンズ滞在
10/20 ルクラフライト~パグディン
10/21 パグディン~ナムチェ
10/22 ナムチェ~ドーレ(近くの山へ高地順応)
10/23 ドーレ~マチェルモ(近くの山へ高地順応)
10/24 マチェルモ~ゴーキョ(ゴーキョピーク手前まで高地順応)
10/25 ゴーキョピークへ順応登山
10/26 レスト
10/27 Abi北壁へ偵察
10/28 レスト(装備チェック)
10/29 レスト
10/30 ゴーキョ~Abi取付き手前キャンプ地
10/31 Abi北壁アタック~5650m付近~5500m付近でビバーク
11/1  5500mより下降~キャンプ地~ゴーキョへ
11/2  ゴーキョ滞在
11/3  ゴーキョ~ドーレ
11/4  ドーレ~ナムチェ
11/5  ナムチェ~パグディン
11/6  パグディン~ルクラ
11/7  ルクラフライト~カトマンズ
11/8  カトマンズ滞在
11/9  カトマンズ滞在
11/10   カトマンズ~マレーシア(トランジット)
11/11   マレーシア~成田

2016/10/18~11/11までの25日間でネパールヒマラヤへ山野井さん・古畑・遠山の3名で。古畑、遠山にとっては初めての海外・初めてのヒマラヤ、もちろんパスポート取得も初めてとなる今回・・・遠征が決まったのは2016年3月に3人で行った八ヶ岳の帰りの車中。それから10/18までの期間、ランニング、クライミング、数度にわたる富士登山と充実したトレーニングをそれぞれが行いあっという間に出発の日を迎えた。

10/18出発その日付のうちにカトマンズ入り。よくわからないままホテルへ。
10/19もろもろの準備のために町にでる。埃とクラクションの鳴り響き海外なんだと実感する。食べ物もお腹を壊すと聞いていたのでどうしても慎重になる。10/20ルクラへのフライト。これはこれである意味怖い。ポーターを2名雇う1日1人2000円以下の金額。初日はパグディンまで歩く。10/21パグディンからナムチェへ行くにつれて、景色はよくエベレストが見える。ヒマラヤに来たのだと実感する。10/22ドーレに入る。ここでは既に標高が富士山を超えていて古畑・遠山共に少しずつ高度を感じる。10/23マチェルモに着くころには高山病の症状も出てきている。ガイドのネパール人と山野井さんは問題なし。10/24ゴーキョまで古畑・遠山の2名はゆっくり歩くことにして遅れてゴーキョ入り。10/25ゴーキョピークからの眺めは素晴らしく今回の目標であるAbi北壁に西面が見える。翌日26日は体を休めるいよいよ27日はAbi北壁への偵察。10/27朝早くから偵察へ向かう。ゴーキョから北へ2時間、モレーン横断に2時間強、Abi付近まで2時間合計6時間以上でモレーンの上り下りだけでも慣れない2人には苦しい。肝心のAbi北壁は日本で調べていた状況と比べるとかなり雪が少なく想定していたラインを少しずらして登る可能性などを確認してゴーキョへ戻る。ゴーキョに戻ると偵察だけにも関わらずかなり疲労した。しかし登るんだ!という気持ちは高まった。28,29日はレストで体をゆっくりと休めるが筋肉疲労の回復は遅い。
偵察の結果、荷物を更に減らすため食糧を減らすことに。

30日ガイドにモレーン入口まで同行してもらいキャンプ地へ向かう、ここまで登山靴を運んでくれたガイドに握手、遠山、戻ったら町で酒を飲む約束を交わしている。
山野井さんは偵察時に設置したケルンに従い着実に歩を進めるが、歩きにくいモレーンであることに変わりなくキャンプ地につくとそれなりの疲労感を感じる。
疲労感からいって初日に5800mまで古畑・遠山で届かせて翌日、山野井さんで登頂を目指すのがベストではないかと思う。
テントを設置し古畑・遠山で1張、山野井さん1張、寒くとても寒い夜で薄いテントの山野井さんは、ほとんど眠れなかったようだ、古畑・遠山も暖かいダブルブーツのインナーがモレーンの歩行で汗をかき冷たくてたまらない。。。
31日朝3:0起床、テントをたたみ5:00出発、6:30頃にはガレ場を登りきり1ピッチ目の岩場を古畑リード、上部は傾斜の緩い雪で一度ロープを解除して、登りやすいラインを上がる。多少傾斜も増してきたがロープなしで上がり9:00、2ピッチ目を古畑リードし5450m付近へ到達。その後遠山リードへ11:00頃3ピッチ目トラバース、4ピッチ目に氷のセクションと優しい雪面、このあたりから難しい数メートルがあったかと思うとしばらく優しいダラダラした傾斜が続き思ったように標高を稼げない・・・遠山、全力を尽くしているようで一歩一歩が苦しそう・・・古畑もフォローでも苦しくなってきた。時間はすでに14:00、山野井さんからも今日リード交代してしまうと疲労から明日苦しく登頂できない可能性が高まると言われるが、その事はよくよく理解しているため、遠山更に1ピッチ伸ばすも苦しい。
ここで敗退を決断。決めた途端に古畑・遠山は涙が溢れだす。
悔しい。
5500m付近にビバーク適地があったものの、上部での可能性と敗退用支点を見出すべく山野井さん1ピッチ上がる。このまま5800mまで進むとしてもあと4時間は必要だろうと判断。16:50に敗退開始し5500mビバーク適地でテントを設置、適地とはいえもちろん横になることは出来ずロープで互いを結びあってテントの中で座ってビバーク19:00。ウトウトして朝5:00下降に向けて動き始める。山野井さんによる的確な支点工作により数ピッチにわたる懸垂下降で12時半キャンプ地へ到着。
たった2日間の登攀とは思えぬ疲労感から倒れこむよう横になる。数時間体を休めた後、ゴーキョへ向けて出発する。ゴーキョへ着いたのは何時だろうか?ガイド、やロッジのオーナーが異常に優しい・・・よほど疲れた顔をしているのだろう。
疲れているはずのその晩、古畑と遠山は興奮しているのか寝付けず夜遅くまで話しをする。
翌日朝は当然起きれず。
この日を休養にあて翌日11/3から下山のためドーレへ向かうが山野井さん遠山の体調が悪く、特に山野井さんの状態は酷く辛そう。2日間の登攀で皆ボロボロになっている帰路次第に山野井さんの状態が良くなると古畑が体調不良、結局ネパール滞在中はずっと疲労感を感じたままだった。11/8にはカトマンズへ戻り、ちょっとした観光などをしたのち11/10の飛行機でマレーシア、11/11成田へと戻ってきた。
結果は敗退で、今思い返しても悔しいが、とても充実した時間、素晴らしい経験を積むことができた。当初から話しをしていたのだが金銭もシンプルに行いたいという思いもあらかた叶った。素晴らしい25日間だった。

参考・2016/10時点で1ルピーは約1円
カトマンズでペットボトルのコーラ約70ルピー/炒飯150ルピー程度か
エベレスト街道では上にいくほど値段が高くなるが炒飯500ルピー程度
今回の飛行機代・保険・ビザ代・食費全て含め約30万/1人

(記)古畑

間ノ岳・野呂川荒川細沢

期間:7/4~7/6
メンバー:山野井・古畑・遠山

ヒマラヤへ向けたトレーニング山行として南アルプスへ。
7/4(月)
芦安駐車場から5:50発広河原行きバスに乗り込み鷲住山登山口で6:30下車、登山口から少し登ると野呂川発電所へ向けての下降、橋を越えトンネルを抜けるとアイスクライミングでお馴染みの荒川出合。しばらく進むと林道は終わり堰堤手前(8:00)で沢靴へ履きかえる。
堰堤を写真に見える梯子を登ったが、これを登ると下りは立て掛けてあるだけの怖い梯子…怖いね~などと話していると、工事現場の方が堰堤左側を普通に歩いている…
もうひとつ堰堤を越え、北沢をやり過ごすと右手に熊ノ平への踏み跡があり、テープ、ロープに導かれ熊ノ平~細沢取水口、ここが細沢の入渓点。
事前に知り得た情報では綺麗な沢をイメージしていたが倒木の多さに驚きつつ倒木の合間を縫って登ると2段からなる細沢大滝へ(10:00)ここは右側を高巻くが棘のある植物が多く歩きにくい。沢に戻ってからも水量、倒木共に多く直上することが困難なことが多く巻くことが増す。それでも沢を歩いている時は雪解け水の冷たさを感じながら後ろには富士山が大きく見えて気持ちが良い。しばらく歩くとガレた登りで水が枯れる前に水を補充し間ノ岳を目指す。
モレーン手前から急に天候が悪化しあっという間に大雨に。だいぶ疲れが出てきたが山野井さんだけは全く問題ない様子。遠山さんが「山野井さん疲れてないのですか?」の質問にも「足が痛いよ。凍傷で切ったところが」いやいや僕らが尋ねたのは疲労のことですが…雨風共に強くなってきた頃に間ノ岳直下でテント16:00設営完了。

芦安バス5:50~鷲住山登山口6:30~荒川出合道路終点先の堰堤8:00~細沢大滝下10:00~間ノ岳直下テント設営完了16:00

堰堤前

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7/5(火)

朝起きても(3:30)天気はいまひとつ(4:30)に出発し間ノ岳山頂(4:45)北岳山荘を過ぎ北岳へ(7:00)八本歯のコルから大樺沢、北岳バットレスへの取りつき付近で休憩しながら今後の予定を話しあう。当初の予定では5尾根から下部フランケ、Dガリー奥壁だが天気に不安もあり体力的にも辛い。4尾根なら…と、いや他の沢へ継続か縦走か…悩んでいると深いガスが一瞬晴れてバットレス下部が見えた「4尾根に行こう」と気持ちが高まり準備を整え5尾根取付きへ。期待に反してかなりコンディションが悪い。山野井さんがリードした1ピッチだけで状況の悪さから敗退。悔しがる山野井さん。気持ちが高まっただけに遠山さんも悔しそう。北海道の時もそうだったがグレードに関係なく悔しさを表わす姿に山に対する思いを感じる。
敗退を決め下山していると雨。広河原に戻り最終バスまでの間、河原に下りてボルダーで遊ぶ。

7/6(水)
奥多摩の山野井さん宅に泊まり朝から山岳史話しで盛り上がり、田代さんと合流後、白妙橋へクライミング&ボルダーへ。

記 古畑

東鎌尾根~大槍東面・赤沢山針峰フランケ中央チムニー

・期間 5/1~5/3
・メンバー 山野井、古畑、遠山

秋のヒマラヤ遠征へ向けたトレーニング山行としてGWを利用して北アルプスへ
5/1(雨・曇り)天気は良いと思い乗り込んだ上高地は雨。
まずは当初の予定を見直すことに。
新たに計画を上高地~水俣乗越~槍ヶ岳東面の岩~ババ平~赤沢山へ初日雨のぱらつくなか水俣乗越へ時間には余裕があったがこの後の天候に不安を感じ乗越手前の岩の下で泊まることに。

水俣乗越手前

水俣乗越手前

5/2(晴れ)朝5時過ぎにはテントを発ち東鎌尾根を進む。非常に気持ちの良い尾根。
東鎌尾根末端より下降し山野井さんリードにより大槍東面より脆い岩を繋ぎ最後、北鎌尾根の最終ピッチへ合流して11:20に山頂、槍沢下降。その晩、古畑遠山は練習のひとつとしてハーネスを付けたまま吊り下げオープンビパーク。

東鎌尾根

東鎌尾根

東鎌尾根

東鎌尾根

大槍東面登攀ライン

大槍東面登攀ライン

5/3(晴れ)天気が崩れるとの予報から赤沢山針峰フランケ チムニールートへ。古畑リードで1ピッチを行くも、脆い脆い。フォローをビレイ中三番目に登攀していた山野井さんにアクシデント。頭大の石が自然落石し、これが右肩付近へ強打。1ピッチで終了として下山。

残念だったことは天気と予期せぬアクシデント。しかし大槍東面、赤沢山針峰と、どちらも脆い岩を残置無視して登りオープンビパークなど取り組みたいことは実践できた。個人的に改善すべき点をこれからのトレーニングで取り組みたい。

針峰フランケ中央チムニー

針峰フランケ中央チムニー

記  古畑

前穂高岳北尾根

3月下旬に山崎・宇都宮で前穂高北尾根に行ってきました。春分の日とあって混んでいるかと思いきや貸切りでした。
●期間:2016年3/19~22
●メンバー:山崎、宇都宮
3/19 雨
坂巻温泉6:30~釜トンネル7:00~八峰手前(2450mコル)16:30
雨の入山。分かってはいたが、やはり不快だ・・・。靴の中までグチョグチョ。気温が高い上に雨とあって谷という谷で雪崩が起きている。いつ聞いても嫌な音だ。慶応尾根は上部で思いがけずキノコ雪のギャップが出てきたりして意外と悪かった。八峰まで届かず幕を張る。
3/20 快晴
八峰手前(2450mコル)6:00~八峰8:20~4・5のコル18:00
天気予報通りの快晴。脛からヒザくらいのラッセルが続く。7峰のトラバースからはロープを出す。傾斜の強いブッシュ登りや悪い雪壁登りが出てきて結構緊張させられた。時間がかかり、予定の3・4のコルまでは行けずに4・5のコルで幕を張る。
3/21 快晴
4・5のコル6:00~前穂高岳頂上14:30~明神岳手前のコル16:30
今日は4峰、3峰の登りが出てくるクライマックス。岩は節理が発達していてカムでプロテクションが取れるので、下半部の不安定な雪壁に比べればよっぽど安心だ。3峰では最高の景色の中、快適なクライミングを楽しむ。やはりアルパインクライミングはいい。14:30前穂頂上着。慎重に下り、明神岳手前のコルに適当な窪地を見つけ幕を張る。
3/22 快晴
明神岳手前のコル6:30~明神岳~水呑沢~上高地~坂巻温泉14:30
連日の好天についに眼が悲鳴を上げる。雪目がこれほど辛いものとは‥。涙をボロボロ流しながら歩く。明神2峰の登りは左の凹角に移るトラバースがいやらしかった。明神岳南西稜を下る予定だったが厄介なので、岳沢に向かって落ちているルンゼ(水呑沢?)をスタコラ下る。見込み通り雪の状態もよく悪いところもなく岳沢に着き、上高地へ。
シーズン最後をいい山登りで締めくくることが出来てよかった。
(宇都宮 記)
DSC_0197 DSC_0212

冬季 北海道ツアー

【期間】1/20~1/26
【メンバー】山野井・山崎・古畑・植田・遠山

1/20 新千歳~層雲峡の宿(層雲峡偵察)
1/21 層雲峡 錦糸の滝 山野井・山崎(左側ライン)古畑・植田・遠山(右側ライン)
1/22 層雲峡 山野井・山崎ペア(パラグフォール・尾滝)古畑・植田・遠山ペア(銀河の滝)
1/23 旭岳登山~十勝の宿へ移動
1/24 上ホロカメトック山偵察
1/25 上ホロカメトック山 正面壁 三段ルンゼ
1/26 化物岩 山野井・山崎   古畑・植田・遠山~新千歳

1/20成田より新千歳、天候が悪く飛行機は飛ぶのか?と不安になり、千歳空港では北海道で大寒波だというニュースがTVから流れる・・・ちょうど我々が向かう方向の天気が悪いようで低気圧を追いかけるように層雲峡へ向かう。銀河の滝を下見すると中段にたっぷりと雪が乗っていて気持ち悪い。
1/21銀河は中間部が気もち悪くこの日は皆で錦糸の滝へ。
スノーシューを履いてのアプローチ。持ってきて正解。
山野井さん山崎さんは左側より。古畑、植田、遠山は右側より登ることに。
1/22やはり有名な銀河は登っておきたいと古畑、植田、遠山は銀河へ、山野井さん山崎さんはパラグフォールと尾滝。山野井さんパラグをリード、山崎さんは尾滝を渾身のリードだったと聞く。我々は銀河を三等分して3人それぞれリード。下降はアバラコフで。難しい滝ではなかったが満足。
1/23この日は朝発って皆で北海道最高峰の旭岳へ。
一般登山道ではあるもののガスで視界がなく危うく迷うかと・・・その後十勝の白銀荘へ移動
1/24宿でのんびりしながら上ホロカメトック山の偵察へ。
この晩に今回出発前より色々と周辺の情報を提供してくれていた旭川山岳会のWさんが白銀荘へロールケーキとお酒の差し入れを持ってきてくれてWさんを交えて夕食。今度関東に来る際にはぜひご一緒に。
1/25上ホロカメトック山正面壁三段ルンゼ
気温、車の温度計が-18℃を示すなか出発アプローチ途中では-25℃を示す。
雪が多くできる限り北西稜を上がり取付こうと北西稜へ向かう。風もあり体感温度はますます厳しく凍傷の危険を感じ途中で敗退。残念。明日は最終日、この日話しをし翌日ぎりぎりまで登ろう!と化物岩を目指すことに。
1/26昨晩より雪。視界が悪くルート取り付きがはっきりしない。
下山後分かるが間違ったルートに取付く。山野井さん山崎さんペアが左寄りルートを古畑、植田、遠山は右寄りルートを。左も右も1ピッチ上がれば同じところへ合流。山野井さん古畑がそれぞれスタート。
2ピッチ目山野井さんパーティーが先行。ルンゼ横断直後雪面が切れて雪崩れる。
その後も雪崩れそうな中、山野井さんリード。
制限時間ギリギリまでノトライも時間切れ。
山野井さんの後ろ姿から今日は登りたいという思いがガンガン伝わってきた。悔しい。
昨日あきらめなければ・・・そんな思いも沸いてきた・・・
敗退。

北海道、雪と寒さに翻弄された。
でも旅としては、人との出合い、山崎さんが一人頑張ってくれたおいしい食事、慣れない運転を全日こなした植田、遠山ペア、山野井さんから多くのことを学び、そして楽しめました。

記 古畑 隆明

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甲斐駒ケ岳 スーパー赤蜘蛛

 数年前から目標にしていた「スーパー赤蜘蛛」、ようやく登る機会が得られました。果たして期待どおりの素晴らしいルートでした。以下、詳細です。

期間:10月5日
メンバー: 山野井、宇都宮 
所要タイム: 八合目岩小屋発5:00→取り付き6:30 7:00登攀開始→10:40大テラス→15:00Aフランケ頭の岩小屋→16:00八合目岩小屋

1ピッチ目(5.11b) 宇都宮リード
出だしはハングの奥から。脆いフレークを掴んでハングの庇のガバを取ってフェースへ。朝一からきわどいスタンスのフェースクライミング。うまくいってたつもりが中間部分で手順を間違えてフォール。無念・・・。悔しいので休まずに上まで抜ける。フォローの山野井さんはノーフォール。キャメ緑、赤、黄使用。
2P目(5.8)山野井リード
快適で美しいなハンドクラック40m。問題なし。
3P目(5.10b)宇都宮リード
左トラバースから始まる、きわどいスラブ。ビレイ点が2箇所あり、始め下のところで切ってしまい、改めて上のビレイ点(RCCボルト2本)へ。この間の10m位もきわどい。5.10bは少し辛い?
4P目(5.7)山野井リード
ほぼオリジナル赤蜘蛛のラインどおりにV字ハングを越える。プロテクションはリングボルト。ハングは探すとガバあり。大テラスに到着し、しばし休憩。
5P目(5.7)宇都宮
草と灌木の生えた易しい凹角。
6P目(5.11c)山野井リード
本ルートの核心ピッチ。見目麗しきクラック。と思いきや出だし数mはグラつくチョックストーンと脆いクラック。小ハングから左のシンクラックに移る。この移るところが悪い。そこからはこれでもかというフィンガー。ビレイ点まで残り約3mのところで山野井さん力尽きてテンション。残念!フォローの宇都宮も残り1m位で力尽きテンション。厳しい!! カムはエイリアン緑、黄×2、灰×2、赤×3、キャメ緑×2、赤、黄、青
7P目(5.11a)宇都宮リード
前のピッチで前腕がどパンプしてしまい、しばしぶら下がって休憩。これを上までつなげるって・・・。何を食べたらそういう発想になれるのだろう。凡人の僕は充分に休んでからチャレンジ。かかりの良いフィンガーを数mこなしてからはバチ効きのハンドクラックが延々20m。幸せ。レスト出来るガバスタンスから1mほど上からフェースを右上してテラスへ。体感5.10c/d。エイリアン黄、キャメ緑×2、赤、黄×3、青
8P目(5.10c/d)山野井リード
このピッチは悪いという前評判(ネット上)だったが確かに難しかった。特に出だしの浅打ちリングボルトで一歩踏み出すのはリードだと相当怖そう。ただ、この頃にはここの岩質にだいぶ慣れてきていたのでリード、フォローともにノーテンションでクリア。あとは草付き&灌木帯を60mでAフランケ頭の岩小屋。
感想
行く前は、下手するとA0連発のグダグダクライミングになるんじゃないかと少々ヒヤヒヤもしていたのですが、結果的にはフリークライミングを存分に堪能できたように思います。岩の状態が最高の時に他パーティを気にせずじっくり楽しみたかったので、秋の晴天の平日を選んだのも正解でした。2テンションは残念ですが、これが今の自分の実力でしょう。次の目標に繋がるいいクライミングが出来てよかったです。
装備
60mシングルロープ×1本、ヌンチャク12本、カラビナ10枚、スリング60㎝×10本、120㎝×4本、エイリアン(青×1、緑×1、黄・灰×2、赤×3)、キャメロット(緑×2、赤×1、黄×3、青×1)
※ヌンチャクは8本、カラビナ&スリング各6位でも充分足りた。 軽量化を図って運動靴はAフランケ頭岩小屋にデポして行ったので、フォローのザックには雨カッパ上衣、ヘッドランプ、行動食、水700ccのみ。
(記 宇都宮)

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衝立岩正面壁 雲稜(第一)ルート

谷川岳 衝立岩正面壁 雲稜(第一)ルート
日 時 2015年 6月13日(土)~14日(日)
登攀者 遠山学 塚田尊明
スタイル 人工登攀

1P 25m Ⅴ 塚田リード 6:00
[二人用テラス]
アンザイレンテラスから左の凹角を登る。ボサまじりで悪い。実力をわきまえ迷わずA0。二人用テラス下あたりの岩が脆い。

2P 40m Ⅳ A2 遠山リード 7:00
[第1ハング]
壁全体が脆い。どの岩も浮いている。第1ハングのアブミ動作は、足は壁に届くが、体感的には空中のアブミの掛け替えに近い。アブミ技術では、全ピッチの中で一番難しく、体力を使う。

3P 40m Ⅳ A2 塚田リード 9:00
[第2ハング]
第2ハングを越すラインは、ハングの切れ込んだところの側壁を直上するように登る。第1ハングより優しく感じる。しかし長いピッチであった。

4P 15m Ⅳ A1 遠山リード 13:00
[左上トラバース]
ルート図では30mのピッチだが、ロープの流れを考え15m程左上した凹角の入り口で切る。そこはビレイ点らしくなっており、ハーケン、ボルトが固まって打たれていた。しかし、そのビレイ点の岩ごと浮いている。

5P 15m Ⅳ A1 塚田リード 14:00
[凹角の直上]
とても脆い凹角。ランナーを取るが強度は如何ほどのものか。ビレイ点が浮いているという精神的恐怖。できるだけプロテクションをたくさん取って行った。

6P 30m A1 遠山リード 15:30
[第3ハング]
第3ハングを越えるピッチ。フリーと人工が混じり総合的に一番難しかった。
遠山氏の渾身のリードであった。

7P 40m Ⅳ+ 塚田リード 18:00
[湿った溝状部]
草付きと泥の溝状を登る。傾斜は緩くなるが、残置支点が少ない。逆に言うと落ちられない。日も沈み、あたりが薄暗くなる。ホールド、スタンスが見えなくなる前にと、走るように登る。

8P 15m A2 遠山リード 19:00
[洞穴ハング]
洞穴ハングですっかり暗くなる。ヘッドライトを点け残置支点を追うような登攀となる。残念ながらローケンションは黒一色。しかし夜間登攀という貴重な体験でもあった。暗闇に揺れるアブミ、アルパインに酔う。

9P 30m Ⅲ 遠山リード 20:30
[チムニー]
チムニー状なのか、ライトの灯りでは傾斜も形状も認識しづらい。塚田のピッチであったが恐れをなしてリード出来ず。実力不足に意地を張らず(泣いてお願いして)、遠山氏にトップを譲る。

10P 40m Ⅲ 塚田リード 21:30
[草付きと岩の緩傾斜帯]
二人とも雲稜ルートは初見。衝立の頭までのルートがよくわかない。ヘッドライトで照らすも、踏み跡なのか判別できない。とにかく駆け上がる。先が分からないので、40mほどロープを伸ばし灌木でピッチを切る。雷がゴロゴロ鳴る。

11P 10m Ⅲ 遠山リード 22:10
[衝立の頭]
10P目の終了点からわずかで衝立の頭であった。リングボルトも2本打たれていた。10P目のスタートから50mいっぱいと言ったところだ。

時は22時30分。各駅停車で行く16時間30分の長旅であった。
無事で何より。欲を言えば日の出ているうちにゴールしたかった。
下降は明日にして、衝立の頭でビバーク。カッパを着てツエルトをかぶり寝ころんだ。

[ギア]
実際にランナーもしくは前進として使用したギアは、ヌンチャク20本、 スリング20本、 カラビナ20枚 、ハーケン4サイズ、 ストッパー♯1から♯6、 エイリアン黒、青、緑、黄色、赤 、キャメロット♯1、♯2 、リンクカム赤、黄、 スカイフック、 3mmシュリンゲ。

持参したギアは上記以外にも、他のサイズのカム類、他のサイズのハーケン、ボールナッツ、ラープ、バードピーク、リベットハンガー、コパーヘッド、ジャンピング、リングボルトなどを持参した。

ロストアローなどの厚めのハーケンが欲しいと思った。

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(塚田記)

日本登攀クラブGW合宿

5月3日~5月5日 北アルプス、岳沢合宿

メンバー:山野井、熊谷、古畑、山崎

5月3日 入山
5月4日 天候不良の為南稜中止、代わりに奥明神沢~明神岳~前穂高~岳沢
5月5日 コブ尾根、下山

コブ尾根コースタイム:2:30起床-3:40出発-6:00コブ取付-8:30稜線-9:40天狗のコル-10:00岳沢
(記 山崎)
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