こちらは日本登攀クラブ公式ホームページです
※更新情報※
2025/7/22 会員専用資料追加しました。
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2025.08.30 南八ヶ岳・雲稜ルート
メンバー: 瀧川・武田・鈴木(拓)
穂高屏風岩に引き続き、今度は南八ヶ岳大同心”雲稜ルート”を登ってきた。南八ヶ岳は冬季に何度も登ってきた。特に大同心稜はアプローチ等で活用し、登下降を繰り返してきた。大同心に関して言えば、大同心ルンゼから登り、回り込んで頭に立ったのが8年前。その後、南稜を登ったのが6年前。そしてしばらく空いて今年、北西稜を登った。雲稜ルートの存在は知っていたが敷居が高いように感じ、登るならばドライツーリングで登りたいと考えるも、実力がまだ及ぼないと避けてきた。八ヶ岳でクライミングをするなら有名なラインで言えば雲稜ルートぐらいしか残っておらず、ぜひ最後の課題として取り組みたい。だが今年も達成できず。まずは自信をつけるということと、ルートを確認しておけば、比較的敷居を下げられるという仮説のもと、今夏に予備山行として決行した。結果、次の冬に登る自信と、期待感を得ることができた。その記録をここに残したいと思う。
<前日>
登攀前日の夜、西船橋駅に集合。千葉県出身の3人組が諸々の事情で再び千葉県で会合した。車で山梨へ移動し、近場の野営地で1時ごろ野宿した。鈴木は不足する睡眠時間を確保するために、夕方仮眠をとっていた。それから数日前から湧き上がるモチベーションを抑えられず、かつ、ブラックチョコレートのカフェインで頭が冴える状況。全く眠れないまま、綺麗な山梨の夜空と二人の寝息を聞きながら、起床時間の3時を迎えた。
<登攀日>
赤岳山荘の駐車場へ、4時すぎに到着した。4時半ごろ、ヘッドランプをつけて徐々に歩き出す。雪のない北沢の登山道が新鮮だった。1時間程度で赤岳鉱泉へ到着し、小休止する。アイスキャンディーのない鉱泉も違和感があったが、空気がとても澄んでいて気持ちがいい。再び歩き始め、大同心稜を登る。1時間程度歩くと、大同心の西壁が見えてくる。取り付きから壁を見上げると、冬にはどこから登ればよいのか観察しても不安しかなかった岩壁も、次第と合理的なラインが見えてきた。7時ごろ、登攀開始。
<1P目>リード:瀧川
至る所に散らばるガバホールドを使い、豪快に直上する。一部ハングがあるが、ガバを使って気持ちよく超えることができた。ハング部分は、冬季は緊張するかもしれないが、手袋でもしっかりと掴めそうなホールドはあったし、スタンスも選べば問題ない。
<2P目>リード:瀧川
続くピッチも直上した。一箇所ステミングを使う微妙なパートがありつつ、同じくガバホールドを使って登る。スラビーな岩面にアイゼンはたてられないが、前爪を引っ掛けられそうなスタンスや、ガバの位置などを確認できたので、冬季でもこのパートは登れそうだ。
<3P目>リード:武田
このピッチから、最終ピッチめがけて右上気味に登り始める。ジェンガのように積み重なった浮石の多いラインを丁寧に登った。
<4P目>リード:武田
このピッチは大きく壁を見て右側にトラバースする。トラバースは何度やっても怖い。フォローも怖い。それでも楽しい気持ちが勝ち、最後のピッチへの期待感に胸を踊らせた。
<5P目>リード:鈴木
このパートは、フォローだが冬季に南稜を登った際、登攀している。ガバもスタンスも多く快適な直上ラインだが、当時はストレートに近いピッケル2本(リーシュ)のみで登り、猛烈にパンプした記憶がある。丁寧にガバを探し、落ち着いて足置きをすれば、十分に冬でもリードができる。このピッチは南に面しているので、東側に隠れていた太陽光が気持ちよく、頭にたどり着いた。フォローの2人も面白かったと口を揃えて登ってきた。
下山道中、クライマーに、早いですね、継続しないのですか、と声をかけられたが、こちらからすれば最暑の時間に登りたくないのだ。それでも睡眠時間を確保するという観点で言えば、遅く出た方がいいのだろうか。いや、先発がいると落石の危険もあるし、遭難リスクを下げるための最善は、しっかりと眠ったうえで、早く取りつくことだと思う。人が3人しかいない岩壁の中で、最高な時間を過ごすことができた。次回は冬に。
2025.8.13(水)-14(木) 雲、霧時々晴れ
メンバー: L瀧川・会外2名
2年前のリベンジとして槍の西稜を目指すが、結果として同じく中途半端になってしまった。微妙な記録だが最近若手がしっかり記録を残しているので自分も残そうと思う。
山の日前から雨が続いていたので、滝谷の増水を考え新穂高温泉側から上高地にアプローチを変更した。装備は残置無視を目標としキャメロット6番から0.2番、ロープは60mを用意
8月13日0300、仲間達と沢渡駐車場に集合して0420のタクシーを狙うも、先日までの豪雨によりタクシーとバスの出発が遅延する。不安がよぎるも意外と早く解消し、0545上高地を出発することが出来た。
少し歩くと不穏な看板を発見、左岸が梓川の増水のため通行止めらしい、氾濫しそうな梓川を眺めながら明神側から迂回し+2キロくらいの行程を歩く。まあ片道20kの中では誤差だろう。殺生ヒュッテ泊予定だったが、近い方が良いと思い計画変更、1245槍ヶ岳山荘到着
晴れない霧により周囲はびちゃびちゃ。風も強く爆風、ヘリポート側のアプローチ経路から西面の岩の状態を確認するもびちゃびちゃ。翌日の行動方針は3つ、①岩が乾くまで粘り、時間のバックストップを含め小槍からか曾孫槍からか選択②登頂して下山③下山、今の状況が続くなら③だが、とりあえず寝た。
14日0100、雨音に目が覚める。これはもう乾かないなと思いながら二度寝、0400に起きて飯食べてテント撤収、外は濃霧、0430に岩の状態を確認するがびちゃびちゃ、半ば諦めながらメンバーに0500から行動出来るように伝える。
風があるため渇き待ちを実施、すると一瞬霧が晴れ、槍の全貌が露わになる。初めて見るわけじゃないのに心が震えた。西面の岩の状態を確認しに行く。さっきよりかなり乾いていた。
0530登攀を決意。パーティーの技量、タイムリミット、岩の状態をグルグル考えて曾孫槍から登ることにする。デカいキャメを泣く泣くアプローチザックに残置し、0545山荘を出発。0645曾孫槍基部。登るにつれ風で岩がみるみる乾いていく。これ、登れたんじゃないか?何度も小槍をうらめしく振り返りながら0930登頂。1030山荘から下山を開始する。
途中徳沢でアイスを食べたりしながら1555上高地着。
帰り道、タクシー運転手さんに聞くと繁忙期はゲートが閉鎖するまで運行しているらしく、タイムリミットは1900くらいまで大丈夫だったらしい。
3度目の正直をいつ実施するか考えながら、かつ玄で夕食食べて帰りました。
2025.07.19-20 穂高岳・屏風岩〜雲稜ルート〜
メンバー: 山本・鈴木(拓)
<上高地〜横尾>
19日朝、眠れない高速バスが上高地に到着した。外に出ると、半袖では寒すぎる気温。そして眠い。というか、バスのなかも寒かったな?特に準備することもなく、おにぎりを一つ咥えて、横尾に向けて歩き出した。道中もとても涼しく、2時間強で到着。登山届を提出し、パトロールのお兄さんにやさしくアドバイスをいただいた。
<横尾〜屏風岩>
横尾から1ルンゼ押出と出合う岩小屋跡まで歩き、冷たい水の中を渡渉。初めてだったが道は分かりやすく、ルンゼを登って行くと急に開け、屏風岩東壁がよく見えた。ルンゼ脇の木陰になりそうな箇所に荷物を置いて、空身で偵察をしに行った。T4尾根末端部分には雪渓が残っていて、吹き下がる風が涼しい。雪渓上はほとんど歩かずにT4取り付きまで登ることができた。T4のラインもだいたい掴んだところで、荷物置き場に戻る。まだ10時台だが、特にできることもない(暑すぎて登る気力は起きない)ので、しばし日陰で昼寝をすることにした。数時間寝てから起き、日々の色々なこと(不安なことも、幸せなことも)に思いを馳せた。この時間があるから、山登りはやめられないと思う。ただ岩場を登るためだけに歩いてきたわけじゃない。
屏風岩東壁を見上げる。
<T4下部〜ビバーク>
夕方、日向が完全になくなったころ、のそのそと動き出し、とりあえずT4尾根始め2ピッチに一本ずつフィックスを張ることにした。1ピッチ目は山本がリードし、一本ロープを張った。フォローで鈴木が登り、そのまま2ピッチ目をリードしたのち、ロープをセットして懸垂下降で取り付きまで降りた。この日はルンゼ脇の適地でビバークし、次の日に備えた。
<雲稜ルート登攀>
深夜2時半、充分な時間眠ったとはいえ真っ暗闇の中、眠い目をこすりながら起床。朝飯を済ませて3時半に出発した。前日のフィックス設置は英断で、暗闇の中でも安全にT4下部2ピッチをユマーリングをすることで処理できた。その後は明瞭な踏み跡を辿り、一部クラックをチムニー的なムーブで登り、T4テラスに到着。薄明るくなる4時半ごろに、雲稜ルートに取り着いた。1P目は山本がリード、5.7とトポには書いてあるが、フォローの鈴木は一部残置スリング(?1mm程度の細引き)をつかみ、なんとかピナクルテラスへ。2P目は鈴木がリード。5.9という触れ込みだが、圧倒的悪さにA0を駆使してトラバース、扇岩があったテラスへ。そして核心のボルトラダーパートは、山本がリード。ヌンチャクをかけて掴むという動作を基本として、一部アブミも交えながら登った。古い支点に落ちられない恐怖と闘いながら、フォローも丁寧に時間をかけて登った。このピッチは1時間程度かかってしまった。4ピッチ目は鈴木がリード。このピッチも微妙なトラバースを含み、残置スリングに助けられてなんとか東壁ルンゼへ入り、ルンゼを少しあがったテラスまで。5P目は60mロープいっぱいに伸ばして草ボーボーのルンゼを山本がリード。終了点より残り数メートル上に設置されたラペルアンカーまで鈴木が登り、ジャスト8時ごろ懸垂下降を開始した。T4までスムーズに降りたが、壁には後続パーティとして7人ほどのクライマーが岩にかじりついていた。岩自体も暑くなる時間帯、すこし心配になったが、とりあえず自分らは安全圏(T4尾根取り付き)まで懸垂下降で降りた。途中、雪渓クーラーや、渡渉ポイントで涼みつつ、昼前には横尾を通って、上高地に下山した。
核心の3ピッチ目を山本が登る。
これまでフリークライミングにこだわって、自分でもフリーで登れる易しいグレーディングのルートを基本に登ってきた。そのため、エイドクライミングからは距離を置いて接してきた感がある。ただパートナーの希望で今回雲稜ルートに触れ、先人たちがボルトを大量に打ち込んでまで登ろうとした執念と、その巨人の肩の上に立つことで成立した今回のクライミングには感慨深いものを感じた。またしばらくは自分のスタイル(フリークライミング)にこだわって登山を続けるだろうが、この時の気持ちを忘れずに、いつか言語化できるように心に認めたいと思った。
2025.06.28(土)-29(日) 快晴
メンバー: 土屋・山本・鈴木(拓)
文責: 鈴木拓海
梅雨の合間に、北アルプス南部に位置する錫杖岳の前衛フェースを登ってきた。この時期には既に雪渓は消失していて、綺麗な水が錫杖沢を流れていた。アプローチ途中の緑たちは生い茂っており、ルート途中にも草がのびのびとしていた。梅雨の中休みにもかかわらず状態は良くて、充実したクライミングを行うことができた。
初日は朝6時ごろゆっくりと起き出し、いつものように、”どんべい”のためのお湯を沸かした。前日1時半ごろようやく眠りにつけたので、4時間半しか寝ておらず全く体の動きが鈍い。せめてもの救いが、東京と違って涼しいことだった。日差しも出てきて、快晴の中、ワクワクしながら歩き出した。
<<Little Wing >>
錫杖沢出合にテントを設営し、すぐに準備を済ませて前衛壁を目指した。昨年5月末に、左方カンテと1ルンゼを登っていたのでルートはバッチリわかった。ただ1ルンゼの取り付きまでは雑草が生い茂っており、踏み跡を少し外れてたどり着いた。10時前、少し遅い時間だが、LittleWingを登攀開始。3分の2ぐらいは1ルンゼを登るルート。鈴木がはじめの2ピッチをリード。日差しが暑いが、最近は沢登りばかりしていたので、乾いた岩を登るのが楽しい。(しかも、他に誰もいない!)。続いて、山本が次の2ピッチを登った。そして1ルンゼから逸れて、LittleWingへ。予定通り12時前に到着。
LittleWingはじめの5.9セクションは土屋さんリード。これまでの様相と全く異なり、垂直のクラックを登る。カムを慎重に決めて登られていた。ここからは日陰に入り、暑さを凌いで快適なクライミングを楽しめた。次の5.10cのピッチは山本がリード。ハンガーボルトの状態が少し悪いようだったが、カムも決めながら順調に上がる。最後の核心ピッチは鈴木にとっては緊張する楽しいクライミングだった!懸垂下降は4回で取り付きへ。下りは一瞬。テント場に戻って食事と団欒の後、18時には夕陽で明るいテントの中で就寝した。
<<注文の多い料理店>>
翌日は4時に起床。5時すぎには出発した。既に気温も高く、沢の冷たい水がうまい。北沢側フランケに回りこみ、登攀開始。1-2ピッチ目はロープいっぱいに継続し、鈴木がリードした。支点が遠く感じる区間もあり、緊張しながらではあったが、岩を掴むたびに幸せホルモンが脳内を駆け巡った。核心3ピッチ目も鈴木がリードした。フィスト大好きお兄さんなので、もちろんフィストジャムを両手で決めて、プチ被り壁を超えた。その後は快適なクラックを超え、終了。4ピッチ目は山本がリード。このピッチも緊張感があった。5ピッチ目の長い凹角左のクラック沿いラインは土屋さんがリード。続けて左方カンテの最終フェースも土屋さんがリードし、山頂まで抜ける最後のピッチは省いて懸垂下降で取り付きまで降りた。5.8とはいえ久しぶりの本格的なクライミング、安全に楽しめて充実した週末になった。
関東からは少々遠いし、浮石も多少あって、緊張感のある岩場だが、人は少ないし、面白いラインがたくさんある。また時間を作って必ず登りに戻ってきたい。
2025.04.12(土) 快晴のち曇り
メンバー: 土屋・鈴木(拓)
文責: 鈴木拓海
以前よりトライしてみたかった中央アルプス・宝剣岳の東面を残雪期に登ってきた。中央稜を登る予定だったが、思いがけずバリエーションルートを登ることとなった。自分にとっては2024/2025最後の雪山で、全てのピッチをリードし、充実したクライミングで今シーズンを終えることができた。
決行日、眠い目をこすりながら、菅の台からバスとロープウェイで千畳敷駅へ移動。08:50頃、身の回りの準備を済ませて、千畳敷カールに足を踏み入れた。この時点でハッキリと見える宝剣岳東面に笑みを隠せなかった。天気は快晴で、雪もそれなりについているのが見えた。(これで楽しくないわけがない)。山の上は一面白銀の世界で、一気に目が覚めた。既に八丁坂を登る登山客の列からはみ出て、宝剣岳東面を目指しているパーティがいたので、彼らのトレースのあとをついて行った。
壁に近づくと、2P目を登っている3人パーティの姿が見えた。さらに壁を目指して歩いている最中、ガガガッという音がしたので壁を見上げると、フォローのクライマーがロープにぶら下がって、ゆれていた。(まじかよ〜自分に登れるかなと急に不安になる)。
取り付き付近の樹木にセルフビレイをして、登攀準備を始めた。トレースをつけてくれた先行パーティに先を譲るも、待っていても仕方ないので登れそうなラインを登ることにした。「中央稜の1P目は2ルートぐらい登られてるよな」と思いつつ、左の方へトラバースして壁に取り付いた。
10時前に登攀開始。割と立っている岩にへばりついている凍っていない草付きに、ダブルアックスで身体を上げようとすると、左手のアックスが土と共に剥がれた。身体をゆっくりとまた下げながら、どうすんだこれ・・・と逡巡するも、他に登れそうなところはないので、「えいや」で思い切って身体をもう一度あげた。その後は、草付きがなくなり、完全なスラブ。ハーケンが連打されていたので、スリングをかけて荷重をかけてトラバースをしつつ稜線めがけて登った。あとからわかったことだが、左フランケルートに入ってしまったらしい。ハーケンが見当たらなくなり、再び現れた草付きをダブルアックスで越えた。1P目はデカイ木で終了。
先行パーティのリードに合流し、お互いのルートの感想を話し合った。フォローの土屋さんも無事登ってきた。先行パーティが先に2P目を登り始めたが、その右側に顕著なクラックが走っていたので、僕らも並走してこちらのクラックを目指して取り付いた。まずは出だし、薄く雪が載ったスラブを滑らないように丁寧に足置きして登った。右側にクラックがあるが中の岩はボロボロで全然安心できなかった。少し登ると小ハングがあり、目の前にカムをセットできたので一安心。ただここからどうやって上がればいいのかわからず・・・スリングでアブミを作って身体を上げるも、クラックは広すぎて体勢も悪かった。しばらく逡巡し(再び)、意を決して再度身体を上げ、凹角状の左壁にくっついているコケにアックスを刺し、足をスリングから外した・・・。この瞬間、ビリビリッと脳に緊張が走るが、足をハング上のクラックに入れ、アックスは剥がれず持ち堪えてくれた。その後はフィストサイズのクラックと、左壁のコケを使いながら雪の載ったハイマツまで登った。ハイマツ登りは大得意範囲。ハイマツをつかみ、雪にアックスを刺して、ビレイ点から見えていた雪の傘を乗越した。その後は快適な雪面を登り、木で終了。
再び先行パーティのリードと合流(先行パーティは2P目を2パートに分けて登った)した。土屋さんの方が先に登ってきたので、僕らの方が先に3P目オケラクラックを登らせてもらった。本来中央稜はオケラクラックが核心と言われている。ただ、エイドを交えても奮闘的な1-2P目を越えていたので、緩い傾斜でカムがしっかり入るオケラクラックは容易に感じた。クラックの中にグサグサの雪がつまっていて、アックスが刺さりにくいのが登りづらくさせていたが、フットジャムをしっかりと決めて着実に登った。終了点はカムで作った。
最終4P目は初めに草付きを登ると、二本足で歩ける雪稜に変わる。今日のクライミングを思い返しながら、山頂に立った。空は少し雲がかかってきていた。身支度を整えて山荘方面へ下り、八丁坂を降りた。
奮闘的なパートがあったとはいえ、中央稜は4Pしかないので、「まだまだ登り足りないなあ」と消化不良な気持ちを抱えていた。そのためか、何度も東面を振り返り、オケラクラックを登っているパーティ(先行パーティ)を見て、「楽しかった」、「良かった」、と何度も土屋さんと話していた気がする。
宝剣岳はまだまだ登りたいルートがたくさんある。来年は厳冬期にチャレンジしたい。
2024年は色々と変化の多い年だった。
学校を卒業し、就職し、引っ越しなどなど、生活が大きく変わった。
そんなわけで日々忙しく山に行く時間も減ってしまって、、、
なんてことにはならず、研究室とバイトから解放され、休みの日に思う存分山へ行けるように。自分の記録を見返すと2024年は合計54日山へ行っていたようだが、HPで報告した山行は3件だけ。定期的に更新し冬壁をやる人間がいることも主張しておかねば、ってことで2024年度冬シーズンの山行を振り返ってみようと思う。
12/1 八ヶ岳 赤岳主稜
シーズン初めで雪不足を心配していたが、行ってみたら山は真っ白。天気は快晴。珍しく風が弱く非常に快適で楽しい冬壁シーズンインとなった。
12/14 八ヶ岳 峰の松目沢(南西沢)
これは帰ってから知ったことだが、峰の松目沢は南東沢、南西沢と2つあり、メジャーなのは南東沢。今回はマイナーな南西沢を登ったが、ところどころロープを使いつつ沢を詰めていった。こちらもアイスの足慣らしにはちょうどよいルートだった。
12/15 八ヶ岳 裏同心ルンゼ〜小同心クラック
暗いうちから裏同心ルンゼを登り、小同心クラックへと継続した。裏同心ルンゼは初めてだったが、登攀時はほぼ真っ暗だったので気がついたら終了していた、みたいな感じに。小同心クラックへ取り付く頃にはあたりは真っ白で風が強く、極寒。それでもアイゼンアックスを駆使し、一手一手ロープを伸ばすクライミングは非常に楽しかった。色々と反省点も多かったが、気づきの多い充実した山行だった。
12/29-30 常念岳 東尾根
年末の天気予報があまりよろしくないため当初予定してた計画を変更し、常念へ。初日はひたすらラッセルし幕営適地まで。2日目に山頂を踏んで下山した。
2025/1/3 八ヶ岳 峰の松目沢(南東沢)
1ヶ月前に行っていないほうの峰の松目沢に。少し氷が薄いところもあったがアックスがよく刺さる。最後の90度、10mほどの滝はなかなか奮闘的であった。
1/4 八ヶ岳 赤岳〜硫黄岳
翌日に長野でスキーをする予定を立てていたため家に帰るのがもったいなく感じ、一人山に残り南八ヶ岳を歩いた。クライミングに慣れてしまったせいか、やはり山は誰かと行くほうが楽しめると感じた。
1/24 八ヶ岳 中山尾根
この週は気温が高かったようで、1pはほぼドライツーリングだった。じゃんけんに勝ち核心ピッチをリードするつもりで行ったがパートナーが2pつなげて登ってしまった、、、
1pのフェースほうが難しく感じたからまあいいか。
1/25 広河原沢3ルンゼ
パートナーがテント代を払いたくない、ということでわざわざ一旦下山して隣の広河原沢に(笑)アプローチが長いせいか、はたまた天気予報が芳しくないせいか南稜含め誰も人がいなかった。雪で埋まっている滝が多くロープを出さずに終わるんじゃないかと思っていたが、最後の最後に激悪Vアイスが出てきて叫びながら登った記憶がある。パートナーいわく摩利支天大滝より悪かったそうな、、、
1/31-2/2 宝剣岳 極楽尾根
人生初の中央アルプス。極楽尾根の登攀日は6時前行動開始、20時テント戻りと、なかなかハードな山行だった。山行記録をHPに載せようと途中までは作成しているのだが、、、
長く、険しく、かっこいい尾根だった。
2/15 谷川岳 一の倉沢、幽ノ沢(偵察)
幽ノ沢F沢を登ろうとしていたが気温が高く、雪崩の危険性が高いため中止し偵察という名の谷川観光。一ノ倉沢出合にテントを張りダラダラと本を読んだり酒を飲んだりしながら雪崩等を観察しようという目論見であった。結局雪崩は全然発生しなかったが、明るい時間にルート、地形、取り付き、地点などを確認できたので来シーズンまたトライしたい。
この谷は何時来ても美しく、恐ろしく、魅力的だ。
2/16 谷川岳 西黒尾根
せっかく大きなザック持ってるし歩荷でもしましょう!ってことで到底日帰りとは思えないクソデカ装備を背負って西黒尾根を登った。本を10冊も持って山を登ったのは当然初めて。前日の偵察時の暇つぶしのために山を渡る全巻、トポ等をザックに入れていた。スキーヤー、ボーダーが多く来シーズンはスキーもやりたいな〜などと考えていた。
3/8-9 赤沢岳 大スバリ沢奥壁
晩冬〜春のクライミングコンビニと呼ばれている(らしい?)赤沢岳へ。冬季クライミングの本によるとテント場までは3〜4時間で、気合を入れれば日帰りも可能だそう。しかし行ってみると駐車場からテント場までは7時間以上かかったため登攀は2日目のみ。左岩稜正面チムニールートに取り付いたが途中敗退という結果に。2泊以上かけてじっくり登りたい岩場だった。
ひとまず今年の冬山は終わり。(残雪期はちょこちょこ行こうと思っているが、、、)来シーズンはスキーをしながら山を歩いたり、担いで登ったりしたいと考えている。
今年の冬のハイライトはMars 5.14aがプリセットだが登れたことだ。
変なとこに課題がある為、パートナーが問題になるが山野井さんが快諾してくれた。
下記の登った課題とコメント
浮山橋
スコーピオン 5.12b
頭をスタックさせる珍技ヘッドジャムを核心部で使った。
アストロドーム
モータードライブ 5.12d
日登ではアストロドームが流行っていたみたいで、自身も7日間通っていた。個人的当たりくじはモータードライブ。これまで、城ヶ崎で登った課題で1番面白かった。
ブリザード 5.12d
杉野保氏の連載DIg Itで取り上げられた前傾フィンガー
マリオネット 5.12a
天井に走った迷路のようなクラック。
あかねの浜
バランスオブパワー 5.12b
名前の通りなかなかバランシ-12bがギリギリな技量では難しいだろう。
もずがね
スカラップ 5.12d/13a
ワイドクラックはというより現代アートの彫刻をよじ登るイメージ。不動の拳より難しく感じた。
バンブー北の磯
イッカクダンサー 5.12c/d
ルーフクラックの長さで言えば城ヶ崎随一であろう。
ルーフクラックにのおもしろさに目覚めた方にオススメ。
熱川ダンサー 5.12c/d
山野井さんも言っていたが、イッカクダンサーより断然難しい。LowスタートはProjectだ。
海亀エリア
フォボス 5.12d
シンハンドのルーフクラックである。
ダイモス 5.13a
このルーフのKing Lineだ。
マーズ 5.14a
吉田和正氏の遺作。ストレニアスなルーフクラックを登って行き、出口のボルダームーブは理不尽の一言につきる。
なみだち
タコ 5.12a
シンハンドサイズの前傾クラック。わかってしまえばそんなに難しくない。
門脇テラス
ホシナクラック 5.11d
綺麗なフィンガークラック。かかりはポジティブ。
門脇南の磯炎の導火線 2段
ルーフのフィンガークラックは難解だ。6日通って登った。
10月末に、今年一番やりたかった一ノ倉の3ルンゼへ行ってきた.
10月中旬にも計画を立てていたが,天気等のコンディションを理由に中止に.今週末は小川山,瑞牆で遊ぼうかと考えていたが木,金,土,日と晴れの予報.先週末は雪もチラついていたようなのでここが今年最後のチャンスだと思い,金曜日に3ルンゼへ行くことを決めた.
いつも通り夜明け前にインフォメーションセンターを出発.雨は降っていないと思っていたが,一ノ倉出合付近のアスファルトが濡れている・・・ 霧と湿度のせいだと自分に言い聞かせながら一ノ倉に入る.
雪渓が完全になくなってからの一ノ倉は初めてだったが,アプローチの踏み跡はしっかりしており,ヒョングリ滝前後もフィックスロープがあり大安心.雪渓がなくなった一ノ倉沢の深さには驚いた.
南稜テラスから本谷へ降りる道は,ぼろぼろのフィックスロープがありなんとなくラインが見えた.ビレイしながらトラバースしたら,4ルンゼF滝はすぐそこに.
1P ルンゼ
この時はF滝がそれだとわからず,2ルンゼ側を少し登り水流を巻こうと考えた.コンテで簡単な岩登りをし,ボルトがあるところまで登る.
2P 草付き
ここで少し違うんじゃないかと思い,4ルンゼ方面へトラバース.草付きとぼろい岩がいやらしかったが,F滝上に戻った.
3P ~4ルンゼF1下 ルンゼ
左のバンドが悪そうに見えたため,4ルンゼを登った.水流の落ちるCS滝(これが4ルンゼF1?)手前まで.
4P CS滝から草付き
濡れながらCS滝を越すと3ルンゼがよく見えた.ルンゼ右側の草付きを登り,細いブッシュをかき集めピッチを切る.ここでようやくトポ通りのラインに戻ったかな?
5P スラブ
スラブは岩の上に砂利やら草付きが乗っており,プロテクションを決めるにもクラック内の泥をほじくり返したりと余計に時間がかかる.水線を攻めるほうが圧倒的に楽だったため,濡れながらF2下まで.
6P F2
水流があり残置ハーケンの腐食が激しいうえ,苔でヌメヌメのためかなり緊張する.落石がルンゼ内で跳ね回るためビレイヤーも気が抜けない.
7P スラブ
F2からF3下まで.ほぼ歩き
8P F3
凹角左でピッチを切ったため,チムニー下を右にトラバースしフェースへ.ここも水流あり苔だらけで緊張する.チムニー上まで行くと左に見えた残置アルパインヌンチャクに導かれて登る.(ここで直登した方が簡単だったかも・・・)ルンゼ左側は岩質が全然異なりプロテクションも取れほとんど取れず,かなり緊張した.
9~11P スラブ
難しくはないが泥交じりの草付きが乗った岩が怖く,スタカットで上部岩壁基部まで.相変わらず支点は取りにくい.
12~13P 草付きスラブ
上部岩壁沿いを詰めたのち,リッジへ上がる.プロテクションの取りにくく,泥と草付きの乗った岩と,それにより濡れたシューズのせいで終始緊張する.カラッとしてたらルンゼ中央部をサクサク登ることができたのかなと感じた.日没が近づき焦る気持ちをおさえつつ,慎重にリッジへ上がると国境稜線が見えた.
~国境稜線 草付きリッジ
コンテに切り替え,熊笹をつかみながらひたすら藪漕ぎ.一か所だけ露岩を超えるためにスタカットでビレイした.国境稜線とともに日没が近づき,うっすらと見える稜線へ向けてがむしゃらに藪をこぐ.小一時間ほど藪漕ぎをすると傾斜が緩み,日没ギリギリに稜線へ抜けることができた.茜色に染まる稜線を見ながら,これまでロクに休憩をとっていなかったことを思い出し,水分と食料を腹に詰め込む.評判は聞いていたが,ダイレクトに国境稜線へ突き上げた達成感は格別であった.
1日を通してトラブルがあったわけでもなく,大きなルートミスもなかったがとにかく支点をとるのに時間がかかった.水流があり濡れていたことも時間がかかった原因の一つと考えるが,やはり支点構築のスピードが遅く,未熟さを実感.(支点をとる場所を探す目・適したプロテクションの判断等,ゲレンデでは培えない技術の必要性を強く感じた)
課題も多く出てきたが,一ノ倉沢を最深部から稜線まで突き上げることができ,非常に充実した山行となった.
以下,所要時間(参考)
04:00 インフォメーションセンター駐車場
05:00 一ノ倉沢出合
07:20 F滝
12:00 F2
13:00 F3
16:40 2・3ルンゼ中間リッジ
17:30 国境稜線
20:20 インフォメーションセンター駐車場
記・武田
お盆の連休を利用し,武田他1名(会外)で前穂高東面の岩場へ行った.
初日は上高地から奥又白池まで.奥又白池は前穂高東面の展望が非常に良くルートの観察ができ,快適な場所であったが,沢からは昼夜を問わず落石の音が響いていた.(焚火跡が残っていたのが少し残念・・・)
2日目は4峰正面壁,松高ルート~前穂北尾根を登った.
奥又尾根を登り,岩が出てくるあたりでトラバースできそうな踏み跡を見つけてそれを辿る.A沢のガレのトラバース,B沢の雪渓をトラバースし,C沢CS滝まで詰めた後T1へ.不安定なガレに苦戦し,池から2時間半程度.落石も頻発しているので非常に神経を使った.
以下,松高ルート詳細
1~2P 草付きのルンゼを辿りながら高度を上げていく.松高ハング下までトポだと3ピッチだったが,2ピッチで登った.
3P スリングの垂れ下がる松高ハング(というより垂壁?)を越える.その後の凹角の方が悪かった気がするが,特に不安に感じる難しさではなかったと思う.
4P いきなりハング越えから始まり,ハンドサイズのきれいなクラックの走る岩を右から回り込んで越えてもう少し登った.
5P 簡単な岩登りをして緩傾斜帯に入り,ロープを目いっぱい伸ばす.その後は緩傾斜帯の踏み跡を辿り北尾根へ.
そこからは北尾根を継続して登り,A沢,奥又尾根を下降したが,ここでかなり時間を使い,途中からヘッデン下山となった.特にA沢はガレと雪渓を懸垂しつつの下降となり,時間を取られた.
06:00 奥又白池
08:30 松高ルート取付き
12:00 北尾根縦走路
16:00 前穂高頂上
19:00 踏替点(2つ目)
19:30 奥又白池
下山が遅くなり疲労もたまっていたので,3日目は休息日とし,4日目は北条=新村ルートへ.松高ルートとアプローチがほぼ同じなので,迷うことなく1時間半程度で取付きへ.以下,ルート詳細
1P 凹角の草付きからフェースを登るが,松高ルートより岩が不安定で,プロテクションを決めやすい場所を探すのに苦労する.しかし,1P終了点にはピカピカのペツルのハンガーボルトが.ロープいっぱいまで伸ばしたかったが,足元も安定しているのでここでピッチを切る.
2P 階段状で登りやすいが,やはりプロテクションは決めづらい登りが続く.チムニー状の岩の下にまたきれいなハンガーボルトがあったのでここでピッチを切った.
3P チムニー状の岩が60m近く続く.流れが悪いので途中でピッチを切ろうとしたが,(ピッチを切って青白ハングをリードするつもりだった)狭く支点も心もとないので青白ハング下までロープを伸ばした.ここはハンガーボルトはないが,クラックが豊富なのでカムとナッツで安定したビレイ点を構築できた.
4P 本日のハイライト,青白ハング.1手ごとにあるんじゃないかというくらい残置スリングが多数垂れ下がっている.松高ハングとは異なり,高度感満点のハングだった.重荷と不安定な岩にビビり,情けないがスリングをつかみつつハングを超える.ハングちょいうえと,バンド上にハンガーボルトがあった.
5P バンドのトラバース~カンテを登る.難しくはないが支点の取りにくく高度感満点のトラバースにビビり,カンテを越えて浮石だらけのテラスに.相変わらず岩が脆いのでクラック内の泥を掻き出しハーケンを打ち込み,カムと残置も使いつつピッチを切る.
6P フェース~ハイマツ登り.60mいっぱいまでロープを伸ばし,さらに少し登ると緩傾斜帯へ.
北尾根を登るとまた時間がかかるので,今回は5,6のコル経由で下降した.
05:00 奥又白池
06:30 北条=新村ルート取付き
11:00 北尾根縦走路
13:30 奥又白池
当初の予定では前穂東壁:北壁~Aフェースの登攀や,滝谷へ移動してのクライミングも考えていたが,天候悪化によりクライミングはここまでとし,5日目に下山.明神橋手前でツキノワグマと遭遇した.
我々が居る間,奥又白池には他に誰も来なかったが,4峰正面壁は最近でもクライマーが訪れているようだった.(踏み跡は探せば見つけられたし,A沢下降用の残置懸垂支点もきれいなものが多かった.)
東壁へはC沢を詰めてアプローチできるかなとも考えていたが,落石が非常に多く,涸沢ー3,4のコルからのアプローチでないと厳しいかな・・・
(参考:改定 日本の岩場 白山書房)
予定通りのルートは登れなかったが,前穂高の岩場を知ることができ,充実した山行だった.
記:武田
6月7日,武田,瀧川,他1名で一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁南稜~国境稜線~谷川頂上を繋げて歩いてきた.
金曜夜に自宅を出発し,AM1:00頃インフォメーションセンターに到着.2時間ほど仮眠してから出発.人気ルートのため渋滞を避けるため早めの出発としたが,既に駐車場では他のクライマー達も準備を始めていた.急いで一ノ倉沢を目指す.
テールリッジを目指し設計を歩いていると,100mほど先にツキノワグマが見え,一瞬熊敗退という言葉が頭をよぎるが,衝立前沢方面へと消えていった.ビビりつつもテールリッジへ向かう.
なんとか南稜テラスへ一番乗りで到着し,前半は瀧川さんがリード.最後2ピッチを譲ってもらい武田がリードした.
難なく終了点へ到着し,そこからは岩混じりの草付きでロープを使いつつ一ノ倉尾根へ.この日は南稜から国境稜線を目指す人が他に2パーティーも(!)おり,すぐに追いついてきた彼らはロープを使わず尾根を目指していたため,ここで我々を追い抜いて行った.(地元の山岳会とのことなので初めてではないのかも?)我々は初めてなので安全第一,ということで稜線へ出るまではロープを使った.
一ノ倉尾根へ出てからは藪漕ぎをしつつ比較的明瞭な踏み跡を辿る.5ルンゼの頭は先行パーティーもロープを出しており,順番待ちをしつつロープをつける.そこまで難しくなさそうだったためアプローチシューズで登ったが,浮石と不安定な草付きが多く,緊張する.その後もコンテを交えつつ最後は背丈弱の藪を漕ぎとなった.国境稜線へ出ると緊張が解け,安全圏に出た安堵感で思わず倒れこんだ.
下山はロープウェイの予定だったが,ここまで来たら自分の足で降りたいと感じたので,瀧川さんを説得し西黒尾根を下降.ツルツルの岩と鎖場で疲れたが,PM16:00頃には下山した.
クライミング,藪漕ぎ,コンテ,稜線歩きとアルパインクライミングの楽しさを詰め込んだ1日となった.
【時間】
03:40 インフォメーションセンター
04:20 一ノ倉沢出合
05:40 南稜テラス
08:50 南稜終了点
10:00 一ノ倉尾根
10:50 5ルンゼの頭基部
12:20 国境稜線・一ノ倉岳
16:00 登山指導センター
記・武田