滝谷第二尾根・クラック尾根

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GW直前、陽光降り注ぐ滝谷を満喫してきました。以下、報告です。
期間:4月24日~27日
メンバー:山崎、宇都宮
4月24日 新穂高温泉(14:30) ---滝谷避難小屋(18:30)
4月25日 滝谷避難小屋(3:25)--合流点(5:30)--第二尾根取付(7:30)--北穂高岳頂上(18:20)
4月26日 松濤岩BC(7:15)--クラック尾根取付(8:30)--北穂高岳小屋(16:45)
4月27日 松濤岩BC(6:50)--滝谷出合(11:00)--新穂高温泉(14:00)
【行動詳細】
4/24
夜勤明けの寝ぼけた身体を引きずって滝谷避難小屋へ。明るいうちに着いてよかった。夜の気温-3℃。
4/25
外に出ると天気予報どおり満天の星空。雪は締まっており、快適に進む。雄滝はかろうじて2m程で繋がっていた。合流点からC沢に入り、スノーコル手前で左から来る沢へ進み、どん詰まりから第二尾根に取り付く。二尾根はルート取りにもよるが、特に難しい箇所はなく、ひたすら長い。プロテクションとビレイ点作成にはナッツやカムが有効。天気もいいのでのんびり進み、さすがに疲れてきた頃に縦走路(松濤岩のコル)にひょっこり出た。ここがあさってまでのBCとなる。風もなく、ラジオもびんびんに入り、実に快適なテン場だ。夜の気温-8℃位。
4/26
快晴。今日はクラック尾根。北穂高小屋から急な雪壁をクライムダウンし、B沢コルを経由してクラック尾根取付きへ。雪のついたバンドから登攀開始。壁にはびっしりと氷がついており、冬壁っぽくて良い。2P目の出だしが悪く、唯一A0となってしまった。核心のジャンケンクラックはフリーのクラックを登ってるような動きが楽しめた。キャメ#3があれば安心だが、#2まででもまぁ何とかなった。午後になると上から落氷が降ってきて少々怖い。なんだかんだで時間がかかり、北穂高小屋に着いたのは夕方になってしまった。
4/27
今日は慎重に下るのみ。D沢を下る予定だったが、近くて状態の良いB沢下降とする。合流点付近は昨日のものであろう大量のデブリが出ていた。
林道わきのフキノトウを採りつつ、ポクポクと新穂高へ。14時、新穂高着。充実した4日間を終えた。
【装備】
エイリアン青~黄×2set、キャメ0.75~2番×1set、ナッツ1set、ハーケン4枚持参したが、エイリアンは1setで足りた。ハーケンはほとんど使わず。ナッツは多用した。2尾根には残置物はほとんど無かった。この時期わかんとストックは不要。
(宇都宮 記)

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八ヶ岳西面

期間:4月5‐6日(前夜発)
メンバー:宇都宮さん、山野井さん、山崎

宇都宮さん、山野井さんと八ヶ岳西面に行ってきました。
前夜、美濃戸山荘まで入り、車中泊。

土曜日、4月だというのに、冬型が強く山は完全に冬。しびれるような寒さの赤岳鉱泉から裏同心ルンゼへ。トレースはなく、氷はほとんど埋まって、足首程度のさっくりしたラッセルの緩い雪壁歩きでした。

大同心南稜はピンが少なく難しいので、後で宇都宮さん、山野井さんで遊ぶとのことで後回しにし、先に小同心クラックを登らせてもらいましたが、リードは怖々でとても時間がかかってしまいました。
2P目終了点で、大同心南稜を登るには時間的に厳しい、ここから稜線までこそが山らしく、山崎にとって良いトレーニングになる、抜けた方が山登りとして充実するだろうとのお二人の判断で、上まで抜けて硫黄岳を下ることになりました(私はその時は意識がふわふわしていて、ついていくだけで必死、後から理由を伺いました)。

宇都宮さん、山野井さんは、素早い判断とルート取りで、急で固い雪壁をトラバース。私は安全に動く方法を具体的に教えていただき、要所要所サポートされながら、後をついていきました。

横岳から硫黄岳は、まさに烈風といった感じで、全身を押さえつけられるような強風に、よろめきつつノロノロと一歩ずつの前進でした。
風のおさまる場所にたどり着くまで、お二人には終始サポートしていただき、大変ご心配おかけしました。

下山後のテントでは、宇都宮さんの美味しい鍋料理で楽しい夜ごはん。
思い出に残る赤岳鉱泉の夜でした。

翌日曜日、目的&候補のルートだった赤岳西壁主稜左ルンゼ、中岳ルンゼ、阿弥陀北稜は昨晩からの降雪で雪崩の危険が高く、天候も良くなかったため、中止とし、そのまま下山しました。

(山崎記)

穂高と錫杖

昨年の夏と秋の記録です。竹内、野田で穂高と錫杖の継続をしました。今となっては最高の時を彼と過ごせ幸せです。穂高では第一尾根への継続が出来ませんでしたが最終日ドーム中央稜は2時間もかからず駆け登り、ドームの頭から次は槍ヶ岳まで行こうと語りました。錫杖では初日テン場を間違え取り付きまで荷物を担ぎあげ二人で悪態つきながら左方ルンゼと第一ルンゼの継続。二日目は注文から無名ルートへ。あっさり終わりもう一本とお互い気力が爆発的でしたが、帰路を考え余裕をもち下山。来秋はヘッデン残業いとわなければ容易なルートなら四本できるねと。さすがに厳しいですがお互い興奮していたとおもう。彼とは山で両親とお姉さんと恋人のこと色々聞かされて確か聞き役に徹していたような…錫杖の初日テントを張り僅かな酒を呑み交わし、呑みたりない僕は焼酎が呑みたい
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南アルプス、三峰川岳沢

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野田です。
単独で行った南アルプス、三峰川岳沢の報告です。
3/17
杉島集落のゲートから丸山谷を進む。営林署跡からは試しに本流を登るがこれは失敗。湿雪のももラッセル、岳沢出合までも遠い。やはりセオリー通りが良いみたいです。
岳沢の氷の露出はしっかりしていて、アックスもアイゼンも気持ちよく決まる。F4で荷揚げの為にロープを出すが、他はロープを出さずにサクサク進む。F8上まで登り、幕営。
軽量化のためにスコップ、わかん等は置いてきたが酒だけは外せず、ひとり宴会をして就寝。

3/18
月明かりで登り出し、日の出の頃には稜線へ抜ける。四つん這いにならないと体を持っていかれそうなくらいの風に耐えながら仙丈ヶ岳に登頂。長いアプローチ、連続する氷瀑をこなしての頂上は感動ものだが風が治まらない。
甲斐駒ヶ岳、鋸岳を目指すが、天候悪化、風も吹き荒れ続けるので下山。北沢峠からは雨になり、ずぶ濡れになりながら戸台、そして杉島集落まで歩いて戻りました。
岳沢のみでもいい山行になりますが、鋸岳まで縦走し、角兵衛沢から下山すればさらに充実するかと思います。

明神岳東稜

期間:3月14日~16日(前夜発)
メンバー:宇都宮、山崎

宇都宮さんと明神岳東稜に行ってきました。

坂巻温泉にて前夜車中泊、翌日のアプローチには自転車を使い、何度も転びましたがスピーディーに林道を移動できました。
雪崩の危険性の高い上宮川谷はトラバースせず、東稜下部から尾根を忠実に詰めました。
一日目はひょうたん池を少し上がった第一階段下の小さなコル部分にテントを張りました。
湿雪のため装備もウェアもびしょ濡れ、体も疲労困憊のまま就寝です。

翌日、わかんをつけても膝までのラッセルが続き、締りどころのない新雪に体力を奪われるコンディション(ほとんどの部分を宇都宮さんにしていただいてしまいましたが・・・)、新雪の表層雪崩もところどころで見かけられました。夜もあちこちで雪崩の音がしていたそうです。
核心のバットレス上部、右の凹角からあがるところが難しく、宇都宮さんは大胆なムーブで左側面からフリーで抜けていましたが、私は残置のお助けスリングをフルに使っても怖々で、ピッケルの使いどころを教えてもらいながらなんとか抜けました。

最後、足跡のない頂上に立たせてもらい、遠方望める好天の中、私にとっては初めての北アルプスの冬山に登れた感動で胸がいっぱいに。
タイムリミットが過ぎていたのですぐに下山し、前夜と同じ場所で幕営しました。
満月に近い月明かりに照らされた奥深い山々がとても綺麗でした。
気温、日中は-5~15度、夜は-20度を超えていたようです。

翌日の下山は雪も良く締まり、雪崩の危険も少ないことから上宮川谷をトラバースして下りました。
林道に降りたったころには、下でも風が強くなり、頂上付近は吹雪いているようでした。
帰りもスリリングで快適なサイクリングを楽しみ、無事坂巻温泉へ。

とても充実した山登りでした。(山崎 記)

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幽ノ沢

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期間: 2月26日(日帰り)
メンバー: 野田、宇都宮
先週、野田君と谷川の幽ノ沢に行ってきました。
V字の左を登って以来5年振りの谷川。ずいぶんサボッてしまった。今回狙ってたのは中央壁の正面フェース。前夜、21時半に指導センター到着。吹雪。明日の予報は晴れ。「厳しいか・・・」。
センターを3時発。2時間ほどで幽ノ沢に着。締まっていない雪をスネ~ヒザのラッセルで進み、シュルントを2回ほど越えて取り付きのトウフ岩の左下まで行ったあたりで右俣リンネから大き目な雪崩が2発。遠目には繋がっているかに見えた正面フェースの氷はペラペラの雪氷。敗退決定。
せっかく来たので、隣でしっかり凍っている左方ルンゼでも登りたいところだが、上部には長い雪壁帯が待っているのでムリ。仕方なく、少々遠いが危険の少ないノコ沢の氷柱へ。結構なラッセルを強いられたが、無事取り付き着。ここでもチリ雪崩というには可愛げのない大きさの雪崩が来たが、登攀続行。2Pの快適な氷を楽しみ、下山した。
日中10℃を上回る暑さのせいで、谷の雪はグサグサに腐って下山時には3月下旬の雪になっていた。
中央壁正面フェースの氷は、形成過程の似ている烏帽子大氷柱が発達したときが狙い目のように思う。来年はどうだろうか。
(宇都宮 記)

北アルプス不帰岳1峰尾根

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期間:1月28日~1月30日

野田です。あえて厳冬期に単独で登ってきました。

アプローチは八方池の先から尾根を下降し、唐松沢を最短距離で横断、取り付きのルンゼも早めに尾根に出ることで雪崩対策としました。昼から降雪が激しくルートが見えないので夕方前に尾根上で行動打ち切り。雪が降り続き、夜中に何度も除雪に出るが、翌朝には出入り口が埋没していました。

29日は快晴。腰から胸ラッセルが続き、なかなか進まない。
雪壁はピックもシャフトも手ごたえがないので掌を突き刺し、そこに加重する登りが続く。
核心の断崖は岩が露出しているのでむしろ易しく感じた。今回の核心はサラサラ雪の雪壁でした。核心を抜けるとすでに夕方。相変わらずの深雪に苦しめられ、ルートを抜けたのは20時を過ぎていました。

翌日は悪天候の予報なので、唐松岳山荘まで登り続けることにしたが、ラッセルは続く。
キノコ雪の突破にスコップを使い、仮眠をしながら唐松岳を目指し、ようやくたどり着いた山荘脇で仮眠をするが寒いのですぐに下山開始。
八方尾根スキー場に着く頃には雪が降り始めていたので、いいタイミングでした。
1泊3日で登り続けましたが、悪場の処理、長時間行動に慣らすいい山行ができました。

松木沢

期間 2月13日
メンバー 野田、宇都宮
ミックスクライミングの練習に松木沢ジャンダルムへ行って来ました。今回登ったのは中央壁直上ルート。ちょっと昭和な香りのするネーミングに魅かれました。
壁はカラカラに乾いていて登りやすいコンディションでしたが、 ところどころ傾斜もあって難しかったです。ただ、クラックが発達していてカムがよく効くので大胆なムーブが楽しめました。
(宇都宮 記)

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荒川出合2ルンゼ大滝

期間:2月1日
メンバー:山崎、宇都宮
氷の状態は柔らかく、登りやすかったです。下降は相変わらず厄介でした。隣の3ルンゼに入ったパーティの話ではブライダルベールは2ピッチ目出だしがスカスカ。アーリースプリングも右のナメ滝も厳しいとのこと。今年は氷は当たり年かと思ったのですが…。なかなか厳しいです。

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鋸山南壁

妻と千葉県の鋸山南壁に行ってきたので、報告します。
3月にまたアメリカのザイオン国立公園に行く予定なので、砂岩のクラックの練習になるのではと思い、28年ぶり?に向かいました。鋸山南壁の岩場へは有料の車専用道路を利用するしかアプローチの方法はありません。1日、普通自動車は1000円、我家はボックスタイプなので1200円です。料金所を過ぎて2分ほどの大きく右カーブした付近に数台置けるスペースがあります。(駐車スペースの近くにスイセンが植わっているので踏まないように・・)岩のスケールは短いルートは7メートルほどで、長いルートは30メートルはあります。岩が脆いため全てトップロープです。既に設置してあるトラロープにクライミングロープをテーピングなどで接続し(少々コツがいる)上手いこと自分たちのクライミングロープに交換するのです。僕らはサソリクラック(5.10-)アイビークラック(5.10+)神奈川?(5.10+)奥の細道(5.11+)フラワーライン(5.12)などで遊びましたが、アイビークラックと奥の細道はなかなか楽しく、ジャムの練習には良いかもしれません。
我家は奥多摩からなので4時間30分はかかりましたが、神奈川などに住んでいる方はアクアラインを利用すれば2時間ほどで鋸山に着けるのではないでしょうか。(記 山野井)

 

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