瑞牆マルチ継続 「一粒の麦」から「錦秋カナトコルート」

瑞牆山十一面でマルチルートの継続登攀をしてきました。

日程:10月11日

メンバー:竹内・熊谷

ルート:十一面奥壁「一粒の麦」→左岩壁「錦秋カナトコルート」

「一粒の麦」

正面壁基部より白熊のコルからの下降路のルンゼ側へ向かうと、白テープやケルンが有るので、
それをたどって10分ほど岩壁基部を回りこんで行くとフィックスロープがあり、その手前の左側のバンドを行くと、取付きに出る。

取付きにて登攀準備

1P目

正面のフェースから3mほどのクラックを登り、スラブを左下へクライムダウンしてテラスヘ。

2P目

右側がフレーク状になったクラックが30mくらい続く、とても気持ち良いピッチ。
ハンドから始まって、だんだん広くなり最後はワイドになる(ワイド部分は5.9くらい)
キャメ#1~#5 (#3は3個あると良い、#5は1個)

3P目

写真のクラックを登り、上部が良く見えるテラスからチムニー内を下降して、ガリー基部でビレイ。

4P目(写真なし)
ガリーを登り、右側にクラックがたくさん有る5P目取付きまで。

5P目(写真なし)
クラックからフェース、ダブルクラックから5.8くらいのオフィズス、ガリーを右へ渡って6P目取付きの木でビレイ

6P目

出だしのカンテから右のクラックへ移るまでが難しい。
上部のクラックは素晴らしく、そのまま奥壁のピークへ出る。

奥壁頂上にて

 

不動沢側へ数メートル、クライムダウンしてトンネルを通って取付きへ歩いて下降。
10分~15分で着いてしまう。

荷物をまとめて正面壁基部へ移動。

「錦秋カナトコルート」には先行パーティーがおり、取付きで30分ほど待つ。
先行パーティーのセカンドが登り始めたのでスタートするが、1P目終了点手前のレッジでも30分くらい待たされる。
その後のテラスごとに待ち時間があったが、楽しくクライミング出来た。
上部は「100岩場」ではなく「マルチピッチルート図集」を参照されたい。
(2P目の5.10a は辛いと思う)

カナトコ岩の上より下降点を見下ろす

山族黄昏の下降点が混んでいるので、錦秋カナトコルートを懸垂下降した。

充実した一日を終えて

初めての瑞牆での継続でしたが、とても楽しめました。
初動時間をもう少し早くすれば、一日3本も可能では?と感じました。
(技術・体力をもっと向上させたいと思います。)

一粒の麦:1・3・6P 竹内リード
2・4・5P 熊谷リード
錦秋カナトコ:2・4 竹内リード
1・3・5・6P 熊谷リード

参考時間
7:00 植樹祭駐車場
8:20 一粒の麦、取付き
8:50 登攀開始
12:00 一粒の麦、終了
13:00 錦秋カナトコルート、取付き
13:30 登攀開始
16:00 錦秋カナトコルート、終了
17:00 下降終了、取付き
18:00 植樹祭駐車場

記 熊谷

瑞牆 マルチピッチ『Joyful Moment』

瑞牆十一面奥壁のマルチピッチ『Joyful moment』(5.9 5P)を登った。スメアする度にパリパリはがれる花崗岩の結晶や、不安定なホールド、浮石が登りこまれてないルートであることを示していた。

メンバー:熊谷、竹内、吉田(敬称略)

日程:9/14

末端壁からガレ場を登ると、このルートを整備した佐藤祐介氏が工作したと思われる白テープやケルン、フィックスロープが見つかる。迷わず取付きまで辿りつくことが出来た。

1P目(5.9)
左上する幅の広いクラック(というより溝)を追っていく。一見、ガバの連続に見るが意外に甘く悪かった。リードした竹内も朝一のクライミングということもあり少し緊張したとのことだった、が難なく通過する。

2P目(5.6)
1P目終了点から左にトラバースする。
ハイハイムーブが正解。出だしが少し悪い。

3P目(5.9)
緊張感を強いられたピッチ。『快適なガバホールド』とはとても言えない不安定なフレークが連続する。コーナークラックを抜けて乗っこした後、テラスを右へ数mトラバースする。ここに浮石が溜まっている。トップの竹内がここを通過する際ブッシュに隠れていた浮石を落とす。
竹内の『ラクッ!』の声にビレイしていた吉田と熊谷が上を見上げると30-40cm位の良いサイズの岩が落ちてくるのが見えた。吉田と熊谷の4m程右を地面まで落ちていった。

4P目(5.8)
フレアしたワイドクラック。トップの竹内はフットアンドバックや背中を効かせた登りで華麗にトップアウト。吉田は半分まで進んで力尽き、#5のキャメロットを使ってA0して突破。
『気持ちよくきまるリービテーション』が目玉のピッチとのことだったがサードの熊谷を含め3人ともリービテーションは使わず。
終了点からハヤブサのつがい(?)が飛んでいるのが見えた。

5P目(5.7)
テラスから岩の間を歩くとピークに繋がる短いクラックが見えるのでそこを登る。意外と甘いハンドサイズのクラックが数メートル続く。

ピークからの眺めはとても素晴らしかった。

 

 

下降はトンネルをくぐった。チムニーを登る下降路は良く分からなかった。

参照:http://www.sato-alp.com/?p=513

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先日のセレクションに続き、本当に充実したクライミングでした。熊谷さん、竹内さん本当にありがとうございました。
山歩きの体力、クライミングの技術…。まだまだ、足りないことだらけですがこれからも精進していきたいと思います。

吉田 記

ダイレクトカンテ

谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩正面壁 ダイレクトカンテ

日時 10月11日(土)
メンバー 塚田 遠山
行程
3時30分 起床 前夜入り土合駅泊
4時00分 土合駅から無料駐車所へ移動 出発
5時10分 一ノ倉沢出合
6時30分 衝立岩 中央稜取付下 アンザイレンテラスへトラバース
8時00分 1Pスタート(塚田リード)
9時20分 2Pスタート(遠山リード)
11時50分 3Pスタート(塚田リード)
13時40分 4Pスタート(遠山リード)
16時00北稜下降開始
18時30分 一ノ倉出合

概要
アンザイレンテラスまでのトラバースはフィックスロープも張られていたが、念のため自分たちもロープを出す。

1P目 ボサを数メートル登ったら右にトラバース気味に進むと凹状の壁が現れる。岩は脆く、濡れた草が足元を滑らし悪い。ロープが屈曲し引くのが重い。45m程ロープを伸ばす。

2P目 どのハーケンも信用できない感じだ。たまに出てくる浅打のリングボルトに精神が救われる。スリングのタイオフや3㎜スリングも使用した。長い40mだった。

3P目 高度感満点だ。技術的には2P目より簡単に感じる。ペツルのハンガーを使ってしまった。これで死なないと塚田は情けなく思う。

4P目 傾斜は寝るが墜落の許されない感は一番だった。壁全体が赤茶けていてとても脆い。ランナーをできるだけ取り、万が一の墜落距離を少なくするよう努力した。リングボルトのリングの変形、リング無しなどが目立つ。3㎜スリング3本、リベットハンガー1本を使用した。3㎜スリングはもはやパートナーと言っても過言ではない。絶対の信頼を込めて前進して行った。ところどころフリークライミングになるところが怖い。ピッチの終わる最後の1.5mがきわどい。いつか掴む草木も無くなるのではと心配する。リングボルトが2本打たれていたがもう少しロープを伸ばし、壁にハーケン2本とカムを1本打ち自分達でビレイ点を作る。45m程ロープを伸ばした。

装備考察
ランニングを間引くことは考えず、ランナーを20本以上用意した。
ハンドサイズ以下のカムが有効。数度使用した。
ハーケン、ハンマーは必ず持参。
タイオフ用の細めのスリング。
3㎜スリングを忘れずに。
重いけど、敗退用のジャンピングとボルトはお守りとして。命の重さに比べたら・・・

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御神楽岳(広谷川・水晶尾根、本名穴沢下降)

日時 9/9~9/10
場所 越後山脈 御神楽岳
蝉ケ平~スモヒラ~二俣~御神楽沢より水晶尾根~水晶尾根ビパーク
水晶尾根~山伏ノ頭手前より本名穴沢を下降~蝉ケ平
メンバー 古畑・植田・遠山(本文含み敬省略)

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日本登山大系を見て少し前から気になっていた御神楽岳
この話しを植田にしたところ行ってみたいとなり、会友の遠山を誘い3名で行くことに。
蝉ケ平から広谷川~御神楽沢へ入り沢中で1泊、翌日に本谷ルンゼを登攀し登山道で下降の計画にしたため夜はキムチ鍋だと、大量のうどんとキムチを担ぎ出発。

順調に御神楽沢とム沢が交わる二俣へ、そこから御神楽沢へ入りすぐに大滝
この大滝を高巻き最中、前方ゴルジュを塞ぐ大きな雪の塊があり通過が困難であろうと判断、現在地からみると水晶尾根を限りなく末端から詰めあげてることから、水晶尾根へと予定変更。

ここからはひたすら激しい藪漕ぎの連続でもがいていると尾根へ。尾根もすっきりとしない藪まじりの尾根、途中リングボルトが残されている小さな岩峰を越えたところで3人が寝れそうなビパーク地、最高に眺めがよい。

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しかし、急遽水晶尾根にしたために水が足りずキムチ鍋も翌朝のラーメンもお預け・・一人500ml程度のみ。夜は最高の夜景だったが蚊にも悩まされた

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翌朝は水晶尾根を詰め山伏ノ頭手前までくるもあまりの暑さと飲み水不足で山頂経由は諦め本名穴沢へ下降することに何ピッチ懸垂下降をしただろうか・・・歩いて降りられるころに念願の水が!帰りは積極的に水の中へ入って蝉ケ平へ向かい、駐車場でキムチ鍋を楽しんだ。

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水晶尾根は登山大系によると本名穴沢出合いよりトマノ左俣を詰めて尾根に出るようで御神楽沢より詰めるとかなり時間を要する。水不足や急な予定変更などはあったものの日本の山登りを満喫でき充実の山行となった。

記 古畑

 

北アルプス単独行 上高地から親不知 4つの登攀

北アルプスを南から4つの壁を単独で登攀しながら北上し、日本海に抜けました。
13日分の食料、テント、寝袋、そして登攀具は9mm×50m、6mm×50m
カムを1セット、ナッツ1セット、ロックピトン3枚など、ザックの総重量は27キロ~28キロになりました。

8月27日 上高地~涸沢~北穂高、(曇りのち雨、行動時間、9時間)
28日 ドーム北西カンテ登攀~槍ヶ岳、(曇りのち晴れ、一部新ルート?、10時間)
29日 槍ヶ岳西稜登攀~双六小屋、(曇り、10Pの登攀、10時間)
30日 ~薬師峠、(曇り、8.5時間)
31日 ~五色ヶ原、(雨のち曇り、11時間)

9月1日 ~竜王岳Ⅲ峰南壁登攀~雷鳥沢、(曇りのち雨、美しい岩峰の登攀、12時間)
2日 雷鳥沢で休養、装備を乾かす
3日 ~源次郎、源次郎側岩壁~真砂沢、(曇り、新ルート快適なスラブ、9時間)
4日 ~阿曽原、(曇りのち晴れ、8.5時間)
5日 ~不帰岳避難小屋、(雨、水平道~清水尾根、12時間)
6日 ~雪倉岳避難小屋、(曇りのち晴れ、9時間)
7日 ~栂海山荘、(雨のち曇り、8時間)
8日 ~親不知へ下山、(曇りのち晴れ、8時間)

後半の縦走も不必要な登攀具をそのまま背負っているので、食糧が減ったとは言え、あまりスピードは出ませんでした。しかし天候が不安定のわりには、予定どおりの行動ができたのは良かったです。(記 山野井)
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城ヶ崎 オーシャントラバース

前回の瑞牆に引き続き、城ヶ崎のオーシャンロックで面白いトラバースをしたので報告します。左端のボクサーのスタート地点から始まり、原人テラス、ボトル岩、ピカソ岩を経由して矢羽根ルートで上部に上がります。遊歩道を回りザックの場所に戻るまで2時間でした。岩の全長は70mくらいでしょうか。グレードは5.9? ルート名を付けるとしたらオーシャントラバースですね。難しいラインではありませんが、ナチュラルプロテクションでの確保支点構築やロープの流れについて学ぶのに手軽なうえに、海を足元にしながらトラバースは爽快です。なお当たり前のことですが、懸垂下降での敗退は出来ません。
この日、午前中に取り付いたのですが、オーシャンロックは日陰で涼しく、快適でした。
もちろん午後は海水浴を楽しみました。(記 山野井)

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剱岳(剱尾根・チンネ中央チムニー~aバンド~bクラック)

★日時 2014/7/21~23
★場所 北アルプス 剱岳
★メンバー 山野井(夫婦)・山崎・古畑(記) 敬称略

7/21 05:30 馬場島出発  07:00雷岩着
10:00池ノ谷二俣着 14:00剱尾根コルE着(一段下にテント設営)
7/22 05:00 出発 15:10長次郎ノ頭到着 15:40 長次郎ノ頭出発
17:30 三ノ窓到着(テント設営)
7/23 04:20 三ノ窓出発 05:00 山野井ペアより中央チムニー取付き
07:20 中央チムニー~aバンド~bクラック 山崎、古畑ペア終了
08:30 三ノ窓到着 09:00 三ノ窓より池ノ谷左俣下降開始
14:10 馬場島到着
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今回、山野井夫妻と山崎、古畑の2組ずつ計4名で北アルプス剱岳(剱尾根・チンネ中央チムニー~aバンド~bクラック)へ2泊3日の工程で行ってきました。剱尾根への道中では子熊に遭遇するアクシデントもあり冷たい渡渉、小窓尾根への急な登りを経て池ノ谷へ降り立ち雪渓を詰める。この途中で古畑の足がつり全体の速度が低下、非常に迷惑をかける。なんとか剱尾根R10からコルEへ行き、時間はあったが足がつり続けた古畑希望でコルEで設営。
狭いが夜には富山湾の夜景が見える素晴らしいテンバだった。
翌日は日本の山らしくハイ松続きの長い尾根、コルCでの岩場、門でのクライミングを先行する山野井ペアの素晴らし登りを手本に登っていくと長次郎ノ頭へ。
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残念だったのはガスで視界が悪かったこと。
三ノ窓までのルートが少し悪場がありながらもテンバ自体は眺めのよい最高のご褒美。翌朝はチンネ中央チムニー~aバンド~bクラックを登って帰ることに、この日は山野井ペアの後続で山崎ペア、なにより山崎の安定したリードクライミングで最後の登攀を楽しむ。剱尾根と比較すると岩も固く、天気も良かったことから眺めも良く気持ちよいクライミングを楽しめた。帰り道は池ノ谷左俣下降で14:10に馬場島到着で全ての工程を終了、馬場島で風呂に入り3日間の疲れを癒して帰京した。
3日間充実した山を満喫することができた。
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記・古畑

瑞牆 トラベラー

山野井です。

瑞牆の植樹祭エリアで、3本のルートを部分的に繋げるユニークなラインを登ったので、報告します。

以前、しじま谷に登りに行った際、トライしましたが、その後の梅雨で状態が悪く、チャンスはなかなか掴めませんでした。
ルートは「トラベルチャンス」を3m直上し、プロテクションが取りにくいハング下を4mトラバース、「落葉」のフィンガークラックを4m進み、それから8mはハンドジャムトラバース、湿っぽいコーナー、足ぶらトラバースで
「Hクラック」上部に繋げます。

ルート名 トラベラー・・としておきます。

全長25mのうち、オリジナルは半分ほどですが、色々な動きが出てきて面白いです。
部分的に濡れていたので、グレードは定かではありませんが、5.11+ くらいでしょう。
試登の段階から、グランドアップだったので満足です。
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三宅島

三宅島にクラッククライミングに行ってきました。

期間:5月16日~18日
メンバー:山崎、宇都宮
2人とも今回で二度目の三宅島。3年振りに来てみたらエリアもルートもさらに充実していました。

初日は比較的新しいエリアの富賀濱へ。前回行ったPO壁に比べると高さ・ワイルドさに欠けるものの岩が硬いので安心。5.8から11aまでを5本程登る。翌日は黒潮壁。ここには個人的に今回トライしたかった山野井さん初登の島内最難のルーフクラック「宝島」がある。朝のうちは水が滴っていて厳しそうだったが、試しにトライしてみるとハンドクラックがメインなので多少濡れててもなんとかなりそう。日暮れ間近に本気でトライし、どうにかRP。見た目、内容ともに素晴らしいルートだった。山崎さんも隣にあるドッ被りの5.10c「見かけ倒し」を2撃し、自己ベスト更新。この日はお互い成果が出て、極上の海鮮丼とうまいビールで乾杯! 翌日は最終日。この地のクライミングマスター・Cafe691の沖山さんに新エリアを教えていただき、行ってみる。高さは15mほどだが、素晴らしく硬い岩質である。干潮のときが狙い目かも。5.10前半の未登クラックを2本登り、お目当てのルーフクラックに挑むも歯が立たず。5.12前半は確実にあると思う。次回の嬉しい宿題ができたところで帰途につく。

前回来た時からずいぶん経ってしまったが、やはりいいところです。クラックしかないところも人が少ないところも、ここでしか味わえない醍醐味です。
まだまだ伸び代たっぷりな三宅島。次に行くのが楽しみです。
(宇都宮 記)

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GW槍ヶ岳北鎌尾根

GW後半、槍ヶ岳北鎌尾根に行ってきました。

期間:5/3~5/5(前夜発)
メンバー:山野井、塚田、古畑、山崎

5/2 沢渡駐車場にて仮眠

5/3 4:40沢渡発 — 5:10頃上高地—7:44横尾—9:34槍沢ロッジ—14:00北鎌沢右俣(テント場)
沢渡からはバスに乗る予定でしたが、単独の登山者に声をかけられ、5人で割ればバスより安いとタクシーに同乗することに。
上高地から横尾までスニーカー&サンダルで行き、狐にとられないようにビニール袋に入れ、秘密の場所にデポして、登山靴に履き替える。
大曲の手前で、水俣乗越らしきものを目指し、ひざ下くらいまでのラッセル。無事乗っ越せたけれど、地形がなんとなく違うということで、どうやら水俣乗越の右のコルを通ってきたようです。そのまま降りていくと左から水俣乗越からのルートと合流しました。
今日はがんばって北鎌のコルまで行こうかなんていう話もしていたけれど、北鎌沢右俣に近づくころから雨が本降りになり、今日は早めに休んで明日早めに出発しようということになりました。

5/4 2:00起床—3:20出発—15:20槍ヶ岳山頂—16:00槍ヶ岳山荘—18:00下山開始—19:00ババ平(テント場)

~以下塚田・古畑組記録~
(5/3テンバより5/4北鎌尾根から槍ヶ岳まで塚田・古畑組  記 古畑)
5/3 想定より早くに北鎌沢へ到着するも雨のため早めにテントへ。無駄に時間があり塚田・古畑で北鎌尾根という名に圧倒され、マイナス思考満載の会話をしていたため少し憂鬱・・・早く寝る。
5/4 朝3時北鎌沢より(山野井・山崎)(塚田・古畑)で北鎌尾根へ向けて出発。睡眠十分で体調は良い。
急な北鎌沢右俣を詰めあげる頃に周囲が明るくなってきて憂鬱な気持ちもなくなっていた。その気持ちは見たところ塚田も同じようだ。途中クライムダウンでもたついているところを山野井組に先をこされる。このあたりのルートの取りに違いを感じながら後を追う。その後懸垂でロープがスタックしたりと、ますます遅れる。後で聞いたところ山野井組は事前にスタックを予測しロープを流したという。
独標付近よりコンテで移動していたが、ロープを短くすることには抵抗がありずるずると50mのロープを引きずって歩くことによって更に速度は落ち、他パーティーにも抜かれ時間が気になり始めた頃ロープを解く。
速度が上がり大槍の基部で前にいたパーティーに追いつき、大槍上部にいる山野井組も見える。
大槍の登攀で順番待ちとなり時間はかかったが最後の登りを楽しむ。最終ピッチを譲ってもらい古畑が山頂に立ち続いて塚田が上がり二人で喜び下山。長時間槍ヶ岳山荘で待たせたしまい申し訳ないと思いながら山野井、山崎組と合流、時刻は5時半。
何より速度が遅く、色々学べて、そして体力のなさを痛感した登山だったが、感想は 『最高だった』

~以下山野井・山崎組記録~
北鎌沢右俣は早朝で良く締まっていて、途中まではゼイゼイしながらもサクサク登れました。上部傾斜が急になってくるとアイゼンの爪先とダブルアックスでピックの先端をしっかり刺していくためパワーを使い、全行程の中で一番きつかったです。近くで見守りつつ登ってくださっている山野井さんをみると、軽やかにリズムよく、力の入っていないような動き方で、見て真似しようとしても当然できず、私はすぐにゼイゼイ、フルパワーの詰めになってしまいました。
このとき塚田・古畑組は遥か上に見えて、北鎌のコルに早々に到着している模様。私が着いたころには準備完了、元気よく出発していきました。
独標の左の凹部を登るときからロープを出していただき、この日一番寒くガタガタ震えながらビレイして、ゼーハーしながらフォロー。
その後はコンテで、ロープはもともと40mくらいの短いものを使っていたので、たぶん15~20mくらい出し、一杯になったらついていきました。
確保はせず、危険な箇所は、登った岩の向こう側で山野井さんが待ち、ロープを直接手でひき上げてくださる形でした。
圧倒的な実力差があるからこその方式なのでしょうが、体力や技術では私が一番劣って足を引っ張っているはずなのに、やはり登攀スピードがものすごく速く、登る行為そのもののスピードよりも、ロープの使い方、ルート取りの仕方、また古畑さんも書かれていますが、懸垂下降時など、ロープへの細かい配慮などによって、全体のスピードが大きく異なるのだなと実感しました。
それでも長い北鎌尾根、時間がかかっていて、天候も崩れそうな雲をしているとのことで、スピードアップのため簡単な雪稜のピッチだけ、コンテでたるむロープの扱いが下手な私に代わって山野井さんが後に続く形に。ザックも同時に交換していただきました。私は荷が軽くなり、ただ手足を前に出せばよい状態になってからはペースがあがったようで、14時頃大槍の取り付き手前に到着。
取り付きには、天上沢から詰めあがってきて、全行程ラッセルトレースをつけてきたパーティーがいたので、少し遠くから彼らがあがっていくのを見ながら休憩。
大槍は3ピッチ。2ピッチ目では、下の取り付き手前に塚田・古畑組の姿を確認。後半すごいスピードで追い上げてきたようです。山野井さんは2ピッチ目、先行パーティと異なる右のルートを登るなど、自由にライン取りして頂上へ。私も後から続き山頂へ。 頂上では言葉にはできない嬉しさと感動で胸がいっぱいになりました。
槍ヶ岳山荘へのクライムダウンも結構怖く、渋滞する中慎重に下り、槍ヶ岳山荘に到着。山野井さんは塚田古畑組のためにお茶をわかして待機。無事合流して下山し、ババ平手前の雪原でテント泊でした。

5/5 6:00起床—10:40上高地着
朝から雨。山の上では暴風雪のようでした。

北鎌沢テント場
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北鎌沢右俣
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独標手前

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北鎌より槍ヶ岳
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槍ヶ岳山頂
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(山崎記)