瑞牆 トラベラー

山野井です。

瑞牆の植樹祭エリアで、3本のルートを部分的に繋げるユニークなラインを登ったので、報告します。

以前、しじま谷に登りに行った際、トライしましたが、その後の梅雨で状態が悪く、チャンスはなかなか掴めませんでした。
ルートは「トラベルチャンス」を3m直上し、プロテクションが取りにくいハング下を4mトラバース、「落葉」のフィンガークラックを4m進み、それから8mはハンドジャムトラバース、湿っぽいコーナー、足ぶらトラバースで
「Hクラック」上部に繋げます。

ルート名 トラベラー・・としておきます。

全長25mのうち、オリジナルは半分ほどですが、色々な動きが出てきて面白いです。
部分的に濡れていたので、グレードは定かではありませんが、5.11+ くらいでしょう。
試登の段階から、グランドアップだったので満足です。
f0198376_83121

三宅島

三宅島にクラッククライミングに行ってきました。

期間:5月16日~18日
メンバー:山崎、宇都宮
2人とも今回で二度目の三宅島。3年振りに来てみたらエリアもルートもさらに充実していました。

初日は比較的新しいエリアの富賀濱へ。前回行ったPO壁に比べると高さ・ワイルドさに欠けるものの岩が硬いので安心。5.8から11aまでを5本程登る。翌日は黒潮壁。ここには個人的に今回トライしたかった山野井さん初登の島内最難のルーフクラック「宝島」がある。朝のうちは水が滴っていて厳しそうだったが、試しにトライしてみるとハンドクラックがメインなので多少濡れててもなんとかなりそう。日暮れ間近に本気でトライし、どうにかRP。見た目、内容ともに素晴らしいルートだった。山崎さんも隣にあるドッ被りの5.10c「見かけ倒し」を2撃し、自己ベスト更新。この日はお互い成果が出て、極上の海鮮丼とうまいビールで乾杯! 翌日は最終日。この地のクライミングマスター・Cafe691の沖山さんに新エリアを教えていただき、行ってみる。高さは15mほどだが、素晴らしく硬い岩質である。干潮のときが狙い目かも。5.10前半の未登クラックを2本登り、お目当てのルーフクラックに挑むも歯が立たず。5.12前半は確実にあると思う。次回の嬉しい宿題ができたところで帰途につく。

前回来た時からずいぶん経ってしまったが、やはりいいところです。クラックしかないところも人が少ないところも、ここでしか味わえない醍醐味です。
まだまだ伸び代たっぷりな三宅島。次に行くのが楽しみです。
(宇都宮 記)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

GW槍ヶ岳北鎌尾根

GW後半、槍ヶ岳北鎌尾根に行ってきました。

期間:5/3~5/5(前夜発)
メンバー:山野井、塚田、古畑、山崎

5/2 沢渡駐車場にて仮眠

5/3 4:40沢渡発 — 5:10頃上高地—7:44横尾—9:34槍沢ロッジ—14:00北鎌沢右俣(テント場)
沢渡からはバスに乗る予定でしたが、単独の登山者に声をかけられ、5人で割ればバスより安いとタクシーに同乗することに。
上高地から横尾までスニーカー&サンダルで行き、狐にとられないようにビニール袋に入れ、秘密の場所にデポして、登山靴に履き替える。
大曲の手前で、水俣乗越らしきものを目指し、ひざ下くらいまでのラッセル。無事乗っ越せたけれど、地形がなんとなく違うということで、どうやら水俣乗越の右のコルを通ってきたようです。そのまま降りていくと左から水俣乗越からのルートと合流しました。
今日はがんばって北鎌のコルまで行こうかなんていう話もしていたけれど、北鎌沢右俣に近づくころから雨が本降りになり、今日は早めに休んで明日早めに出発しようということになりました。

5/4 2:00起床—3:20出発—15:20槍ヶ岳山頂—16:00槍ヶ岳山荘—18:00下山開始—19:00ババ平(テント場)

~以下塚田・古畑組記録~
(5/3テンバより5/4北鎌尾根から槍ヶ岳まで塚田・古畑組  記 古畑)
5/3 想定より早くに北鎌沢へ到着するも雨のため早めにテントへ。無駄に時間があり塚田・古畑で北鎌尾根という名に圧倒され、マイナス思考満載の会話をしていたため少し憂鬱・・・早く寝る。
5/4 朝3時北鎌沢より(山野井・山崎)(塚田・古畑)で北鎌尾根へ向けて出発。睡眠十分で体調は良い。
急な北鎌沢右俣を詰めあげる頃に周囲が明るくなってきて憂鬱な気持ちもなくなっていた。その気持ちは見たところ塚田も同じようだ。途中クライムダウンでもたついているところを山野井組に先をこされる。このあたりのルートの取りに違いを感じながら後を追う。その後懸垂でロープがスタックしたりと、ますます遅れる。後で聞いたところ山野井組は事前にスタックを予測しロープを流したという。
独標付近よりコンテで移動していたが、ロープを短くすることには抵抗がありずるずると50mのロープを引きずって歩くことによって更に速度は落ち、他パーティーにも抜かれ時間が気になり始めた頃ロープを解く。
速度が上がり大槍の基部で前にいたパーティーに追いつき、大槍上部にいる山野井組も見える。
大槍の登攀で順番待ちとなり時間はかかったが最後の登りを楽しむ。最終ピッチを譲ってもらい古畑が山頂に立ち続いて塚田が上がり二人で喜び下山。長時間槍ヶ岳山荘で待たせたしまい申し訳ないと思いながら山野井、山崎組と合流、時刻は5時半。
何より速度が遅く、色々学べて、そして体力のなさを痛感した登山だったが、感想は 『最高だった』

~以下山野井・山崎組記録~
北鎌沢右俣は早朝で良く締まっていて、途中まではゼイゼイしながらもサクサク登れました。上部傾斜が急になってくるとアイゼンの爪先とダブルアックスでピックの先端をしっかり刺していくためパワーを使い、全行程の中で一番きつかったです。近くで見守りつつ登ってくださっている山野井さんをみると、軽やかにリズムよく、力の入っていないような動き方で、見て真似しようとしても当然できず、私はすぐにゼイゼイ、フルパワーの詰めになってしまいました。
このとき塚田・古畑組は遥か上に見えて、北鎌のコルに早々に到着している模様。私が着いたころには準備完了、元気よく出発していきました。
独標の左の凹部を登るときからロープを出していただき、この日一番寒くガタガタ震えながらビレイして、ゼーハーしながらフォロー。
その後はコンテで、ロープはもともと40mくらいの短いものを使っていたので、たぶん15~20mくらい出し、一杯になったらついていきました。
確保はせず、危険な箇所は、登った岩の向こう側で山野井さんが待ち、ロープを直接手でひき上げてくださる形でした。
圧倒的な実力差があるからこその方式なのでしょうが、体力や技術では私が一番劣って足を引っ張っているはずなのに、やはり登攀スピードがものすごく速く、登る行為そのもののスピードよりも、ロープの使い方、ルート取りの仕方、また古畑さんも書かれていますが、懸垂下降時など、ロープへの細かい配慮などによって、全体のスピードが大きく異なるのだなと実感しました。
それでも長い北鎌尾根、時間がかかっていて、天候も崩れそうな雲をしているとのことで、スピードアップのため簡単な雪稜のピッチだけ、コンテでたるむロープの扱いが下手な私に代わって山野井さんが後に続く形に。ザックも同時に交換していただきました。私は荷が軽くなり、ただ手足を前に出せばよい状態になってからはペースがあがったようで、14時頃大槍の取り付き手前に到着。
取り付きには、天上沢から詰めあがってきて、全行程ラッセルトレースをつけてきたパーティーがいたので、少し遠くから彼らがあがっていくのを見ながら休憩。
大槍は3ピッチ。2ピッチ目では、下の取り付き手前に塚田・古畑組の姿を確認。後半すごいスピードで追い上げてきたようです。山野井さんは2ピッチ目、先行パーティと異なる右のルートを登るなど、自由にライン取りして頂上へ。私も後から続き山頂へ。 頂上では言葉にはできない嬉しさと感動で胸がいっぱいになりました。
槍ヶ岳山荘へのクライムダウンも結構怖く、渋滞する中慎重に下り、槍ヶ岳山荘に到着。山野井さんは塚田古畑組のためにお茶をわかして待機。無事合流して下山し、ババ平手前の雪原でテント泊でした。

5/5 6:00起床—10:40上高地着
朝から雨。山の上では暴風雪のようでした。

北鎌沢テント場
f0198376_12504541

北鎌沢右俣
f0198376_1252364

独標手前

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

北鎌より槍ヶ岳
f0198376_12513020

槍ヶ岳山頂
f0198376_12514684
(山崎記)

滝谷第二尾根・クラック尾根

f0198376_237762

GW直前、陽光降り注ぐ滝谷を満喫してきました。以下、報告です。
期間:4月24日~27日
メンバー:山崎、宇都宮
4月24日 新穂高温泉(14:30) ---滝谷避難小屋(18:30)
4月25日 滝谷避難小屋(3:25)--合流点(5:30)--第二尾根取付(7:30)--北穂高岳頂上(18:20)
4月26日 松濤岩BC(7:15)--クラック尾根取付(8:30)--北穂高岳小屋(16:45)
4月27日 松濤岩BC(6:50)--滝谷出合(11:00)--新穂高温泉(14:00)
【行動詳細】
4/24
夜勤明けの寝ぼけた身体を引きずって滝谷避難小屋へ。明るいうちに着いてよかった。夜の気温-3℃。
4/25
外に出ると天気予報どおり満天の星空。雪は締まっており、快適に進む。雄滝はかろうじて2m程で繋がっていた。合流点からC沢に入り、スノーコル手前で左から来る沢へ進み、どん詰まりから第二尾根に取り付く。二尾根はルート取りにもよるが、特に難しい箇所はなく、ひたすら長い。プロテクションとビレイ点作成にはナッツやカムが有効。天気もいいのでのんびり進み、さすがに疲れてきた頃に縦走路(松濤岩のコル)にひょっこり出た。ここがあさってまでのBCとなる。風もなく、ラジオもびんびんに入り、実に快適なテン場だ。夜の気温-8℃位。
4/26
快晴。今日はクラック尾根。北穂高小屋から急な雪壁をクライムダウンし、B沢コルを経由してクラック尾根取付きへ。雪のついたバンドから登攀開始。壁にはびっしりと氷がついており、冬壁っぽくて良い。2P目の出だしが悪く、唯一A0となってしまった。核心のジャンケンクラックはフリーのクラックを登ってるような動きが楽しめた。キャメ#3があれば安心だが、#2まででもまぁ何とかなった。午後になると上から落氷が降ってきて少々怖い。なんだかんだで時間がかかり、北穂高小屋に着いたのは夕方になってしまった。
4/27
今日は慎重に下るのみ。D沢を下る予定だったが、近くて状態の良いB沢下降とする。合流点付近は昨日のものであろう大量のデブリが出ていた。
林道わきのフキノトウを採りつつ、ポクポクと新穂高へ。14時、新穂高着。充実した4日間を終えた。
【装備】
エイリアン青~黄×2set、キャメ0.75~2番×1set、ナッツ1set、ハーケン4枚持参したが、エイリアンは1setで足りた。ハーケンはほとんど使わず。ナッツは多用した。2尾根には残置物はほとんど無かった。この時期わかんとストックは不要。
(宇都宮 記)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

八ヶ岳西面

期間:4月5‐6日(前夜発)
メンバー:宇都宮さん、山野井さん、山崎

宇都宮さん、山野井さんと八ヶ岳西面に行ってきました。
前夜、美濃戸山荘まで入り、車中泊。

土曜日、4月だというのに、冬型が強く山は完全に冬。しびれるような寒さの赤岳鉱泉から裏同心ルンゼへ。トレースはなく、氷はほとんど埋まって、足首程度のさっくりしたラッセルの緩い雪壁歩きでした。

大同心南稜はピンが少なく難しいので、後で宇都宮さん、山野井さんで遊ぶとのことで後回しにし、先に小同心クラックを登らせてもらいましたが、リードは怖々でとても時間がかかってしまいました。
2P目終了点で、大同心南稜を登るには時間的に厳しい、ここから稜線までこそが山らしく、山崎にとって良いトレーニングになる、抜けた方が山登りとして充実するだろうとのお二人の判断で、上まで抜けて硫黄岳を下ることになりました(私はその時は意識がふわふわしていて、ついていくだけで必死、後から理由を伺いました)。

宇都宮さん、山野井さんは、素早い判断とルート取りで、急で固い雪壁をトラバース。私は安全に動く方法を具体的に教えていただき、要所要所サポートされながら、後をついていきました。

横岳から硫黄岳は、まさに烈風といった感じで、全身を押さえつけられるような強風に、よろめきつつノロノロと一歩ずつの前進でした。
風のおさまる場所にたどり着くまで、お二人には終始サポートしていただき、大変ご心配おかけしました。

下山後のテントでは、宇都宮さんの美味しい鍋料理で楽しい夜ごはん。
思い出に残る赤岳鉱泉の夜でした。

翌日曜日、目的&候補のルートだった赤岳西壁主稜左ルンゼ、中岳ルンゼ、阿弥陀北稜は昨晩からの降雪で雪崩の危険が高く、天候も良くなかったため、中止とし、そのまま下山しました。

(山崎記)

穂高と錫杖

昨年の夏と秋の記録です。竹内、野田で穂高と錫杖の継続をしました。今となっては最高の時を彼と過ごせ幸せです。穂高では第一尾根への継続が出来ませんでしたが最終日ドーム中央稜は2時間もかからず駆け登り、ドームの頭から次は槍ヶ岳まで行こうと語りました。錫杖では初日テン場を間違え取り付きまで荷物を担ぎあげ二人で悪態つきながら左方ルンゼと第一ルンゼの継続。二日目は注文から無名ルートへ。あっさり終わりもう一本とお互い気力が爆発的でしたが、帰路を考え余裕をもち下山。来秋はヘッデン残業いとわなければ容易なルートなら四本できるねと。さすがに厳しいですがお互い興奮していたとおもう。彼とは山で両親とお姉さんと恋人のこと色々聞かされて確か聞き役に徹していたような…錫杖の初日テントを張り僅かな酒を呑み交わし、呑みたりない僕は焼酎が呑みたい
f0198376_2185621

 

南アルプス、三峰川岳沢

f0198376_2065295
f0198376_2062095

野田です。
単独で行った南アルプス、三峰川岳沢の報告です。
3/17
杉島集落のゲートから丸山谷を進む。営林署跡からは試しに本流を登るがこれは失敗。湿雪のももラッセル、岳沢出合までも遠い。やはりセオリー通りが良いみたいです。
岳沢の氷の露出はしっかりしていて、アックスもアイゼンも気持ちよく決まる。F4で荷揚げの為にロープを出すが、他はロープを出さずにサクサク進む。F8上まで登り、幕営。
軽量化のためにスコップ、わかん等は置いてきたが酒だけは外せず、ひとり宴会をして就寝。

3/18
月明かりで登り出し、日の出の頃には稜線へ抜ける。四つん這いにならないと体を持っていかれそうなくらいの風に耐えながら仙丈ヶ岳に登頂。長いアプローチ、連続する氷瀑をこなしての頂上は感動ものだが風が治まらない。
甲斐駒ヶ岳、鋸岳を目指すが、天候悪化、風も吹き荒れ続けるので下山。北沢峠からは雨になり、ずぶ濡れになりながら戸台、そして杉島集落まで歩いて戻りました。
岳沢のみでもいい山行になりますが、鋸岳まで縦走し、角兵衛沢から下山すればさらに充実するかと思います。

明神岳東稜

期間:3月14日~16日(前夜発)
メンバー:宇都宮、山崎

宇都宮さんと明神岳東稜に行ってきました。

坂巻温泉にて前夜車中泊、翌日のアプローチには自転車を使い、何度も転びましたがスピーディーに林道を移動できました。
雪崩の危険性の高い上宮川谷はトラバースせず、東稜下部から尾根を忠実に詰めました。
一日目はひょうたん池を少し上がった第一階段下の小さなコル部分にテントを張りました。
湿雪のため装備もウェアもびしょ濡れ、体も疲労困憊のまま就寝です。

翌日、わかんをつけても膝までのラッセルが続き、締りどころのない新雪に体力を奪われるコンディション(ほとんどの部分を宇都宮さんにしていただいてしまいましたが・・・)、新雪の表層雪崩もところどころで見かけられました。夜もあちこちで雪崩の音がしていたそうです。
核心のバットレス上部、右の凹角からあがるところが難しく、宇都宮さんは大胆なムーブで左側面からフリーで抜けていましたが、私は残置のお助けスリングをフルに使っても怖々で、ピッケルの使いどころを教えてもらいながらなんとか抜けました。

最後、足跡のない頂上に立たせてもらい、遠方望める好天の中、私にとっては初めての北アルプスの冬山に登れた感動で胸がいっぱいに。
タイムリミットが過ぎていたのですぐに下山し、前夜と同じ場所で幕営しました。
満月に近い月明かりに照らされた奥深い山々がとても綺麗でした。
気温、日中は-5~15度、夜は-20度を超えていたようです。

翌日の下山は雪も良く締まり、雪崩の危険も少ないことから上宮川谷をトラバースして下りました。
林道に降りたったころには、下でも風が強くなり、頂上付近は吹雪いているようでした。
帰りもスリリングで快適なサイクリングを楽しみ、無事坂巻温泉へ。

とても充実した山登りでした。(山崎 記)

f0198376_12185430

幽ノ沢

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

f0198376_2172026

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

期間: 2月26日(日帰り)
メンバー: 野田、宇都宮
先週、野田君と谷川の幽ノ沢に行ってきました。
V字の左を登って以来5年振りの谷川。ずいぶんサボッてしまった。今回狙ってたのは中央壁の正面フェース。前夜、21時半に指導センター到着。吹雪。明日の予報は晴れ。「厳しいか・・・」。
センターを3時発。2時間ほどで幽ノ沢に着。締まっていない雪をスネ~ヒザのラッセルで進み、シュルントを2回ほど越えて取り付きのトウフ岩の左下まで行ったあたりで右俣リンネから大き目な雪崩が2発。遠目には繋がっているかに見えた正面フェースの氷はペラペラの雪氷。敗退決定。
せっかく来たので、隣でしっかり凍っている左方ルンゼでも登りたいところだが、上部には長い雪壁帯が待っているのでムリ。仕方なく、少々遠いが危険の少ないノコ沢の氷柱へ。結構なラッセルを強いられたが、無事取り付き着。ここでもチリ雪崩というには可愛げのない大きさの雪崩が来たが、登攀続行。2Pの快適な氷を楽しみ、下山した。
日中10℃を上回る暑さのせいで、谷の雪はグサグサに腐って下山時には3月下旬の雪になっていた。
中央壁正面フェースの氷は、形成過程の似ている烏帽子大氷柱が発達したときが狙い目のように思う。来年はどうだろうか。
(宇都宮 記)

北アルプス不帰岳1峰尾根

f0198376_17163836

f0198376_17155764

期間:1月28日~1月30日

野田です。あえて厳冬期に単独で登ってきました。

アプローチは八方池の先から尾根を下降し、唐松沢を最短距離で横断、取り付きのルンゼも早めに尾根に出ることで雪崩対策としました。昼から降雪が激しくルートが見えないので夕方前に尾根上で行動打ち切り。雪が降り続き、夜中に何度も除雪に出るが、翌朝には出入り口が埋没していました。

29日は快晴。腰から胸ラッセルが続き、なかなか進まない。
雪壁はピックもシャフトも手ごたえがないので掌を突き刺し、そこに加重する登りが続く。
核心の断崖は岩が露出しているのでむしろ易しく感じた。今回の核心はサラサラ雪の雪壁でした。核心を抜けるとすでに夕方。相変わらずの深雪に苦しめられ、ルートを抜けたのは20時を過ぎていました。

翌日は悪天候の予報なので、唐松岳山荘まで登り続けることにしたが、ラッセルは続く。
キノコ雪の突破にスコップを使い、仮眠をしながら唐松岳を目指し、ようやくたどり着いた山荘脇で仮眠をするが寒いのですぐに下山開始。
八方尾根スキー場に着く頃には雪が降り始めていたので、いいタイミングでした。
1泊3日で登り続けましたが、悪場の処理、長時間行動に慣らすいい山行ができました。