Old but ・・・ マリオネット

マリオネットが登れた・・
39年前に山野井君が初登した、岩と雪117号の表紙にもなったルートだ。
私は幸運にも、初登時のビレイをし、名付け親にもなれた。
しかし当時の私にはこのルートにトライする力は無く、その後長い間訪れることも無くなってしまった・・・

2016年に初めて触ったが、足元に見える空間にビビり、ボコボコにされてしまった・・
そして今年の1月2月に1回ずつ、9年ぶりにトライしたが、今度は寒さで身体が動かない・・
城ケ崎としてはシーズン真っ盛りなのだが、60代の老体には寒すぎる・・
「ここなら夏でも登れるんじゃない?」のY君の言葉に一念発起、頑張って通ってみることにする。
4月26日に再訪、しかし今度は上部の引き付けるムーブで左肘を痛め4ヶ月離れることになってしまった。
力でねじ伏せるのではなく、ヒネリや足さばきで登らないと、これはダメなんだ、と改めて痛感した。
怪我から回復した8月中旬からトライ再開、しかしさすがに暑い!
特にチムニー部は熱がこもり、レストしていても汗が噴き出してくる。
まもなく前期高齢者の身体には休養の時間が必要で、以降2週間おきのトライにした。
ボコボコにされ、私が年齢を言い訳に弱気の発言をすると、毎回ビレイに付き合ってくれるY君が「今だから面白いんじゃない!あきらめる事は、いつでもできる!」と励まし?の言葉・・
そうだ、やめることはいつでもできる、今この年齢で頑張るから面白いんだ!
ジムのパートナーのアドバイスのおかげもあり、本当に少しずつではあるが、進歩が感じられるようになってきた。
そして10月19日の1便目、出だしは少々バタバタしたが、落ち着いてレストポイントで休め、苦手だった上部も何とかノーテンでこなし終了点が目前に・・
だが終了点へのクリップが出来ない・・
前腕がパンパンになってしまい、片手での保持が出来ないのだ!
吐きそうになるのをこらえ、何度か左右の手を入れ替えてクリップ成功!
「テンション」のコールで下へ降り、Y君と恥ずかしながら握手をすると、39年前にタイムスリップしたような、とても幸せな瞬間を感じた・・・


おまけの話
39年前にY君が残した初登時の終了点のカラビナとスリングを回収しました。
回収便で登る際に「終了点のカラビナ、記念に持っていたら?」との言葉で、私の宝物にさせていただきました。」
カムは回収できなかったので残っていますが、少し見た目がスッキリしました・・


最後に故杉野保さんの言葉を引用します・・
「まずひとつ言えることは、このルートは理屈抜きにおもしろいということだ。それは、超立体的構造が要求するムーブの多様性でもあり、露出感の極めて高い爽快な核心部でもある。(中略)「チンケなルートとは、体の一部しか使わないルートのことだ」吉田和正氏の言葉を借りれば、これはまさに対極にあるルートと言ってもいい。(中略) これはもっと登られてもいい、いや登られるべきルートである。」
そして、「世のクライマーたちは登るべきルートを間違えているのかもしれない。」としめくくっている。

記 熊谷


南八ヶ岳・大同心雲稜ルート

2025.08.30 南八ヶ岳・雲稜ルート

メンバー: 瀧川・武田・鈴木(拓)

穂高屏風岩に引き続き、今度は南八ヶ岳大同心”雲稜ルート”を登ってきた。南八ヶ岳は冬季に何度も登ってきた。特に大同心稜はアプローチ等で活用し、登下降を繰り返してきた。大同心に関して言えば、大同心ルンゼから登り、回り込んで頭に立ったのが8年前。その後、南稜を登ったのが6年前。そしてしばらく空いて今年、北西稜を登った。雲稜ルートの存在は知っていたが敷居が高いように感じ、登るならばドライツーリングで登りたいと考えるも、実力がまだ及ぼないと避けてきた。八ヶ岳でクライミングをするなら有名なラインで言えば雲稜ルートぐらいしか残っておらず、ぜひ最後の課題として取り組みたい。だが今年も達成できず。まずは自信をつけるということと、ルートを確認しておけば、比較的敷居を下げられるという仮説のもと、今夏に予備山行として決行した。結果、次の冬に登る自信と、期待感を得ることができた。その記録をここに残したいと思う。

<前日>

登攀前日の夜、西船橋駅に集合。千葉県出身の3人組が諸々の事情で再び千葉県で会合した。車で山梨へ移動し、近場の野営地で1時ごろ野宿した。鈴木は不足する睡眠時間を確保するために、夕方仮眠をとっていた。それから数日前から湧き上がるモチベーションを抑えられず、かつ、ブラックチョコレートのカフェインで頭が冴える状況。全く眠れないまま、綺麗な山梨の夜空と二人の寝息を聞きながら、起床時間の3時を迎えた。

<登攀日>

赤岳山荘の駐車場へ、4時すぎに到着した。4時半ごろ、ヘッドランプをつけて徐々に歩き出す。雪のない北沢の登山道が新鮮だった。1時間程度で赤岳鉱泉へ到着し、小休止する。アイスキャンディーのない鉱泉も違和感があったが、空気がとても澄んでいて気持ちがいい。再び歩き始め、大同心稜を登る。1時間程度歩くと、大同心の西壁が見えてくる。取り付きから壁を見上げると、冬にはどこから登ればよいのか観察しても不安しかなかった岩壁も、次第と合理的なラインが見えてきた。7時ごろ、登攀開始。

<1P目>リード:瀧川

至る所に散らばるガバホールドを使い、豪快に直上する。一部ハングがあるが、ガバを使って気持ちよく超えることができた。ハング部分は、冬季は緊張するかもしれないが、手袋でもしっかりと掴めそうなホールドはあったし、スタンスも選べば問題ない。

<2P目>リード:瀧川

続くピッチも直上した。一箇所ステミングを使う微妙なパートがありつつ、同じくガバホールドを使って登る。スラビーな岩面にアイゼンはたてられないが、前爪を引っ掛けられそうなスタンスや、ガバの位置などを確認できたので、冬季でもこのパートは登れそうだ。

<3P目>リード:武田

このピッチから、最終ピッチめがけて右上気味に登り始める。ジェンガのように積み重なった浮石の多いラインを丁寧に登った。

<4P目>リード:武田

このピッチは大きく壁を見て右側にトラバースする。トラバースは何度やっても怖い。フォローも怖い。それでも楽しい気持ちが勝ち、最後のピッチへの期待感に胸を踊らせた。

<5P目>リード:鈴木

このパートは、フォローだが冬季に南稜を登った際、登攀している。ガバもスタンスも多く快適な直上ラインだが、当時はストレートに近いピッケル2本(リーシュ)のみで登り、猛烈にパンプした記憶がある。丁寧にガバを探し、落ち着いて足置きをすれば、十分に冬でもリードができる。このピッチは南に面しているので、東側に隠れていた太陽光が気持ちよく、頭にたどり着いた。フォローの2人も面白かったと口を揃えて登ってきた。

下山道中、クライマーに、早いですね、継続しないのですか、と声をかけられたが、こちらからすれば最暑の時間に登りたくないのだ。それでも睡眠時間を確保するという観点で言えば、遅く出た方がいいのだろうか。いや、先発がいると落石の危険もあるし、遭難リスクを下げるための最善は、しっかりと眠ったうえで、早く取りつくことだと思う。人が3人しかいない岩壁の中で、最高な時間を過ごすことができた。次回は冬に。

初夏の錫杖岳ロッククライミング:LittleWing, 注文の多い料理店

2025.06.28(土)-29(日) 快晴
メンバー: 土屋・山本・鈴木(拓)
文責: 鈴木拓海

梅雨の合間に、北アルプス南部に位置する錫杖岳の前衛フェースを登ってきた。この時期には既に雪渓は消失していて、綺麗な水が錫杖沢を流れていた。アプローチ途中の緑たちは生い茂っており、ルート途中にも草がのびのびとしていた。梅雨の中休みにもかかわらず状態は良くて、充実したクライミングを行うことができた。

初日は朝6時ごろゆっくりと起き出し、いつものように、”どんべい”のためのお湯を沸かした。前日1時半ごろようやく眠りにつけたので、4時間半しか寝ておらず全く体の動きが鈍い。せめてもの救いが、東京と違って涼しいことだった。日差しも出てきて、快晴の中、ワクワクしながら歩き出した。

<<Little Wing >>

錫杖沢出合にテントを設営し、すぐに準備を済ませて前衛壁を目指した。昨年5月末に、左方カンテと1ルンゼを登っていたのでルートはバッチリわかった。ただ1ルンゼの取り付きまでは雑草が生い茂っており、踏み跡を少し外れてたどり着いた。10時前、少し遅い時間だが、LittleWingを登攀開始。3分の2ぐらいは1ルンゼを登るルート。鈴木がはじめの2ピッチをリード。日差しが暑いが、最近は沢登りばかりしていたので、乾いた岩を登るのが楽しい。(しかも、他に誰もいない!)。続いて、山本が次の2ピッチを登った。そして1ルンゼから逸れて、LittleWingへ。予定通り12時前に到着。

LittleWingはじめの5.9セクションは土屋さんリード。これまでの様相と全く異なり、垂直のクラックを登る。カムを慎重に決めて登られていた。ここからは日陰に入り、暑さを凌いで快適なクライミングを楽しめた。次の5.10cのピッチは山本がリード。ハンガーボルトの状態が少し悪いようだったが、カムも決めながら順調に上がる。最後の核心ピッチは鈴木にとっては緊張する楽しいクライミングだった!懸垂下降は4回で取り付きへ。下りは一瞬。テント場に戻って食事と団欒の後、18時には夕陽で明るいテントの中で就寝した。

<<注文の多い料理店>>

翌日は4時に起床。5時すぎには出発した。既に気温も高く、沢の冷たい水がうまい。北沢側フランケに回りこみ、登攀開始。1-2ピッチ目はロープいっぱいに継続し、鈴木がリードした。支点が遠く感じる区間もあり、緊張しながらではあったが、岩を掴むたびに幸せホルモンが脳内を駆け巡った。核心3ピッチ目も鈴木がリードした。フィスト大好きお兄さんなので、もちろんフィストジャムを両手で決めて、プチ被り壁を超えた。その後は快適なクラックを超え、終了。4ピッチ目は山本がリード。このピッチも緊張感があった。5ピッチ目の長い凹角左のクラック沿いラインは土屋さんがリード。続けて左方カンテの最終フェースも土屋さんがリードし、山頂まで抜ける最後のピッチは省いて懸垂下降で取り付きまで降りた。5.8とはいえ久しぶりの本格的なクライミング、安全に楽しめて充実した週末になった。

関東からは少々遠いし、浮石も多少あって、緊張感のある岩場だが、人は少ないし、面白いラインがたくさんある。また時間を作って必ず登りに戻ってきたい。

瑞牆山でのマルチピッチクライミング

最近、瑞牆山(と小川山)で何本かマルチピッチクライミングを行なったので、備忘録として・・・
9月17日 晴のち曇り
十一面岩奥壁、恋するモーメント 4P 5.10b(PD)
佐藤裕介さんがロクスノ95号で紹介したルート(初登は横山勝丘、千裕夫妻)
少々ふざけたネーミングだが、内容は良かった。
1P Joyful Momentの1P目の途中から直上するクラックを登る。
   パッと見にはプロテクションが取れなそうに見えるが、登ってみれば
   スモールカムが何ヶ所か決まる。クラックも易しい。
   クラックが終わり、スラブを右上したところで切りたくなるが、
   1P目の終了点はその上の少々汚いクラックを登った回廊のような
   ところが正解(岩にロープが巻いてある)
2P 短めのワイドクラックを3本続けて登るピッチ
   最初のワイドクラックは出だしが少々登りづらい。
   2本目は右側のフェースも使え易しい。
   3本目は一番手応え有り・・・
3P なかなかトリッキーなスラブをプロテクションに悩みながら
   トラバースから直上する。
   スモールカムが有効
4P Joyful~の最終ピッチと同じ
使用カム:キャメロット#0.2~#0.75・#2~#4 各2 

9月22日 曇り時々小雨
小川山 屋根岩2峰セレクション 6P 5.9
天気予報はかなり微妙だったが行ってみた。
2ピッチ目のスラブの終了点で少し降られたが、何とか持ってくれた。
5ピッチ目のトラバースは濡れていて嫌らしかった・・・
吉村君、お疲れ様でした。

9月30日 晴のち時々曇り
十一面岩左岩壁 山河微笑~奥壁 Joyful Moment 継続
山河微笑  5P  5.10a
1P 今日は乾いていて快適!
2P 大チムニー、左カンテへ出ず直上
3P 木登りからハンドクラック、ワイド気味のところが
   ヘルメットが邪魔・・・
   ここまで吉村君リード、頑張りました!
5P 今回もRP出来ず・・・このピッチ本当に苦手・・・
   フォローの二人はノーテンション(教えて欲しい)
カム:キャメロット #0.75~#4 各2+#0.5・#5 各1

Joyful Moment  4P 5.9
2ピッチ目が少々脆い事以外は快適
カム:キャメロット #0.5~#4 各2

10月1日 快晴
十一面岩左岩壁~正面壁 黄金の風 10P 5.10b
こちらも佐藤裕介さんがロクスノ95号で紹介したルート
ベルジュエールよりもはるかに時間がかかり、内容も濃い!と紹介されており、少々緊張しながら取付いた。
1P 山河微笑と同じ
2P 秋一番と同じ
   下り気味のトラバースを終え、直上が始まる所でやっと1本目のボルト    
   が有る。核心は2本目のクリップを何とか伸び上がってクリップした
   後の部分。25メートルでプロテクションは、この2本のみ・・・
3P このピッチも秋一番と同じ
   5.9だが、なんとも出だしが難しく、途中もプロテクションがあまり
   取れないオフィズス・・・
4P やや右へルンゼの踏跡をたどり、途中から秋一番の踏跡を右へ分け
   左の踏跡を頭上の大チムニーを目指して上がる。
   途中にワンポイントの5.8有り。
5P 大スクイズチムニー
   胸が厚いと途中で引っ掛かる、そう言うサイズ・・・
   大きいサイズのカムは使えません。
   プロテクションは奥のクラックへ#0.75~#2が使える。
   私は右差しを勧めます。
6P 正面ではなく右側の、これもワイドクラックを登る。
   プロテクションは出だしに1個取れるが、後はノープロ・・・
   クラックを抜けたら少しクライムダウンして、モアイの頭を
   ベルジュエールの1本左のクラック(凹角)を目指して回り込む。
7P 見た目より登りずらく初めは左上するハンドクラックだが、
   出口はまたもワイド登り・・・
8P 綺麗なクレセントクラック!
   これがクライミングだよ!と言いたくなる、とても気持ちの良いピッチ
   あっという間に終わってしまうのが残念。
9P 大きな岩をいくつか越えて、十一面岩の頂上直下へ。
10P 何となく右のクラックは脆そうだったので、ベルジュエールの最終ピッ
   チのクラックを登った。
   昨日と今日の疲れが出て、やや被り気味の5.8はきつかった。
   とても気持ちの良い十一面岩のてっぺんで終了!

カム:キャメロット #0.75~#3 各2・#0.3~#0.5・#4 各1

山河微笑2P目の大チムニー

 

山河微笑3P目

 

山河微笑5P目 苦戦するワタクシ

 

奥壁頂上

 

とても気持ちの良いクレセントクラック

 

末端壁基部から見た影瑞牆と八ヶ岳

 

 

稲子岳、小川山等

過去の山行記録を読みあさっていたとき、野田さんと竹内さんの北アルプスセミパチンコの記録を見つけた。無駄に休暇の長い自分なら、夏にできるんじゃないか?と思い、すぐに竹内さんに声をかけた。過去の地震による影響を考え、目標をパチンコから剣の継続に変更し、4月からぼちぼちトレーニングを実施した。しかし、ことごとく天気に恵まれず、予定していたトレーニングを半分も消化できないまま、計画実行の日は近づいていた。

2週間前から天気図とにらめっこしていたが、線状降水帯が直撃、からの回復、からの強風で、とても厳しかった。竹内さんと電話で作戦を練ったが、最終的に転戦することにした。色々あって真剣に生きないといけないと思い、体重を12kg減らして、体力もつけたが、やむなし。

8月14日稲子岳南壁左カンテ(L竹内、瀧川)

登攀時間1.5h、先行パーティーがいなかったら1時間ぐらいで登れていた。アプローチは登山道からピンクテープをたどり岸壁基部についたら左へ。風が強く体が飛びそうだった。登攀後はにゅうを経由して帰った。

8月15日涸沢岩峰トラバース(L竹内、瀧川)

2回目の涸沢岩峰トラバース、小川神社まで突き抜けて、登山道から駐車場へ帰った。早めに終わってナナーズへ、やっぱりアルパインやりたかったねーと竹内さんと話していると、駐車場から見える岩山が無性に登りたくなった。調べてみると天狗山というらしく、しかも涸トラの開拓者様がルートを引いているらしい。行くことに決めた。

8月16日天狗山ダイレクト(L竹内、吉田、瀧川)

吉田さんも合流して天狗山ダイレクトへ、全ピッチリードさせてもらって充実した。

3日間、悪あがきできたかな。

 

 

城ヶ崎

去年からコロナ、多忙な仕事。妻の大病など山に行きたいのにいけずに心身共に落ち込んでいたけど、大好きな城ヶ崎でトポにもない名前もない登られているかもしれませんが登られてないかもしれないルートを登ってきました。嬉しかったので報告します。

赤沢エリアのルートを見にきた山野井さんにも

ルート名考えなよと言われたので一応考えました。

赤沢エリア、SUN ROOF(サンルーフ)

ファミリーエリア、アシモト。

あぶなねエリア、クチバシ。(同じエリアの近くにあるくちばしとは

違うルートです。)

 

どれもプロテクションも頭を使うルートです。

赤沢エリアのSUN ROOFはフェースとクラックの両方の能力が必要です。

ファミリーエリアのアシモトは傾斜のあるフェースを

ナチュラルプロテクションで越えてからの最後のスラブが核心・・・。です。

あぶなねエリアのクチバシは見た目と違いワイドクライミング的な動きが出てきます。

じわじわと登るストレニュアスなルート。

どれも面白いルートなので行く機会があれば登ってみてください。

SUN ROOF(サンルーフ) 赤沢エリア(12a〜b 位)
SUN ROOF(赤沢エリア)
アシモト(ファミリーエリア)(10d位)
アシモト(ファミリーエリア)
クチバシ(あぶなねエリア)(10a〜b位)
クチバシ(あぶなねエリア)

西伊豆 千貫門

当初は南アルプスに登りに行く予定だったが、遠山の咳による体調不良と大沼君の凍傷後初の雪山登山を考え、南アルプスはエスケープも簡単では無い為に辞め、八ヶ岳ならエスケープも比較的楽な為、縦走しながら何箇所も登りながら降りることに予定を変更していた。しかし、自分自身が年末まで3週間以上、咳が続いてしまい体力も低下していた為、大沼君に理由を話しフリークライミングに変更をしてもらっていた。

城ヶ崎は2人とも好きな為29〜2日まで城ヶ崎で登り遠山、大沼共にある程度の成果を残す事は出来ていた。29、30日と城ヶ崎に山野井さんと行っていた際に前から自分が行きたいと思っていた烏帽子岩に行こうと思っていると話した所、今は登攀禁止だと聞き、ショックを受けていた所、近くに千貫門という面白そうなのがあるよ。と教えて頂いた。調べたら山登魂の記録が出てきて、自分達も簡単なマルチピッチ気分で行ったら結構痛い目を見ました。幸い、烏帽子岩を登るつもりで本チャン装備はしっかりと持っていって良かったです。

山登魂のルートは岩の大崩壊で消滅しており、地球クラブルートは取り付きがスラブ状でアンカーをナチュプロでは作り難いため却下。トポやネットの記録では5.6のマルチみたいな感じの記録だが、プロテクションが効きにくく、ボロいのを 考慮するとそんなに甘くはないと考えた方が良いと感じました。

今回登ったルートも2ピッチ目のランニングビレイは、岩ごと動くボロい所が多く堕ちたらタダでは済まされない感じでした。山頂はガレ岩の山頂だったが最終日は山っぽい登りを楽しむ事ができ大満足でした。

【1ピッチ目】 適当にトラバース10〜15m。3級位。手も足も崩れる感じの3級。1番ボロいピッチ。大きいホールドは基本掴んではダメ。
【2ピッチ目】 ほぼ直登。30〜35m。上に登るにつれ岩が固くなる。プロテクションはカムとナッツ。途中でハーケンを1本打った。4級〜5級に感じた。
【3ピッチ目】 草付きと岩のルートを直登。全ピッチ共通だが落石に注意。一箇所少し悪いスラブが出てきた。

【使用・持参ギア】
ハーケン6枚。カム0.1〜3番、ボールナッツの小さいサイズ2本。ハンマー。ナッツ。60、120スリングなど。 ランニングビレイの残置は無く、取り付きも手でちぎれるリングボルト以外はない為、支点構築がハーケン、カム、ナッツ問わず出来ないと危険だと思いました。(2ピッチ目の取り付きのアンカーは2本のナッツで取りました。)

数年後にはもっと崩壊を繰り返すのかなぁと考え、登っておいて良かったと思いました。

笠ヶ岳二ノ沢あけぼの壁 日登30ルート〜NEW DAWN〜稜線縦走〜錫杖岳

9月14日〜16日の3連休で北アルプスの笠ヶ岳の先輩達の日登30ルートへ登りに行ってきました。昔、笠ヶ岳に登山に行った際に新穂高から見える壁は何だろう?と思っていた記憶があった。

始めて日本登攀クラブの会員になり数年経ち、調べていると笠ヶ岳の壁には 日本登攀クラブ(通称、日登30)ルートがある事を知った。 行ってみたい!特に調べもせず大沼君に話すと 良いですね。となった。 行く事を決めて調べたが、せっかくなら錫杖岳まで行き錫杖岳でクライミングもしたらより最高なのではと考えた。まだ、猛烈な藪漕ぎ地獄になるとは知らなかったが・・・。

13日は仕事が遅くなり集合は22時。深山荘の無料駐車場を目指したが何と満車。係員さんより鍋平まで行ってくれとなり暗雲立ち込めるが、下山時にはここに停められた事は結果オーライとなった。

14日の3時に就寝、4時には起きられず5時半に出発。 元々、稜線には抜けられないのは覚悟をしていたので問題はないと思い出発した。壁までのアプローチも長く暑さと全装備を背負っていたのもありスピードも出なかったが無事10時半に到着。

日登ルートの1ピッチ目はワイドチックな動きを求められ、カムでランニングを取りながら登る。体感は5.8位か?ただランニングは取りにくかった。 その後も10b、4級、10cのクライミングをこなし、最後は登れそうなビショ濡れの悪いルンゼ(体感10d)を登り、壁を登り終えた。難しいピッチのリードのザックは荷揚げとした。ビレイ点以外の残置のランニングなどは殆ど無かったが、そこが情報の少ない山の良い所でもあると思う。

そこから3時間半の藪漕ぎをこなして平坦な場所で幕営。 暗い上にガスが凄く視界もないので幕営は正解だったと思った。水がかなり少ない為、夜と朝は食事を取れなかったが、気温は高く寒くなかったのは嬉しかった。

15日は前の日の寝不足と疲労もあるために明るくなった6時に錫杖岳に向け出発。快晴の幕営地から更に1時間半以上の藪漕ぎをしてようやく登山道に出る事が出来た。 登山道から水場を求めて降り、クリヤ谷の水場に着いて直ぐに1ℓを飲み干しクリヤの岩小屋に向けて出発。岩小屋には11時近くに到着したが空腹なので アルファ米とお茶を1杯飲みテントを設営して錫杖岳に11時半に出発した。 予報では月曜日は登れない可能性があるとの事だったので、今日だけでも登れたらと思い、遅くなるのは覚悟し最悪は懸垂地点まで明るいうちに抜ければ懸垂下降は暗くても問題ないだろうと思っていたが、3ルンゼの下降は浮石が多く非常に緊張感があった。15日はバードランド〜じーやの大冒険を登り、3ルンゼを下降した。明日は、雨でもこれで満足だなぁなんて話して就寝した。

16日、朝起きてみると何と雲もない快晴。この天気を見るとウズウズするのは仕方がない事だろう。今日は錫杖沢を詰め錫思杖戯を登ろうと話し出発をした。疲労もあるが、取付きに到着。 濡れていたがまぁ何とかなるだろうとスタート。どのピッチも緊張感のある凄く良いルートを登り、核心の11aのピッチをスタートして途中でテンションが入ってしまった。直後に大沼君が、天気が崩れそうだと教えてくれ下を見ると嫌な予感がした為、下降を開始した。 錫杖沢出合に着く頃にはポツリポツリときて降りて正解だったなと思いながら駐車場へ。いつも通り帰りの中央道に参りながら帰宅した。 藪漕ぎはかなりハードだったが、終わって帰宅をすれば行って良かったと思うのは不思議です。

【使用ギア】 キャメロット0.3〜3番まで2セット、4.5番1個ずつ、ナッツなど。

三倉岳とか

センチュリー フォー カラーズ


今年も終わるけど、花崗岩シーズン終盤に成果が出たので備忘録がてら。
● 10月30日  「センチュリーフォーカラーズ」(5.12b)
だれが見ても美しいこのフィンガークラック、6月に3日位トライし、トップロープでムーブを固めても登れないまま梅雨に突入してしまい、クラックから巨大ムカデが出現するに至って封印していた。4か月ぶりに行ってみると周りの木々の葉も落ち、見違えるほど明るく乾いた岩場になっていた。挨拶がてらプリプロテクションでトライするとあんなに悪く感じたフィンガーが驚くほどよく決まり、あっさりピンクポイント。じっくり休んでからトライし、パンプしながらもRP。いいルートは岩も体もいい状態のときに登るべきだと感じた。ちなみに昔の山岳部時代の強い後輩を連れていったらあっさり2撃された。うーむ、うらやましい。
●11月20日 瑞牆山「Cavitation 」(5.12a)
場所といい初登者といい、このルートも前から登りたいと思っていた。出だしが怖いし(実際危ない?)、途中で落ちると振られ落ちするので怖かったが、怖さもクラックの魅力の一つってことでトップロープは封印した。下から見てるより長い上に微妙な動きもあってカムは結構使った。登れた日は寒く、気温2℃。最後の核心は何を踏んでるのか分からず、苦し紛れに繰り出したデッド気味のハンドでかろうじて止まった。よかった・・・。延べ3日5トライ。
●12月14~16日 三倉岳「スーパーチムニー」、「ヒップクラック」、「モス・・・」他
今シーズンは職場のクライミング仲間に恵まれ、クラック好きが集まってて楽しい。
忘年クライミングツアーってことで車1台4人で三倉岳へ。噂に違わずワイド好きにとっては垂涎もののワイド天国でした。いろいろ登って飲んで食べて楽しかったけど、結局Tスタックとアームロックは身に付かなかった・・・残念。
●12月19日 「アメジストライト」
私には敷居が高いルートだったが、知人のクライマーに誘われるまま、来年の目標になればと行ってみた。下から攻めてみると下部は割とあっさりと解決したが核心はさすがに難しい。おまけに核心から先はランナウトするがこれは耐えるしかないだろう。2回目は気合が空回りして途中でテンション。だが、ムーブは固まった。友人のトライを見て少し修正して3回目のトライ。アドリブでカムの位置を修正する余裕もあり、首尾よくRP成功。
吉田和正氏が拓き、山野井さんが初登したこのルートを今年最後に登ることが出来、これ以上ない登り納めになった。
(記 宇都宮)

アメジスト ライト

落葉と摩天楼

宇都宮です。最近、瑞牆に行っててちょっと成果が出たので報告です。

「落葉」(5.12b R)
しじま谷へはこれまでに何度も行っていて、「落葉」はそのラインのカッコよさからそのうち登りたいと思っていた。
台風と長雨から解放され、待ちに待ったベストシーズン。岩の状態もかなりいい感じ・・・だが、Rの一文字にビビり、初回はトップロープで。多少ランナウトするけど、各プロテクションは良く効きそう。ムーブもまぁなんとか。2回目はプリプロテクションでトライ。核心で2m程落ちたが、ヤフオクで¥2,000で買ったメトリウスの#00番で止まった。「おー、ちゃんと止まるじゃん」。次もプリプロでやってみるが、やはり核心で落ちてこの日はピンクポイントすらならず。
一週間後の10月17日に再訪。ウォーミングアップで隣りのワイドを登り、上から掃除とプロテクションの位置だけ確認してリードトライ。手の位置とプロテクションの位置が重なりちょっと戸惑ったけど、アドリブでクリアしRP成功。プロテクションセットにコツがいるが緊張感のある素晴らしいルートだった。



「摩天楼」(5.11a)

10月24日、前日にクラブの吉村君と屏風岩で遊んだのに引き続き、この日は友人と摩天岩へ。
摩天岩と言えば「摩天楼」。ワイドクラックに特に苦手意識はないのだが、ワイドのテクニックと言えばアームバーしか知らない私にはイレブンのワイドはちょっと敷居が高すぎる。おまけにトポの写真がヤバい。この変態ムーブは私の辞書に載ってない。「んー、今日は寒いし、北斗七星(5.9)とか虚無僧クラック(5.9)とか登ってお茶濁そうかなぁ」なんて思っていたのだが、友人の摩天楼OSトライをビレイしてたら、なんかちょっとやってみたくなった。トップロープで触らせてもらうと、アヘアヘ言いながらもどうにかアームバーのみでクリア。「ん?これ、なんか出来るかも・・・」。で、リードトライ。かなりヤバかったが、どうにか持ちこたえてRP成功。ジーパンと膝サポーターに助けられた感は否めないが、まぁよしとしよう。
ようやく訪れたこの収穫期、もうしばらく花崗岩と戯れていたいものです。