谷川岳馬蹄形縦走

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2月の下旬に一人で谷川岳の馬蹄形縦走をしてきました。ぎりぎりの日数とぎりぎりの食料でたった一人、エスケープルートの少ない山の奥へ奥へと入っていく緊張感はなかなかのものでした。
2/26 晴れ→吹雪 6:30指導センター~13:30谷川岳~16:30茂倉岳小屋
天気予報が外れてくれて快晴の西黒尾根を歩きだす。前回1月下旬に来たときは4時間で上がれたが今回は雪が多く7時間かかってしまう。稜線に上がる頃には吹雪になった。視界がなくなり、道標に書かれた52m先の頂上小屋すら見えない状態。先行きに不安を覚えるが、休憩した小屋で見つけた誰かの忘れたクリームパンを食べたら元気が出てきた。計画続行。ほとんど休みなく10時間歩き続けた末にたどり着いた茂倉岳避難小屋は雪でほぼ埋まっていた。夜通し風雪。除雪2回。
2/27 晴れ→吹雪 6:30~12:00清水峠12:30~17:00朝日岳手前
昨晩は風が強くあまり眠れなかった。今日は弱い高気圧に覆われて晴れるはず。武能岳を越える頃には予報どおり快晴になる。上越の山々が遠くまで見渡せ、来てよかったと思う瞬間だ。所々クラストした稜線を快調に飛ばしていたが、蓬峠で片方のワカンが真っ二つに壊れてしまった。補修できるレベルではない。嘆いたところで始まらないので片方だけで歩くことにする。清水峠からの登りで天気が崩れ始め、風が出てきた。立ち止まると一気に体温が持って行かれるのでスピードを落として休まず歩き続ける。吹きさらしの稜線ではテントの張りようもなく、ハイ松帯に洞穴を作って一晩の宿にするかとも思ったが、朝日岳周辺まで行けば地形が複雑だから風も避けられると踏んで進み続ける。陽が落ちる少し前、風を避けられる恰好の窪地を見つけた。よかった。
2/28 霧→晴れ 7:45~11:40白毛門~12:45土合登山口
朝起きるとガスの中。今日中に降りられるのは確実だし晴れてくるのは分かっていたので、ガスが晴れるのを待って出発する。快晴の中、対岸の一ノ倉沢を眺めながらのんびりと下山する。昼過ぎに土合着。
(宇都宮 記)

上越の雪山

荒沢山~足拍子岳

2/6 晴れ→雪

所要タイム 土樽駅7:20=11:05荒沢山11:25=14:05足拍子岳=16:30土樽駅

今シーズンは氷が不作(凶作?)のようで、あまりモチベーションも湧かないので、最近は谷川岳辺りを歩いている。一回目は馬蹄形をやろうとしたのだが、往路で車がパンクしてしまい日数不足で敗退。2回目の今回は天気が悪そうだったので、距離が短く敗退もしやすい荒沢山~足拍子岳を選んだ。一人だしラッセルもあるだろうから、と1泊2日を見込んだが、さほどのラッセルもなく1日で登れた。ルートは正しく土樽駅の裏山といった感じで高速道路の音が常に聞こえてしまうのが少々興ざめだが、それでもたかだか標高1300mでこれだけの雪と戯れられるのだから文句は言えない。荒沢山から足拍子岳間のリッジはところどころ雪庇が出ており、リッジどおしに行くか側面を巻くかでルートファインディングの面白さがあった。足拍子岳の頂上では完全にホワイトアウトしてしまい、降り口が分からず、真剣に地形図とコンパスとにらめっこをした。地形図なんて久しく真面目に見てなかったが、たまにはこういうのも必要だ。下りの南尾根では小ギャップが出てきて、唯一ロープを出したが、地図読みが当たって土樽駅前の橋にはドンピシャで降り立つことができた。

フリークライミングでは、城ヶ崎の赤沢港のジェニュインリスク(5.12a)が3撃できたのが成果。

(記 宇都宮)
荒沢山

 

荒沢山~足拍子岳

荒沢山~足拍子岳

ジェニュインリスク(5.12a)

ジェニュインリスク(5.12a)

 

神須の鼻

期間:12月3~6日

メンバー:山野井夫妻、山崎、宇都宮、会友H他1名

free fan72号に特集された三重県熊野市の神須の鼻へ行ってきました。大々的に発表されたばかりなので混んでるかと思いましたが、2日間貸切でした。岩は質のいい花崗岩でルートもよく、民宿の食事も海の幸どっさりで楽しいクライミング旅行でした。

12/3 奥多摩発20:00~大月駅着/発21:00~亀山SAにて仮眠2:30~6:30

12/4 9:00頃駐車場着。アプローチで結構迷い、岩場に降り立ったのは10:30頃。釣り人の道(?)がたくさんあって初見だと少し分かりにくいかも。思い思いのルートを登る。6人でユマーリングすると結構時間かかりそうなので15:00頃に登り返しスタート。やはり全員で小一時間かかった。岩場の駐車場から宿のある集落までは約30分。宿近くに品揃えのいい商店あり。民宿みさきの夕食は海の幸満載で満足。

12/5 この日もそれぞれ楽しむ。個人的には「いはくら」5.11+の上部オフハンドが面白かった。RPし損ねたけど・・・。夕食は地元で採れた鯵の刺身やこの地の名物「さんま寿司」が出た。前日に続いてまた食べ過ぎてしまった。

12/6 帰りの長時間ドライブを考慮し、帰り道沿いにある瑞浪で登ることにする。春日井在住のOB熊谷さんに連絡を取ったところ、昨日瑞浪で登ったばかりなのにデカカムとケーキを持って遊びに来てくださった。感謝m(_)m。 16時頃に瑞浪を後にし、めずらしく中央道の渋滞もなく19:00頃に大月駅着。解散。

(記 宇都宮)

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現人神

少し前ですが、12月1日に瑞牆山の「現人神」が登れたので報告です。

10月下旬にトライし始めたものの、休みと雨の周期とがぴったり合ってしまい,なかなか思うようにトライできず、結局6日間10トライ位かかりました。核心のムーブはちょっとフェースっぽくなってしまいましたが、すべてスタティックに行けたので満足してます。蛇岩のワイドクラック「陽の当たる場所」にトライし続けていた後輩ツカモトと、お互い泣いても笑っても今シーズンはこれで終わりと決めた最終日に二人ともRPできてよかったです。

※トポには50mロープではロワーダウン不可と書かれてますが、下部スラブのプロテクションを長スリングで少し延ばせば50mロープで問題ありませんでした。

(記 宇都宮)

現人神

 

甲斐駒ケ岳 スーパー赤蜘蛛

 数年前から目標にしていた「スーパー赤蜘蛛」、ようやく登る機会が得られました。果たして期待どおりの素晴らしいルートでした。以下、詳細です。

期間:10月5日
メンバー: 山野井、宇都宮 
所要タイム: 八合目岩小屋発5:00→取り付き6:30 7:00登攀開始→10:40大テラス→15:00Aフランケ頭の岩小屋→16:00八合目岩小屋

1ピッチ目(5.11b) 宇都宮リード
出だしはハングの奥から。脆いフレークを掴んでハングの庇のガバを取ってフェースへ。朝一からきわどいスタンスのフェースクライミング。うまくいってたつもりが中間部分で手順を間違えてフォール。無念・・・。悔しいので休まずに上まで抜ける。フォローの山野井さんはノーフォール。キャメ緑、赤、黄使用。
2P目(5.8)山野井リード
快適で美しいなハンドクラック40m。問題なし。
3P目(5.10b)宇都宮リード
左トラバースから始まる、きわどいスラブ。ビレイ点が2箇所あり、始め下のところで切ってしまい、改めて上のビレイ点(RCCボルト2本)へ。この間の10m位もきわどい。5.10bは少し辛い?
4P目(5.7)山野井リード
ほぼオリジナル赤蜘蛛のラインどおりにV字ハングを越える。プロテクションはリングボルト。ハングは探すとガバあり。大テラスに到着し、しばし休憩。
5P目(5.7)宇都宮
草と灌木の生えた易しい凹角。
6P目(5.11c)山野井リード
本ルートの核心ピッチ。見目麗しきクラック。と思いきや出だし数mはグラつくチョックストーンと脆いクラック。小ハングから左のシンクラックに移る。この移るところが悪い。そこからはこれでもかというフィンガー。ビレイ点まで残り約3mのところで山野井さん力尽きてテンション。残念!フォローの宇都宮も残り1m位で力尽きテンション。厳しい!! カムはエイリアン緑、黄×2、灰×2、赤×3、キャメ緑×2、赤、黄、青
7P目(5.11a)宇都宮リード
前のピッチで前腕がどパンプしてしまい、しばしぶら下がって休憩。これを上までつなげるって・・・。何を食べたらそういう発想になれるのだろう。凡人の僕は充分に休んでからチャレンジ。かかりの良いフィンガーを数mこなしてからはバチ効きのハンドクラックが延々20m。幸せ。レスト出来るガバスタンスから1mほど上からフェースを右上してテラスへ。体感5.10c/d。エイリアン黄、キャメ緑×2、赤、黄×3、青
8P目(5.10c/d)山野井リード
このピッチは悪いという前評判(ネット上)だったが確かに難しかった。特に出だしの浅打ちリングボルトで一歩踏み出すのはリードだと相当怖そう。ただ、この頃にはここの岩質にだいぶ慣れてきていたのでリード、フォローともにノーテンションでクリア。あとは草付き&灌木帯を60mでAフランケ頭の岩小屋。
感想
行く前は、下手するとA0連発のグダグダクライミングになるんじゃないかと少々ヒヤヒヤもしていたのですが、結果的にはフリークライミングを存分に堪能できたように思います。岩の状態が最高の時に他パーティを気にせずじっくり楽しみたかったので、秋の晴天の平日を選んだのも正解でした。2テンションは残念ですが、これが今の自分の実力でしょう。次の目標に繋がるいいクライミングが出来てよかったです。
装備
60mシングルロープ×1本、ヌンチャク12本、カラビナ10枚、スリング60㎝×10本、120㎝×4本、エイリアン(青×1、緑×1、黄・灰×2、赤×3)、キャメロット(緑×2、赤×1、黄×3、青×1)
※ヌンチャクは8本、カラビナ&スリング各6位でも充分足りた。 軽量化を図って運動靴はAフランケ頭岩小屋にデポして行ったので、フォローのザックには雨カッパ上衣、ヘッドランプ、行動食、水700ccのみ。
(記 宇都宮)

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一刀

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9月21日

山野井さん、宇都宮で小面岩の「一刀」を登ってきました。シルバーウィークとあって植樹祭駐車場は今だかつて見たことのないほどの混雑っぷり。さぞやルートも混むかと思いきや・・・貸切りでした。5.11前半がつけられたピッチが3ピッチ出てくるものの、リード・フォローともにノーテンションで抜けられました。どのピッチもプロテクションは良く、快適でした。小面岩の頂上の眺望は素晴らしかったです。帰りがけに登った「カフェオレ(5.9)」。オフウィドゥス登りで登ったらとんでもなく奮闘的でした。
その他に最近登ったのは、小川山のノイズ、しじま谷のトラベラー(5.11b)、地獄エリアのB1フィンガー(5.11a)、キューピー岩塔の石触エレジィ(11b)
石触エレジィは30mと長くムーブも11bにしては難しく充実しました。

(宇都宮 記)