もう少し、もう少し。

昔の本。岩と雪を読み、自分の知らない山や岩を見ているとワクワクします。そんな時に金峰山の石塔岩・・・。金山沢が凍ってたらアイスも出来るかな?

など想像をして、行ってみたいな・・・。
それなら奥多摩駅〜石尾根を登って全山縦走もしたらもっと面白いかも知れないと思い1人で歩こうと思いました。
単独登攀用の荷物、4日間の荷物、幕営装備を背負い歩き始める時には、飲み水は800mℓのテルモス。
各所に水場があるから多いかな?と考え奥多摩駅を25日の朝4時に出発。
途中の奥多摩小屋で2ℓの水を汲み雲取山に11時。
雲取山で休憩を取り、アイゼンを装着し飛龍山の下りへ。飛龍山までのコースタイムでは3時間25分。
しかし、雪の状態が悪く、北天のコルに到着したのが、
17時10分。
しかも、雪が汚すぎて水を作れない・・・。明日の行動水と夜のアルファ米、コーヒー、スープの分しかない。
次の水場は飛龍山の少し先。なんとかなると思い、朝ご飯は食べずに行動食のシリアルを詰め込み26日、5時に歩き出す。
飛龍山の近くの秀岩からの景色は本当に最高だった。
歩いても歩いても水場の水がない。
運が悪いのか良いのか、かなりの晴天。暑さと水不足で、次第に身体が攣り始めた。ヤバイなと思いながらも晴天の景色に癒されながら、もう少し、もう少し頑張ろう!と思いながらゆっくりと歩いていた。将監小屋に辿り着いた時には11時30分。
水をガブ飲みし大休止。
本当は遅くても9時には到着する予定だった場所。
このペースだと28日の増富温泉〜韮崎駅行きのバスの最終時刻に間に合わないかもな・・・。次の水場までの距離と幕営地を想像し、この先も雪の状態がこの状態なら話しにならないな・・・と弱気になり足は一ノ瀬に向かい歩いていた・・・。
丹波の最終バスになんとか乗り自宅へ。
長い、長い下山を歩きながら、今、帰ってきてからも行けたかな・・・。しかしあの先も水が無く作れなかったら・・・。と心に言い訳をしている様な気がします。
この時期の奥秩父が水の採取が厳しいのは予想もしていませんでした。雪が汚すぎて作れない事も。
山もクライミングも、失敗や経験を糧に次の挑戦に繋げていきたいと思います。
(記 遠山)
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錫杖岳 北沢大滝~正面ルンゼ

3月16日
メンバー 山野井、宇都宮
槍見温泉3:00→4:40クリヤ岩小舎→6:00北沢大滝→8:00正面ルンゼ取付→10:00頂上→11:35クリヤ岩小舎→12:40槍見温泉
2日前に天気予報が変わってチャンス到来。急いで打ち合わせて出発。
気温が高くなりそうだったので3時に歩き出す。気温-2℃。雪はグサグサで歩きにくい。それでもうっすら残るトレースに助けられ、6時には北沢大滝に取り付く。大滝の氷はよく締まっておりアックスがバシバシきまる。途中、ルートを間違えて西の肩まで上がってしまい(この辺り地形が少し分かりにくい?)タイムロスしたが、8:00には正面ルンゼ取り付きに着いた。ここまでノーザイル。正面ルンゼは凍った草付と雪壁が主体で計4P。2p目は約80度の快適な氷。4p目はⅣ級+位のジャミングがよく効く岩のラインから登った。日が照ってきて頭上のキノコ雪が落ちてきそうで気が気ではない。急いで登り、10時に頂上着。槍穂高の稜線やいまだ噴煙を上げる御嶽山がよく見えた。やっぱり頂上に着くクライミングはいい。
天候に恵まれてまた一つ楽しい山登りが出来た。
(記 宇都宮)

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谷川 一ノ倉一ノ沢右壁左方ルンゼ・錫杖 3ルンゼ

【谷川 一ノ倉一ノ沢右壁左方ルンゼ】
2月25日 メンバー・古畑・植田
04:50 ロープウエィ駐車場発→05:50一ノ倉沢出合→07;50取付き→11:00 F5→12:00下降開始→13:00取付き→下山後 雪上訓練

この時期は初となる二人で一ノ沢右壁左方ルンゼへ。
出合いまでは快調でしたが装備を装着している時に本谷付近から大きな雪崩で冬の谷川にいるんだと実感しながら取付きへ向かう。ここ二日ばかり暖かい日が続いたためか一ノ沢にも大量のデブリがあり歩きにくく思いの外時間がかかる。
F5は全く氷がない状態で、その上の雪質もよくないことからF5より下降。
余った時間で二人で雪上訓練を行い下山。

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【錫杖 3ルンゼ】
3月3日~4日 メンバー・山野井・山崎・古畑・植田
3/3 12:40駐車場発→14:30クリヤの岩子舎着 3/4 05:00岩子舎発→06:00登攀開始→09:30 3ルンゼのコル

4人で錫杖3ルンゼ~グラスホッパーへの継続しようと3日の朝出発。
クリヤの岩子舎着までは順調だったが、やはり雪が多い。
その日はテント設営し3ルンゼ取付きまでトレースを付けて早寝し翌朝5時出発。
取付き付近では頻繁にチリ雪崩・・・本当は山野井さん山崎さんペア、古畑、植田さんペアとやる気満々だったが。ちょっと怖気ついて皆で登らせてもらうことに。例年はどうだかわからないが、思ったより氷がついていた。F6だけドライっぽく山野井さん以外A0になってしまい残念。。力をつけたいものです。
コルでグラスホッパーを見ていると大きな雪崩が2発。
登るのを断念して下降。
今回も色々と得るものが多い山行となりました。

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記・古畑

小粒な山登り

あまり成果もないのですが、意外と面白かった山行を二つほど。

赤岳ショルダーリッジ右  (宇都宮、熊谷OB)
●1月15日
●所要タイム:行者小屋6:30==8:00ショルダー右取り付き(8:30登攀開始)==11:35稜線==12:00赤岳頂上==12:35行者小屋
前の週に行ったものの大雪のため、取り付きで時間切れ敗退。気を取り直して前日入りして再チャレンジ。
取り付きは赤岳主稜の取り付きから一旦左下にクライムダウンして回り込んでから50mほど登り返した、左ルンゼの少し下の辺り。ステンレスボルトが目印。核心は1P目。被り気味の出だしはアックスを引っかけて越える。その少し上のスラブはかなり悪かった。3p目も少し岩登り。残置はほとんどなく小さ目のカムが有効だった。途中から吹雪になり、緊張感のあるいい山登りだった。

乾徳山 旗立岩中央稜  (山野井、宇都宮)
●2月26日
●所要タイム:登山口6:35==8:30懸垂点==9:30取り付き・登攀開始==12:00登山道
本当は幽ノ沢に行きたかったのだが、どこも天気が悪く、どこか日帰りで遊べるところ・・・と悩んだ挙句に山野井さんが出した案が乾徳山!さすが引出しが違います・・・。
ルートはほぼ頂上直下にある全3Pの短いルート。1P目が核心。下から見ると簡単そうだが、登ってみると逆層で悪い。夏は結構登られているらしく残置は結構ある。クラックはあまり発達しておらずカムはあまり効かない。素手になってヒィヒィ言いながら上がり、傾斜の落ちたところで岩にスリング巻いてビレイ。あとは簡単な岩稜登りで登山道へ。予想どおり途中から雪になり、思いがけず近場で「冬壁」を楽しめた。

(記 宇都宮)

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ショルダー右

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徳山中央稜

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徳山中央稜