八ヶ岳 大同心大凹角ルート

7月13日(土)、遠山と大沼で八ヶ岳大同心の大凹角ルートに登って来ました。 登山体系に正面壁で1番困難なルートと書いているので、心が惹かれていた。 梅雨の雨が続き計画していた山行は中止が続いていたが、先週、雲稜ルートに行った際に偵察をした。大凹角ルートの強い傾斜に驚き、プロテクションが取りにくい八ヶ岳の岩質を想像すると、困難な登りになる事が予測出来ていた。

7月の三連休は当初、屏風岩に行く予定だったが日曜日、月曜日と天気が駄目な事から諦め、日帰りで行ける八ヶ岳へと2週続けていく事にした。

大凹角ルートの取り付きは、崩壊したのか全く支点が見当たらない上に上部に残置も見当たらない。ハーケンを打つのも中々厳しい八ヶ岳の岩質と強い傾斜、この傾斜では自分達の能力ではアブミを使用するという事を考慮すると、持参しているギアの数では厳しいと判断し、雲稜ルートの取り付きから左上して登れないかと良く探ると行ける気がしたので取り付いた。

【1ピッチ目】(遠山リード)
雲稜取り付きから大凹角ルート3ピッチ目の終了点まで40m左上。ビレイ点はリングボルト2本。プロテクションは岩へのタイオフのみ。残置は無し。体感10a〜b。

【2ピッチ目】(大沼リード)
出だしに残置のハーケンとリングボルトが1本ずつ、終了点付近に残置ハーケン1本。約25〜30m。ビレイ点はリングボルト2本。体感10a〜b。

【3ピッチ目】(遠山リード)
出だしの残置ハーケンの1本でアブミの最上段に立ち込むしかし、次の支点はない。その先も垂直の草付きとボロボロの岩で支点は打てないまま、我慢しながら10m程登りリスにハーケンを打ち、大凹角のハングを超えた。大凹角出口にも2本ハーケンを打つ事が出来た。40m。ビレイ点を岩へのタイオフとハーケンを2発打ち確保。大凹角はボロボロで殆ど砂のようだった。両手で抱える位の石が落ちます。残置は無し。途中のリスに合計3発のハーケンでランニングを取る事は出来た。ハーケンを3本残置。ここで雨がパラつき焦り始める。 体感、10a〜b。

【4ピッチ目】(大沼リード)
垂直のフェースをノープロテクションで5〜6m程登り、北西稜ルートに合流しドーム基部まで。北西稜ルートに出ると基部までは歩きの為、途中で切り2ピッチに分けた。

【5ピッチ目】(大沼リード)
雨が降ってきた中、ドームを登る。豊富な支点に安心した。

【総評】
北西稜に出るまでは手も足も取れるボロボロさに付け加えランニングも殆んど取れません。体感では最低でも雲稜の最終ピッチをノープロテクションでフリーで行く感じのクライミングが北西稜に出るまでは続く感覚でした。残置のランニングは北西稜に出るまでは全ピッチで3本しかない為、トポには4級A1となっているがアブミも簡単には使えずリスも少なく、ボロボロの為に支点を打つのは難しいです。どのピッチも不安定な草付きには肝を冷やします。

【使用・持参ギア】
リンクカム赤と黄色。キャメロット0.3〜0.7。カム、ナッツは殆ど使えない。 リンクカムは2〜3回使用出来ました。ナッツ、ボールナッツ赤、青は未使用。 ハーケンは縦ハーケンのシルバーを使用。兼用ハーケンとアングルハーケンは使用せず。ボルトは敗退を考え2本所持したが使用はしませんでした。

【登攀時間】
7/13(土)  
  9:15 1P目(遠山リード)
10:40 1P目 終了点リード到着
11:20 1P目 終了点フォロー到着
11:25 2P目(大沼リード)
12:35 2P目 終了点リード到着
12:50 2P目 終了点フォロー到着
12:55 3P目(遠山リード)
14:50 3P目 終了点リード到着
15:30 3P目 終了点フォロー到着
15:35 4P目(大沼リード)
15:55 4P目 終了点リード到着
16:05 4P目 終了点フォロー到着
16:10 5P目(大沼リード)
16:35 5P目 終了点リード到着
16:45 5P目 終了点フォロー到着

全ピッチボロボロな上に残置がなく垂直な為、自分達の能力ではかなり厳しい登りでした。リードの墜落は致命的な事になると思います。