西上州の岩場は脆いと聞いていたので、自分から行こうと思ったことは無かったが、今回、友人に誘われて、4月27日~29日、西上州から足尾へ岩塔を巡るクライミングツアーへ行った。
26日の夜、雨予報の中を群馬県甘楽郡南牧村(かんらぐん なんもくむら、と読む)へ向けて還暦前後の3人で出発。
南牧村は高齢化日本一、消滅可能性も日本一の村だ!
まさに我々にピッタリの山域である。
道の駅で夜を明かすが、朝まで雨が降り続いている。
予報では6時頃には止むはずだったが、止む気配は無い。
仕方ないので(今日は脆い岩を登らずに済みそうなので、内心ほっとして)周辺の偵察と決める。
じじばば岩と高立一本岩を見に行こうという事になり、下仁田へ戻ってから254号線を西走し、じじばば岩はアプローチが遠そうな上、登れなそうなので、遠くから眺めるだけにして、高立一本岩を目指す。
これは凄い!
なぜ、これを観光に使わないのか不思議なほどインパクトが有る。
あいにく(ラッキーなことに)雨で濡れているので、今日のところは取付き偵察で許してやった。あー残念・・・
近くの岩塔をもっと見ようという事で、妙義山へ転身
筆頭岩(ひっとういわ)へ向かう。
おー、これも凄い! しかも乾いて来ている。
これは登らなければならないだろー!
取付きは駐車場からわずか5分!
ルートは写真右のリッジ
28日
今日は朝から晴天だが、よく冷え込んだ。
本日はメインディッシュの毛無岩の登攀
道場という部落のどん詰まりの神社の横から歩き、約2時間で取付き。
西上州らしい、脆い脆い岩登りを7~8ピッチで毛無岩の頂上へ抜けた。
最終日の29日は足尾へ移動。
松木沢ジャンダルムへ向かう。
松木沢は初めて訪れたが、ここも凄い風景だ。
昔よりは緑が増えたらしいが、今でも死の谷の様相を残している。
冷たい渡渉をしてジャンダルムの取付きへ向かう。
渡渉してから取付きまで、わずか15分。
直上ルートと思われるチムニーに取付く。
中央バンドまで3ピッチ、上部岩壁が2ピッチの登攀だった。
ここは昨日までの岩と違って、浮石が物凄いことを除けば、岩は硬くて快適だった。
帰りの渡渉が憂鬱だったが、懸垂下降で取付きへ。
我々は50mロープだったので、懸垂の支点まで数メートル届かないピッチが2回あり、クライムダウンで怖い想いをしたので、60mロープを推奨します。
クライミング、西上州や足尾の町、すべてが驚きと感動と懐かしさに満ちた三日間だった。
いやー、日本は広い!
いつか高立一本岩を登りに戻って来たいと思いながら帰京しました。
記 熊谷