正月の戸台

メンバー: 山野井夫妻・OBで撮影係の河野・そして志村

1月2日 昼食に伊那名物「花紋」のソースカツ丼を食べ、14:40犬山からの河野を               バスターミナルで拾い、車中泊の道の駅「南アルプスむら長谷」に向かう。
21:30分山野井夫妻と合流、ケーキとコーヒーで談笑し就寝。

1月3日 5:00起床。カップ麺もそこそこに戸台駐車場に移動。
7:00過ぎにB.C.予定の丹渓山荘に向かう。私は、病人でもある河野の食料も含め
12食27㎏を背に歩き始める。

小雪は舞っているが、トレースもあり歩き易い。
それでも私一人汗をかいているようだ。それもまた良し。
山野井夫妻2時間20分(通常では1時間30分のところ)、志村2時間40分・                    河野3時間20分各自無事到着。
天幕を設営し予定通り「舞姫の滝」に向かう。
取り付きにパーティーがいたが、挨拶も早々に吹雪の中、山野井リードでスタート。
妙ちゃん・志村がフォロー。大滝は先輩の強みで私がリード。
5級ノーマル程か?山野井フォロー、妙ちゃんは手が冷たくてバイルが握れないとの事で
切り上げ、B.C.に戻る。
外気温マイナス13℃

1月4日 4:30起床のはずが、寒すぎて眠れず、5:00起きる。
山野井が「河野さん、よく志村さんと眠れますね」と私のいびきの大きさに驚いたようだが、
当の本人(河野)は眠剤を処方されていたらしく熟睡。
6:00今回の本命である「7丈の滝」に山野井・志村で向かう。
山野井の歩く速度に付いて行くだけで精一杯、私だけまた汗をかく。
1時間ほどで滝の見える所に着く。
「7丈の滝」初見では、一昨年攀った「夢のブライダルベール」より大きく、
そして厳しそうであった。
気合を入れて枝沢に踏み込む。
トレースの無いガレ場を山野井は躊躇することなく進み、
F1につきハーネスをつける。私は取り付くつもりでルートを設定したが、山野井は
「氷が薄くて自分なら攀ぼらない」とのたまう。即決定。山野井の言葉は重い。
左のガレ場をコンテで2ピッチを含め、F3の取り付きに着くと、頭大の氷塊がごろごろあり、
見上げれば悪そうである。
つらら・オーバーハング等、危険と判断。撤退と決断。次回を期して・・・。
「駒津滝」に変更する。「五条滝」F1・F2はスクリュー2本と1本で抜ける。
「駒津滝」は大きいが傾斜が無い。
1ピッチ目5・6本、2ピッチ目2本のスクリューでリードさせてもらう。
物足りなさはあるが、アプローチで体力を消耗。
充分楽しませてもらいB.C.に15:00帰幕。
妙ちゃんは別行動で北沢峠経由で千丈岳に向かうも、稜線で吹かれて途中敗退。
河野は寒さで期待していた撮影が出来ず散々。
山野井夫妻はその足で下山。
昨晩同様の厳寒が不安で、借用した「象足」と「ホッカイロ」、そして山荘のゴミの中にあった
マットを併用して、思いのほか快適に眠れました。

1月5日 ザイル1本しかないのと、気心知れた年寄り2人では心細く、
温泉の方が気になり9:20下山。
無風・快晴の中景色に見とれ、若いときの昔話をだべりながら、4時間かけ駐車場に着き、
待望の温泉「仙流荘」でビールで乾杯。

1月6日 高遠城址公園等を散策し、
本命の「飯田食堂」のソースカツ丼の大きさに驚きながら食し、
12:00バスターミナルで河野と別れ、仕事モードに入り始めた頭を整理しながら帰途につく。

総括として、加療中でもあり、ブランクがあるにも拘わらず、河野は頑張って歩いてくれたが、
カメラのバッテリーの寒さ対策が課題として残った。

山野井夫妻のギャチュン・カンからの復帰アイスであった南沢に同行させてもらった折、
摩利支天の大滝では、傷もいえない2人が冷たさに悲痛な叫びをあげていたのが今でも耳に残っており、
南沢大滝ではリードを進められ、叱咤され、なんで山野井ごとき若造に指示されなければ
いけないのかと思った自分がはずかしく、
今回2日間の山行ではあったが、山野井の山に対峙する哲学といおうか、
アプローチ・幕営全てにおいて計画し、生きて帰る為には
理にかなった最善の方策ではないかと思えた次第です。

今の私のフェース・クラックのクライミングは、加齢と共に下降気味だが、アイスだけには自信があり、
過剰気味にさえ思える自分を戒める為にも楽しい山行でした。