古~い友人に誘われ、GWの滝谷へ行ってきた。
目標は第三尾根、たぶん自分は登っていないと思う。
滝谷の記憶はかなり曖昧なので、「穂高岳の岩場」や数冊のトポを読み、ネットで最近の記録を調べるが、どうも最近の記録ではスッキリと登った記録が見当たらない・・・
地震の影響で、穂高岳周辺の岩場はかなり変わってしまっていると聞いている。
屏風岩の扇岩が無くなるくらいだから、滝谷も相当変わっているだろう・・・
天気予報が好転してきたので、5/3~5の日程に決定し、5/2の夜に沢渡へ向かう。
本谷橋から上は雪渓を谷通しで登った記憶があったのだが、今年は右岸の夏道沿いを歩いた。これも温暖化の影響か。
5/4、午前4時前に涸沢を出発、6時過ぎに松涛岩と北穂南峰のコルに到着。
滝谷側を覗くと、意外に雪があり、少し安心した。
が! この傾斜を下るのかぁ・・・
ということで、C沢左俣を1時間以上のクライムダウンした。
やっとのことでC沢右俣との合流点に着くが、右俣側は常に自然落石が落ちている。
なるべく第三尾根側の落石のフォールラインから外れたところを登り、赤いガリーに入った。
写真は合流点から見たC沢右俣奥壁方面(グレポンは消失?)
赤いガリーは2/3ほど雪が有り、岩が出てきた所でロープを結んだ。
出だしはアイゼンで登るには、かなり悪いスラブ。
落石が酷く、ハング下でビレイしないと命がいくつあっても足りないくらい・・・
尾根に出る5メートルくらい手前でロープがいっぱいになり、1P目を切る。
2P目はガレガレの尾根上を大きなスラブ状フェースに突き当たるまで行ってビレイ。
3P目はビレイ点から右へ、壁と突き出した岩の間を通り、C沢右俣側へ回り込む。
トポでは小ピナクルが有り、チムニー登りをして大ピナクル側へ移る、とあるが、
小ピナクルが無い???
被り気味のクラックをジャミングで越える。ハンドジャムが効くが、登山靴では厳しい(カム持ってきて良かった)
その後も、かなりヤバいトラバースをして、T3とおぼしきコルに到着。
もう1ピッチ、ドームを左に見ながら直上して、たぶんT2
そこからドームを巻くように右上、5ピッチくらいで縦走路へ出た。
何とか生きて帰れそうだ。
雪が腐り歩きにくくなった主脈を歩き、北穂沢をよれよれで下って涸沢へ帰還した。
天候に恵まれ、充実した登攀が出来た。
あと何回、この景色が見れるだろう
記 熊谷